37 / 61
本音
しおりを挟む
イザベラの運ばれた部屋へ、アレクセイとエイドリアンが入ってきてソファへと腰を下ろした。
エマニュエルは2人が気になりつつも姉であるイザベラの手を握りベッドの横に腰を下ろしていた。
アンドリューは侍女と護衛騎士を外に出すとアレクセイが口を開いた。
『いつから?』
エイドリアンは口角を少し上げ
『う~ん‥いつからだっけかな?確かねうちのエマニュエルが王太子妃教育を受け始めた頃だったかな?』
エイドリアンがアンドリューに視線を流すとアンドリューは
『はっ!』
短く答えた。エマニュエルは何故かアンドリューを睨み付けた。
‥え?何で俺?
『情報源は?』
『そんなものないよ?』
驚いたアレクセイは目を見開きエイドリアンは嬉しそうに語りだした。
『私は元々国内から王太子妃をと考えていたからね?王女に関しては全くの無知。そんな時アレク殿とリントン王女との婚約を聞き心からおめでたいと思ったよ。なぁ?』
エイドリアンはまたもアンドリューに振る。
『はっ。』
短く頭を下げるアンドリューをエマニュエルはまたも睨み付ける。
‥だから何でよ?
『王太子妃選定に苦慮していた私は優秀な部下に王太子妃としてどっかの王女を見繕ってこいと言った訳、なあ?』
アンドリューは渋々頷いた。もちろんエマニュエルはアンドリューを睨み付ける。
‥もう勘弁してくれ
『エマニュエルはイザベラ殿のような前評判もなく粛々と王太子妃教育に励んでもらうはずがね、いつも王太子妃教育を早々に終え好き勝手しているものだからみんな困り果てていたのさ。
そんな時エマニュエルの教育係からエマニュエルの本当の姿を聞いて‥』
そこまで言うとニヤリと笑った。
『安堵した?』
アレクセイが問うと
『いや、全く。私は無知な自分を恥じたしそれ以上にわからない事が出てきたよね?』
アレクセイは頭を巡らせるも‥
『だってね?アレク殿がリントンから妃を娶るならば私と違って色々と調べるであろう?私ならそうする。ならば何故?と思わない訳ないでしょ?』
『それで?』
話に割って入ってきたのはエマニュエル。エイドリアンは苦笑いをしながら
『アレク殿は敢えて中立国のそれも第1王女を娶ったというわけ。』
『だから何で?』
もはや淑女を脱ぎ捨てているエマニュエル。
『大陸の2つしかない大王国の1つが中立国から娶るんだよ?もう片方も中立国から娶らなければ中立国が中立国で無くなってしまうだろ?』
『でも貴方、国内で選定していたのでしょ?』
エマニュエルが間髪入れずに問う。
『そう、だからたまたまなのさ。ラダンがリントン王女を娶る事になったのは。アンドリューの思惑は知らないけどね?』
!
アンドリューは思わずエイドリアンを睨むもすぐに無表情となり聞いていませんオーラを放ちだした。
『で、話を戻すとアレク殿は今日ここまでの事を企んでいたのさ。』
アンドリューは急に雑になった説明にエマニュエルが憤慨する事を予見したがエマニュエルはアンドリューではなくアレクセイを睨み付けた。
‥ここはそっちなんだ(笑)
『ここまでではない。私はそんなに優秀ではないからな。』
『でも色々な思いの中、リントンでマリアンヌ殿の話をきいて今だと判断したんだよね?』
エイドリアンの問に素直に頷いた。
『アリア大王国に問題でも?王太子として国を小さくする事に抵抗はないのか?そもそも国王は?』
『父上はもうそう長くはない。今回の事も私の考えを尊重してくれている。』
エイドリアンは少し驚き
『あの、国王が?』
アリア大王国は昔から分裂と統合を繰り返し大きくなってきた大王国。ラダンと違い統治は難しいのである。
『私は国が大きくなることよりも、今のアリア大王国の民を幸せにしたい。アリアに産まれて良かったと言ってもらえる国にしたいと思う。』
本音を語るアレクセイは清々しい表情で締めくくるとまたもエマニュエルが
『殿下一人で清々しい表情ですがラダン大王国の属国となるとお姉様が知ればご自分のせいでとご自分を責めるのではないですか?』
全うな問にアレクセイは瞳を閉じた。
『素晴らしいですわ。これではお母様も手出し出来ませんわ。そもそも毒を用意したのはお母様、それを弱毒性にしたのは殿下ですもの。』
一斉にベッドのイザベラに視線が集まるもイザベラはアレクセイ同様、清々しい表情で微笑んでいる。
‥何気にマリアンヌ様の罪を喋っちゃっているけど大丈夫?
