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第三章

57 実りと・・・・・・

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ふわ~と優しい風が俺の背後から凪いでくる。
振り向くとアシュレイ兄弟が上着を脱いでインナーだけの姿で、鍬を持っているではないか。
「ははは、お前ら兄弟容姿が綺麗すぎて農作業の格好似合わないな~~~」
かくいう俺も同じ格好になって、
「団長だって全く似合ってないじゃないですか~~」
「何を~~~~。お前らより『様』になっとるわい!!」
「もうスイも兄様も早く手を動かしてください。終わりませんよ」
「と、その前にレイ、お前身体大丈夫なのか?」
そう言えばこいつ力の使いすぎで魔国で倒れたのだった。
あの時のレイフォードの力には俺も菖蒲姉さんも驚愕させられ、元の世界に戻って訓練せねば!と決意したのだが、今のレイフォードからはその時の力の『欠片』がどこにも見受けられない。
だが、気付いたのだ。
元の力をあそこまで引き出したのレイフォード自身ではなく、あの時『どうにかしたいと思った多くの水の精霊が力を貸していただけ』に過ぎないのだと。
精霊を受け入れるキャパシティがレイフォードには足りなかったのだ。
なので、もちろん訓練は続けるが、レイフォードが今後も俺たちを『抜く』ことが不可能と判った以上、今は元の世界に戻る必要は無いことが判明した。

「おいおい、俺らも混ぜろよ」
アルバートとちょっと不機嫌なジオルドが、これまた全く似合わない格好で登場したのだった。
ちなみにエリアスとヴォルフは、第一と共に魔国に戻って活動している。
「第一、第二が動いているのに俺たちだけ休んでいるなんてできないだろうが」
「ジルはさすがに体力の限界だから本当に寝てるけどね」
呪いから解き放たれて元気になったと言っても、何年も自室から出ることができなかった彼は俺たちより体力が乏しいのだが、何故かエッチの時だけはすんごい体力を持続させるのだ。
兄弟ともその時は俺よりも遙かに体力の限界バロメーターを凌ぐのだ。
お~~~こわっ!!!
「じゃ、これだけ集まれば1日分ちょっとは収穫できるだろう」
「土が可哀想ですけど、頑張って貰いましょう!」
「「「「「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」」」」」



青々と実る野菜や果物は俺の想像を超えて100人分ほど収穫ができた。
これも皆の協力あってのこと。
ジルフォードも体力をもっとつければ、これ以上のことができるだろう。




あとは、アーダルリア情勢を知るのみだ。
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