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本音
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イザベラの運ばれた部屋へ、アレクセイとエイドリアンが入ってきてソファへと腰を下ろした。
エマニュエルは2人が気になりつつも姉であるイザベラの手を握りベッドの横に腰を下ろしていた。
アンドリューは侍女と護衛騎士を外に出すとアレクセイが口を開いた。
『いつから?』
エイドリアンは口角を少し上げ
『う~ん‥いつからだっけかな?確かねうちのエマニュエルが王太子妃教育を受け始めた頃だったかな?』
エイドリアンがアンドリューに視線を流すとアンドリューは
『はっ!』
短く答えた。エマニュエルは何故かアンドリューを睨み付けた。
‥え?何で俺?
『情報源は?』
『そんなものないよ?』
驚いたアレクセイは目を見開きエイドリアンは嬉しそうに語りだした。
『私は元々国内から王太子妃をと考えていたからね?王女に関しては全くの無知。そんな時アレク殿とリントン王女との婚約を聞き心からおめでたいと思ったよ。なぁ?』
エイドリアンはまたもアンドリューに振る。
『はっ。』
短く頭を下げるアンドリューをエマニュエルはまたも睨み付ける。
‥だから何でよ?
『王太子妃選定に苦慮していた私は優秀な部下に王太子妃としてどっかの王女を見繕ってこいと言った訳、なあ?』
アンドリューは渋々頷いた。もちろんエマニュエルはアンドリューを睨み付ける。
‥もう勘弁してくれ
『エマニュエルはイザベラ殿のような前評判もなく粛々と王太子妃教育に励んでもらうはずがね、いつも王太子妃教育を早々に終え好き勝手しているものだからみんな困り果てていたのさ。
そんな時エマニュエルの教育係からエマニュエルの本当の姿を聞いて‥』
そこまで言うとニヤリと笑った。
『安堵した?』
アレクセイが問うと
『いや、全く。私は無知な自分を恥じたしそれ以上にわからない事が出てきたよね?』
アレクセイは頭を巡らせるも‥
『だってね?アレク殿がリントンから妃を娶るならば私と違って色々と調べるであろう?私ならそうする。ならば何故?と思わない訳ないでしょ?』
『それで?』
話に割って入ってきたのはエマニュエル。エイドリアンは苦笑いをしながら
『アレク殿は敢えて中立国のそれも第1王女を娶ったというわけ。』
『だから何で?』
もはや淑女を脱ぎ捨てているエマニュエル。
『大陸の2つしかない大王国の1つが中立国から娶るんだよ?もう片方も中立国から娶らなければ中立国が中立国で無くなってしまうだろ?』
『でも貴方、国内で選定していたのでしょ?』
エマニュエルが間髪入れずに問う。
『そう、だからたまたまなのさ。ラダンがリントン王女を娶る事になったのは。アンドリューの思惑は知らないけどね?』
!
アンドリューは思わずエイドリアンを睨むもすぐに無表情となり聞いていませんオーラを放ちだした。
『で、話を戻すとアレク殿は今日ここまでの事を企んでいたのさ。』
アンドリューは急に雑になった説明にエマニュエルが憤慨する事を予見したがエマニュエルはアンドリューではなくアレクセイを睨み付けた。
‥ここはそっちなんだ(笑)
『ここまでではない。私はそんなに優秀ではないからな。』
『でも色々な思いの中、リントンでマリアンヌ殿の話をきいて今だと判断したんだよね?』
エイドリアンの問に素直に頷いた。
『アリア大王国に問題でも?王太子として国を小さくする事に抵抗はないのか?そもそも国王は?』
『父上はもうそう長くはない。今回の事も私の考えを尊重してくれている。』
エイドリアンは少し驚き
『あの、国王が?』
アリア大王国は昔から分裂と統合を繰り返し大きくなってきた大王国。ラダンと違い統治は難しいのである。
『私は国が大きくなることよりも、今のアリア大王国の民を幸せにしたい。アリアに産まれて良かったと言ってもらえる国にしたいと思う。』
本音を語るアレクセイは清々しい表情で締めくくるとまたもエマニュエルが
『殿下一人で清々しい表情ですがラダン大王国の属国となるとお姉様が知ればご自分のせいでとご自分を責めるのではないですか?』
全うな問にアレクセイは瞳を閉じた。
『素晴らしいですわ。これではお母様も手出し出来ませんわ。そもそも毒を用意したのはお母様、それを弱毒性にしたのは殿下ですもの。』
一斉にベッドのイザベラに視線が集まるもイザベラはアレクセイ同様、清々しい表情で微笑んでいる。
‥何気にマリアンヌ様の罪を喋っちゃっているけど大丈夫?
エマニュエルは何故か後ろめたくなりアンドリューを睨み付けた。
‥だからさ、何で?説明しろよ!
アンドリューは小さくため息を付いて懐から出した書類をエイドリアンに手渡した。書類を受け取り目の前でサインをすると椅子から降りてアレクセイに手渡した。
アレクセイは書類を確認すると驚いたようにエイドリアンを見た。
『アレクセイ殿。本日をもってアリア大王国改めアリア王国とする旨承知した。
だが、アリア王国がラダン大王国の属国となる旨、承服しかねる。リントン王国と同じく中立国の立場で大陸の国々を見てほしいと思う。』
驚き声も出ないアレクセイ、イザベラ、エマニュエルにエイドリアンは
『エマニュエル、これは君の為ではなく我が国の為。わかるね?』
エマニュエルはかつての1度だけエイドリアンの前で涙を流したあの日の約束を思い出した。
エマニュエルの大きな瞳からは大粒の涙が溢れ落ちていた。
『はい。』
消え入るかのような声で答えるエマニュエル。その様子に誰よりも驚いたのは、もちろんアンドリューであった。
‥な、泣いてんぞ?
