不運が招く人間兵器の異世界生活

紫苑

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第四章

17

常時発動、はっきり言ってめっちゃ、しんどい!怠い!!辛い!!!
ぐちゃぐちゃのミンチだったのを元に戻したは良い物の、中から溢れ出てくる『憎悪』が俺を苦しめるのだ。
身体を破裂させて、この憎しみを撒き散らしたい!というとんでもないどす黒い『憎悪』。
これを宥め、維持する力は本来俺には備わっていない。
備えている俺の術は『浄化』と『祓い』だからだ。
維持となると式神で結界を張れる桃季が抜群の力を発揮する。
「翠蓮、俺が桃季と交代するから結界を張って貰え」
「おう・・・・・頼む・・・・・・まじで辛いわ、これ・・・・・・・もうさ時が来るまでミンチのままでよくね?」
「時間が経てば、魂が還り、定着できなくなるだろうが」
「・・・・・・・・あっ!じゃあ、桃季にミンチ状態に結界を張って貰えばよくね?」
「!!!それは良い案だな!!その間、あいつらの世話いらねーしな」
「あら、私もそれに賛成ね。不要な口を挟まれなくてすみそうだし」
「じゃあ、ちょっと作戦練りましょうかね!」


「じゃあ、兄上たちにあの者達の処分方法などは決めてもらって、私たちは魔国の様子を見に行くのだな?」
「そこで魔国の状態が頗る改善されているようなら、部隊半分を俺たちと共にアーダルリアへ向かわせるでいいのか、スイ?」
ジオルドとジルの目が俺を向く。
いや、本当はお前らが決めることだからな!と言いたいが、面倒なのでそこは大人の対応で黙っておく。
「ああ、食糧不足の改善が見られるようならな」
「心配なのはアーダルリアの食糧事情だな。オーガスト兄上に相談したんだが、魔国に搬入した食料で非常時用の食料はほとんど無いそうだ」
「ナルミア姉上に相談したら『焔』からは少量の米と豆ならくださるそうだが、一つの国を賄える程はないとのことだ」
「当然だな。ヘルミア姉上のバーミリアはトリス義兄に掛け合ってくれたが、バーミリアも復旧にまだ時間がかかっているようで。だが、今年はトウモロコシが豊富になったそうで、条件付きでくださるそうだ」
ジルは何故か眉を少々寄せて、言いにくそうに口をもごもごさせている。
それに助けを出したのがレインで、
「それが金銭での取引でして・・・・・・。ただでとはいかないようです」
「あ~確かにな。向こうだって復興途中なのに、タダでやるわけにはいかんわな~」
さすがに俺でも自国民を差し置いて、他国に無償で援助はできん。
そこでこの打ち合わせに参加していたアーダルリアの騎士の一番偉い方が重い口を開いたのだ。
「こちらフィルハート帝国の属国になる、という条件では無理でしょうか?」
「「は???????」」
二人の王子が、王子らしからぬ反応を示したのだった。
ぽか~~~んと大口を開けて固まってしまったではないか。
確かに、俺でも「は?」となった。
ただ、俺的にはあんまりこの世界のこと詳しくないからジオルドやジルフォード、それにレインたちが固まってしまったのには、理解しがたい。
どこにそこまで「固まる要素」があるのだろうか???
もちろん葵も菖蒲も意味がわかるはずもなく。
「ジオルド、ちょっと俺たちにもお前らが固まる理由を教えてくれないか?この世界の常識が俺たちにはまだないからさ」
「あ、ご、ごめん。そうだったね。どこから言えばいいのか・・・・・・・・・」
「殿下、世界地図で説明した方が良いかも知れません」
「そうか、そうだな。レイン、そこの棚にあるから取ってくれ。それと茶を煎れてくれないか。頭をすっきりさせたい」
「あら、お茶なら私が煎れてあげるわ。回復作用を付与しておくわね」
「菖蒲殿、助かる。菖蒲殿の煎れる茶は確かに身体が軽くなる感じがする」
「あらあら、嬉しいこと言ってくれるわね~。色男にそんなこと言われたら頑張るしかないじゃない!」
「ナ・ニ・ヲ・ダ????」
「あら、翠蓮ごめんなさ~~い。貴方の旦那様を浮気に誘っちゃいそうで~」
「菖蒲、翠蓮を怒らせるな。ただでさえ、こいつ今力を使いすぎてて体力限界なんだから」
「あら、そうだったわ。ごめんなさいね~」
と、その時
「悪い、翠蓮遅くなった!」
と、いきなり桃季と竜胆が葵と交代する前に戻ってきたのだ。
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