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いざ出陣
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あっという間に東国へ旅立つ日を迎えた。
お父様は仕事を休んでお母様と私を見送ると聞かず、朝からエントランスをウロウロしてお母様に怒られていたらしい。
お父様お母様、あなた方の娘はそんじょそこらの令嬢とは違いますからご安心を。
『テオドール、リデュを頼みますよ』
お母様がテオドールに言うと
『お任せ下さい。命に変えてもお守りしてみせます』
テオドールはお母様に礼を取り馬車へと私をエスコートしていく。
『よかったのですか?殿下に会われなくても』
テオドールが珍しく私の馬車に乗り込み向いに腰を掛ける。
アルフレッド殿下はあれから何度もお屋敷に足を運んでくださったが私は会うことをしなかった。
いつもテオドールに嫌な役回りを、させてしまっていた。
『ごめんなさい。テオには迷惑かけてばかりね』
『そんなことは、今に始まった事ではありませんから。』
こいつ。こんな時まで、しっかりテオドールだわ。
さて、政略とはいえ、お飾りとはいえ、東国王太子妃となる私が、できることは?
何をやってやろうか、あのサルに。
切れそうになるのを我慢していたのは、アルフレッド殿下の婚約者という立場であったから。
今は私はサルの婚約者。
色々と頭に駆け巡らせていると、
『お嬢様、悪い顔をしておりますよ』
と覗き込んできた。
流石はテオ。私の心の声まで聞こえているのか。
そうしているうちに、心地よい揺れに重い瞼が下がっていつしか私は夢の中であった。
お父様は仕事を休んでお母様と私を見送ると聞かず、朝からエントランスをウロウロしてお母様に怒られていたらしい。
お父様お母様、あなた方の娘はそんじょそこらの令嬢とは違いますからご安心を。
『テオドール、リデュを頼みますよ』
お母様がテオドールに言うと
『お任せ下さい。命に変えてもお守りしてみせます』
テオドールはお母様に礼を取り馬車へと私をエスコートしていく。
『よかったのですか?殿下に会われなくても』
テオドールが珍しく私の馬車に乗り込み向いに腰を掛ける。
アルフレッド殿下はあれから何度もお屋敷に足を運んでくださったが私は会うことをしなかった。
いつもテオドールに嫌な役回りを、させてしまっていた。
『ごめんなさい。テオには迷惑かけてばかりね』
『そんなことは、今に始まった事ではありませんから。』
こいつ。こんな時まで、しっかりテオドールだわ。
さて、政略とはいえ、お飾りとはいえ、東国王太子妃となる私が、できることは?
何をやってやろうか、あのサルに。
切れそうになるのを我慢していたのは、アルフレッド殿下の婚約者という立場であったから。
今は私はサルの婚約者。
色々と頭に駆け巡らせていると、
『お嬢様、悪い顔をしておりますよ』
と覗き込んできた。
流石はテオ。私の心の声まで聞こえているのか。
そうしているうちに、心地よい揺れに重い瞼が下がっていつしか私は夢の中であった。
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