エマニュエルは2人が気になりつつも姉であるイザベラの手を握りベッドの横に腰を下ろしていた。
アンドリューは侍女と護衛騎士を外に出すとアレクセイが口を開いた。
『いつから?』
エイドリアンは口角を少し上げ
『う~ん‥いつからだっけかな?確かねうちのエマニュエルが王太子妃教育を受け始めた頃だったかな?』
エイドリアンがアンドリューに視線を流すとアンドリューは
『はっ!』
短く答えた。エマニュエルは何故かアンドリューを睨み付けた。
‥え?何で俺?
『情報源は?』
『そんなものないよ?』
驚いたアレクセイは目を見開きエイドリアンは嬉しそうに語りだした。
『私は元々国内から王太子妃をと考えていたからね?王女に関しては全くの無知。そんな時アレク殿とリントン王女との婚約を聞き心からおめでたいと思ったよ。なぁ?』
エイドリアンはまたもアンドリューに振る。
『はっ。』
短く頭を下げるアンドリューをエマニュエルはまたも睨み付ける。
‥だから何でよ?
『王太子妃選定に苦慮していた私は優秀な部下に王太子妃としてどっかの王女を見繕ってこいと言った訳、なあ?』
アンドリューは渋々頷いた。もちろんエマニュエルはアンドリューを睨み付ける。
‥もう勘弁してくれ
『エマニュエルはイザベラ殿のような前評判もなく粛々と王太子妃教育に励んでもらうはずがね、いつも王太子妃教育を早々に終え好き勝手しているものだからみんな困り果てていたのさ。
そんな時エマニュエルの教育係からエマニュエルの本当の姿を聞いて‥』
そこまで言うとニヤリと笑った。
『安堵した?』
アレクセイが問うと
『いや、全く。私は無知な自分を恥じたしそれ以上にわからない事が出てきたよね?』
アレクセイは頭を巡らせるも‥
『だってね?アレク殿がリントンから妃を娶るならば私と違って色々と調べるであろう?私ならそうする。ならば何故?と思わない訳ないでしょ?』
『それで?』
話に割って入ってきたのはエマニュエル。エイドリアンは苦笑いをしながら
『アレク殿は敢えて中立国のそれも第1王女を娶ったというわけ。』
『だから何で?』
もはや淑女を脱ぎ捨てているエマニュエル。
『大陸の2つしかない大王国の1つが中立国から娶るんだよ?もう片方も中立国から娶らなければ中立国が中立国で無くなってしまうだろ?』
『でも貴方、国内で選定していたのでしょ?』
エマニュエルが間髪入れずに問う。
『そう、だからたまたまなのさ。ラダンがリントン王女を娶る事になったのは。アンドリューの思惑は知らないけどね?』
!
アンドリューは思わずエイドリアンを睨むもすぐに無表情となり聞いていませんオーラを放ちだした。
『で、話を戻すとアレク殿は今日ここまでの事を企んでいたのさ。』
アンドリューは急に雑になった説明にエマニュエルが憤慨する事を予見したがエマニュエルはアンドリューではなくアレクセイを睨み付けた。
‥ここはそっちなんだ(笑)
『ここまでではない。私はそんなに優秀ではないからな。』
『でも色々な思いの中、リントンでマリアンヌ殿の話をきいて今だと判断したんだよね?』
エイドリアンの問に素直に頷いた。
『アリア大王国に問題でも?王太子として国を小さくする事に抵抗はないのか?そもそも国王は?』
『父上はもうそう長くはない。今回の事も私の考えを尊重してくれている。』
エイドリアンは少し驚き
『あの、国王が?』
アリア大王国は昔から分裂と統合を繰り返し大きくなってきた大王国。ラダンと違い統治は難しいのである。
『私は国が大きくなることよりも、今のアリア大王国の民を幸せにしたい。アリアに産まれて良かったと言ってもらえる国にしたいと思う。』
本音を語るアレクセイは清々しい表情で締めくくるとまたもエマニュエルが
『殿下一人で清々しい表情ですがラダン大王国の属国となるとお姉様が知ればご自分のせいでとご自分を責めるのではないですか?』
全うな問にアレクセイは瞳を閉じた。
『素晴らしいですわ。これではお母様も手出し出来ませんわ。そもそも毒を用意したのはお母様、それを弱毒性にしたのは殿下ですもの。』
一斉にベッドのイザベラに視線が集まるもイザベラはアレクセイ同様、清々しい表情で微笑んでいる。
‥何気にマリアンヌ様の罪を喋っちゃっているけど大丈夫?
エマニュエルは何故か後ろめたくなりアンドリューを睨み付けた。
‥だからさ、何で?説明しろよ!
アンドリューは小さくため息を付いて懐から出した書類をエイドリアンに手渡した。書類を受け取り目の前でサインをすると椅子から降りてアレクセイに手渡した。
アレクセイは書類を確認すると驚いたようにエイドリアンを見た。
『アレクセイ殿。本日をもってアリア大王国改めアリア王国とする旨承知した。
だが、アリア王国がラダン大王国の属国となる旨、承服しかねる。リントン王国と同じく中立国の立場で大陸の国々を見てほしいと思う。』
驚き声も出ないアレクセイ、イザベラ、エマニュエルにエイドリアンは
『エマニュエル、これは君の為ではなく我が国の為。わかるね?』
エマニュエルはかつての1度だけエイドリアンの前で涙を流したあの日の約束を思い出した。
エマニュエルの大きな瞳からは大粒の涙が溢れ落ちていた。
『はい。』
消え入るかのような声で答えるエマニュエル。その様子に誰よりも驚いたのは、もちろんアンドリューであった。
‥な、泣いてんぞ?
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