エマニュエルは何故か後ろめたくなりアンドリューを睨み付けた。
‥だからさ、何で?説明しろよ!
アンドリューは小さくため息を付いて懐から出した書類をエイドリアンに手渡した。書類を受け取り目の前でサインをすると椅子から降りてアレクセイに手渡した。
アレクセイは書類を確認すると驚いたようにエイドリアンを見た。
『アレクセイ殿。本日をもってアリア大王国改めアリア王国とする旨承知した。
だが、アリア王国がラダン大王国の属国となる旨、承服しかねる。リントン王国と同じく中立国の立場で大陸の国々を見てほしいと思う。』
驚き声も出ないアレクセイ、イザベラ、エマニュエルにエイドリアンは
『エマニュエル、これは君の為ではなく我が国の為。わかるね?』
エマニュエルはかつての1度だけエイドリアンの前で涙を流したあの日の約束を思い出した。
エマニュエルの大きな瞳からは大粒の涙が溢れ落ちていた。
『はい。』
消え入るかのような声で答えるエマニュエル。その様子に誰よりも驚いたのは、もちろんアンドリューであった。
‥な、泣いてんぞ?
エマニュエルは2人が気になりつつも姉であるイザベラの手を握りベッドの横に腰を下ろしていた。
アンドリューは侍女と護衛騎士を外に出すとアレクセイが口を開いた。
『いつから?』
エイドリアンは口角を少し上げ
『う~ん‥いつからだっけかな?確かねうちのエマニュエルが王太子妃教育を受け始めた頃だったかな?』
エイドリアンがアンドリューに視線を流すとアンドリューは
『はっ!』
短く答えた。エマニュエルは何故かアンドリューを睨み付けた。
‥え?何で俺?
『情報源は?』
『そんなものないよ?』
驚いたアレクセイは目を見開きエイドリアンは嬉しそうに語りだした。
『私は元々国内から王太子妃をと考えていたからね?王女に関しては全くの無知。そんな時アレク殿とリントン王女との婚約を聞き心からおめでたいと思ったよ。なぁ?』
エイドリアンはまたもアンドリューに振る。
『はっ。』
短く頭を下げるアンドリューをエマニュエルはまたも睨み付ける。
‥だから何でよ?
『王太子妃選定に苦慮していた私は優秀な部下に王太子妃としてどっかの王女を見繕ってこいと言った訳、なあ?』
アンドリューは渋々頷いた。もちろんエマニュエルはアンドリューを睨み付ける。
‥もう勘弁してくれ
『エマニュエルはイザベラ殿のような前評判もなく粛々と王太子妃教育に励んでもらうはずがね、いつも王太子妃教育を早々に終え好き勝手しているものだからみんな困り果てていたのさ。
そんな時エマニュエルの教育係からエマニュエルの本当の姿を聞いて‥』
そこまで言うとニヤリと笑った。
『安堵した?』
アレクセイが問うと
『いや、全く。私は無知な自分を恥じたしそれ以上にわからない事が出てきたよね?』
アレクセイは頭を巡らせるも‥
『だってね?アレク殿がリントンから妃を娶るならば私と違って色々と調べるであろう?私ならそうする。ならば何故?と思わない訳ないでしょ?』
『それで?』
話に割って入ってきたのはエマニュエル。エイドリアンは苦笑いをしながら
『アレク殿は敢えて中立国のそれも第1王女を娶ったというわけ。』
『だから何で?』
もはや淑女を脱ぎ捨てているエマニュエル。
『大陸の2つしかない大王国の1つが中立国から娶るんだよ?もう片方も中立国から娶らなければ中立国が中立国で無くなってしまうだろ?』
『でも貴方、国内で選定していたのでしょ?』
エマニュエルが間髪入れずに問う。
『そう、だからたまたまなのさ。ラダンがリントン王女を娶る事になったのは。アンドリューの思惑は知らないけどね?』
!
