どちらの王妃でも問題ありません【完】

mako

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オリビア帝国の血

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馬車の扉が開かれ、テオドールに手を取られ降りると、そこにはかつて見たことも無いような大きなバラ園が広がり、その奥にそびえ立つ大きな王宮。

王宮までの通路にはズラリと並ぶ東国貴族たち。私はテオドールのエスコートを受け前に進む。
怯んではいけない。
己を奮い立たせ正門を潜り中に入る大きな扉が開かれた。両脇に控える衛兵が礼を取る。

中に足を踏み入れると、そこには大きな絵姿が迎えてくれる。それを見た私は一瞬息が出来なくなる様な感情に飲み込まれた。
足が竦んで動かす事がてきない。

それはかつての英雄、オリビア帝国皇帝の絵姿である。
敗戦国となった我が国ではお目に掛かる事のない絵姿である。長い歴史の中、守られ続けている王宮。神と崇め奉るべき皇帝の築いた空間がここにはあった。
思わず私は皇帝の絵姿をみてカーテシーをする。
ゆっくりと進んでいく中にもかつての英雄の軌跡がある。この胸の高鳴り。間違いなく私にはオリビア帝国の血があるのだと感じた。
もちろん、分裂した西国の人間にもオリビア帝国の血はある。がしかし、今も尚このように崇拝されるべき皇帝を崇拝している東国に頭が下がる気持ちを持ったのも事実。素晴らしい。これ以上の言葉が見つからない。

テオドールは私を急かす事なく、ゆっくり歩みを進めてくれていた。

これから幕を開ける、お飾り王妃も悪くはないかもしれない。そう思うリデュアンネ・フォン ・トゥモルデンであった。
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