アンドリューは思わずエイドリアンを睨むもすぐに無表情となり聞いていませんオーラを放ちだした。
『で、話を戻すとアレク殿は今日ここまでの事を企んでいたのさ。』
アンドリューは急に雑になった説明にエマニュエルが憤慨する事を予見したがエマニュエルはアンドリューではなくアレクセイを睨み付けた。
‥ここはそっちなんだ(笑)
『ここまでではない。私はそんなに優秀ではないからな。』
『でも色々な思いの中、リントンでマリアンヌ殿の話をきいて今だと判断したんだよね?』
エイドリアンの問に素直に頷いた。
『アリア大王国に問題でも?王太子として国を小さくする事に抵抗はないのか?そもそも国王は?』
『父上はもうそう長くはない。今回の事も私の考えを尊重してくれている。』
エイドリアンは少し驚き
『あの、国王が?』
アリア大王国は昔から分裂と統合を繰り返し大きくなってきた大王国。ラダンと違い統治は難しいのである。
『私は国が大きくなることよりも、今のアリア大王国の民を幸せにしたい。アリアに産まれて良かったと言ってもらえる国にしたいと思う。』
本音を語るアレクセイは清々しい表情で締めくくるとまたもエマニュエルが
『殿下一人で清々しい表情ですがラダン大王国の属国となるとお姉様が知ればご自分のせいでとご自分を責めるのではないですか?』
全うな問にアレクセイは瞳を閉じた。
『素晴らしいですわ。これではお母様も手出し出来ませんわ。そもそも毒を用意したのはお母様、それを弱毒性にしたのは殿下ですもの。』
一斉にベッドのイザベラに視線が集まるもイザベラはアレクセイ同様、清々しい表情で微笑んでいる。
‥何気にマリアンヌ様の罪を喋っちゃっているけど大丈夫?
エマニュエルは何故か後ろめたくなりアンドリューを睨み付けた。
‥だからさ、何で?説明しろよ!
アンドリューは小さくため息を付いて懐から出した書類をエイドリアンに手渡した。書類を受け取り目の前でサインをすると椅子から降りてアレクセイに手渡した。
アレクセイは書類を確認すると驚いたようにエイドリアンを見た。
『アレクセイ殿。本日をもってアリア大王国改めアリア王国とする旨承知した。
だが、アリア王国がラダン大王国の属国となる旨、承服しかねる。リントン王国と同じく中立国の立場で大陸の国々を見てほしいと思う。』
驚き声も出ないアレクセイ、イザベラ、エマニュエルにエイドリアンは
『エマニュエル、これは君の為ではなく我が国の為。わかるね?』
エマニュエルはかつての1度だけエイドリアンの前で涙を流したあの日の約束を思い出した。
エマニュエルの大きな瞳からは大粒の涙が溢れ落ちていた。
『はい。』
消え入るかのような声で答えるエマニュエル。その様子に誰よりも驚いたのは、もちろんアンドリューであった。
‥な、泣いてんぞ?
12
あなたにおすすめの小説
「結婚しよう」
まひる
恋愛
私はメルシャ。16歳。黒茶髪、赤茶の瞳。153㎝。マヌサワの貧乏農村出身。朝から夜まで食事処で働いていた特別特徴も特長もない女の子です。でもある日、無駄に見目の良い男性に求婚されました。何でしょうか、これ。
一人の男性との出会いを切っ掛けに、彼女を取り巻く世界が動き出します。様々な体験を経て、彼女達は何処へ辿り着くのでしょうか。
悪役令嬢まさかの『家出』
にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。
一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。
ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。
帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!
【短編】記憶を失っていても
あさぎかな@コミカライズ決定
恋愛
7年以上前の記憶のない平民出身のラチェルは、6年前に娘のハリエットを生んでからグリオス国のアンギュロスの森付近の修道院で働きながら暮らしていた。
そんなある日ハリエットは見たことのない白銀色の大樹を見つけたと、母ラチェルに話すのだが……。
これは記憶の全てを失ったラチェル──シェシュティナが全てを取り戻すまでのお話。
※氷雨そら先生、キムラましゅろう先生のシークレットベビー企画開催作品です( ´艸`)
私の初恋の男性が、婚約者に今にも捨てられてしまいそうです
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
【私の好きな人が婚約者に捨てられそうなので全力で阻止させて頂きます】
入学式で困っている私を助けてくれた学生に恋をしてしまった私。けれど彼には子供の頃から決められていた婚約者がいる人だった。彼は婚約者の事を一途に思っているのに、相手の女性は別の男性に恋している。好きな人が婚約者に捨てられそうなので、全力で阻止する事を心に決めたー。
※ 他サイトでも投稿中
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
拾った指輪で公爵様の妻になりました
奏多
恋愛
結婚の宣誓を行う直前、落ちていた指輪を拾ったエミリア。
とっさに取り替えたのは、家族ごと自分をも売り飛ばそうと計画している高利貸しとの結婚を回避できるからだ。
この指輪の本当の持ち主との結婚相手は怒るのではと思ったが、最悪殺されてもいいと思ったのに、予想外に受け入れてくれたけれど……?
「この試験を通過できれば、君との結婚を継続する。そうでなければ、死んだものとして他国へ行ってもらおうか」
公爵閣下の19回目の結婚相手になったエミリアのお話です。
差し出された毒杯
しろねこ。
恋愛
深い森の中。
一人のお姫様が王妃より毒杯を授けられる。
「あなたのその表情が見たかった」
毒を飲んだことにより、少女の顔は苦悶に満ちた表情となる。
王妃は少女の美しさが妬ましかった。
そこで命を落としたとされる少女を助けるは一人の王子。
スラリとした体型の美しい王子、ではなく、体格の良い少し脳筋気味な王子。
お供をするは、吊り目で小柄な見た目も中身も猫のように気まぐれな従者。
か○みよ、○がみ…ではないけれど、毒と美しさに翻弄される女性と立ち向かうお姫様なお話。
ハピエン大好き、自己満、ご都合主義な作者による作品です。
同名キャラで複数の作品を書いています。
立場やシチュエーションがちょっと違ったり、サブキャラがメインとなるストーリーをなどを書いています。
ところどころリンクもしています。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿しています!
魔法師団長の家政婦辞めたら溺愛されました【完結】
iru
恋愛
第19回 恋愛小説大賞エントリーしています。ぜひ1票お願いします。
小説家になろうですでに完結済みの作品です。よければお気に入りブックマークなどお願いします。
両親と旅をしている途中、魔物に襲われているところを、魔法師団に助けられたティナ。
両親は亡くなってしまったが、両親が命をかけて守ってくれた自分の命を無駄にせず強く生きていこうと決めた。
しかし、肉親も家もないティナが途方に暮れていると、魔物から助けてくれ、怪我の入院まで面倒を見てくれた魔法師団の団長レオニスから彼の家政婦として住み込みで働かないと誘われた。
魔物から助けられた時から、ひどく憧れていたレオニスの誘いを、ティナはありがたく受ける事にした。
自分はただの家政婦だと強く言い聞かせて、日に日に膨らむ恋心を抑え込むティナだった。
一方、レオニスもティナにどんどん惹かれていっていた。
初めはなくなった妹のようで放っては置けないと家政婦として雇ったが、その健気な様子に強く惹かれていった。
恋人になりたいが、年上で雇い主。
もしティナも同じ気持ちでないなら仕事まで奪ってしまうのではないか。
そんな思いで一歩踏み出せないレオニスだった。
そんな中ある噂から、ティナはレオニスの家政婦を辞めて家を出る決意をする。
レオニスは思いを伝えてティナを引き止めることができるのか?
両片思いのすれ違いのお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる