46 / 93
裏切り
しおりを挟む
貴族たちも家路につく頃の王宮。
1人暗い薔薇園の前に立つ男。
アンドレ・ブロイは小瓶を手に待人を待つ。
微かな足音に振り返るとそこにはアルフレッド殿下が立っている。
『どうされましたか?殿下。』
『‥何をしている?』
いつもの柔らかい殿下ではない。
アンドレはさり気なく手に持つ小瓶を右ポケットにしまうと、同時にアルフレッド殿下に腕を掴まれる。
!
『何だ?これは。』
冷ややかな表情で問う殿下にいつものように
『いや、少し風邪気味ですので薬を持っておりました。』
アルフレッド殿下は口元だけ軽く上げ
『それはいけないな。遠慮せず飲め』
小瓶を取り上げ、アンドレに差し出す。
『殿下の前でそのような事。後ほど休む前に飲みます』
再びポケットにしまう。小瓶は汗でベトベトになっている。
『では』と立ち去ろうとするアンドレにアルフレッド殿下は
『待て』と腕を掴まれた。
『誰の指示だ?』
『何の事でしょう?』
返答を聞き、殿下は静かに声を出す。
『捕らえよ』
一斉に物陰から出てくる殿下の護衛にアンドレは拘束された。
『今日は疲れた‥話は明日だ。地下牢へ入れておけ』
『殿下!お待ち下さい!』
アンドレの声は殿下の耳には届かなかった。
何故こんな事に。アルフレッドは暗い私室に戻り灯も灯さずソファに腰掛ける。
リデュ‥。
リデュアンネとの婚約に暗雲が立ち込めたのは東国使節団が帰って行った頃であった。
東国よりリデュアンネを娶ると決定事項が伝えられた。王女不在の西国で筆頭公爵令嬢を献上するのは確定で、私に成す術は無かった。
絶望の淵に立たされた私に希望を与えたのは、昔からの側近ではなく、アンドレ・ブロイであった。
アンドレはリデュが1年の白い結婚の後に国に戻り私の元に帰ってくるという話をリデュの話として私に伝えた。
全てを、鵜呑みした私は私の出来る事を、してきたつもりであった。
なのに久方にリデュと話した時、リデュの反応は違っていた。不思議に思った私はすぐに側近に調べさせた。昔からの側近は優秀であった。すぐさま報告を受けるも、驚くべき出来事に私は絶句した。
どこで歯車が狂い出したのか。絡み合う人間模様に本当の狙いは私にもわからなかった。
1人暗い薔薇園の前に立つ男。
アンドレ・ブロイは小瓶を手に待人を待つ。
微かな足音に振り返るとそこにはアルフレッド殿下が立っている。
『どうされましたか?殿下。』
『‥何をしている?』
いつもの柔らかい殿下ではない。
アンドレはさり気なく手に持つ小瓶を右ポケットにしまうと、同時にアルフレッド殿下に腕を掴まれる。
!
『何だ?これは。』
冷ややかな表情で問う殿下にいつものように
『いや、少し風邪気味ですので薬を持っておりました。』
アルフレッド殿下は口元だけ軽く上げ
『それはいけないな。遠慮せず飲め』
小瓶を取り上げ、アンドレに差し出す。
『殿下の前でそのような事。後ほど休む前に飲みます』
再びポケットにしまう。小瓶は汗でベトベトになっている。
『では』と立ち去ろうとするアンドレにアルフレッド殿下は
『待て』と腕を掴まれた。
『誰の指示だ?』
『何の事でしょう?』
返答を聞き、殿下は静かに声を出す。
『捕らえよ』
一斉に物陰から出てくる殿下の護衛にアンドレは拘束された。
『今日は疲れた‥話は明日だ。地下牢へ入れておけ』
『殿下!お待ち下さい!』
アンドレの声は殿下の耳には届かなかった。
何故こんな事に。アルフレッドは暗い私室に戻り灯も灯さずソファに腰掛ける。
リデュ‥。
リデュアンネとの婚約に暗雲が立ち込めたのは東国使節団が帰って行った頃であった。
東国よりリデュアンネを娶ると決定事項が伝えられた。王女不在の西国で筆頭公爵令嬢を献上するのは確定で、私に成す術は無かった。
絶望の淵に立たされた私に希望を与えたのは、昔からの側近ではなく、アンドレ・ブロイであった。
アンドレはリデュが1年の白い結婚の後に国に戻り私の元に帰ってくるという話をリデュの話として私に伝えた。
全てを、鵜呑みした私は私の出来る事を、してきたつもりであった。
なのに久方にリデュと話した時、リデュの反応は違っていた。不思議に思った私はすぐに側近に調べさせた。昔からの側近は優秀であった。すぐさま報告を受けるも、驚くべき出来事に私は絶句した。
どこで歯車が狂い出したのか。絡み合う人間模様に本当の狙いは私にもわからなかった。
1
あなたにおすすめの小説
喪女なのに狼さんたちに溺愛されています
和泉
恋愛
もふもふの狼がイケメンなんて反則です!
聖女召喚の儀で異世界に呼ばれたのはOL・大学生・高校生の3人。
ズボンを履いていた大学生のヒナは男だと勘違いされ、説明もないまま城を追い出された。
森で怪我をした子供の狼と出会ったヒナは狼族の国へ。私は喪女なのに狼族の王太子、No.1ホストのような武官、真面目な文官が近づいてくるのはなぜ?
ヒナとつがいになりたい狼達の恋愛の行方は?聖女の力で国同士の争いは無くすことができるのか。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
今さらやり直しは出来ません
mock
恋愛
3年付き合った斉藤翔平からプロポーズを受けれるかもと心弾ませた小泉彩だったが、当日仕事でどうしても行けないと断りのメールが入り意気消沈してしまう。
落胆しつつ帰る道中、送り主である彼が見知らぬ女性と歩く姿を目撃し、いてもたってもいられず後を追うと二人はさっきまで自身が待っていたホテルへと入っていく。
そんなある日、夢に出てきた高木健人との再会を果たした彩の運命は少しずつ変わっていき……
家出したとある辺境夫人の話
あゆみノワ@書籍『完全別居の契約婚〜』
恋愛
『突然ではございますが、私はあなたと離縁し、このお屋敷を去ることにいたしました』
これは、一通の置き手紙からはじまった一組の心通わぬ夫婦のお語。
※ちゃんとハッピーエンドです。ただし、主人公にとっては。
※他サイトでも掲載します。
完【恋愛】婚約破棄をされた瞬間聖女として顕現した令嬢は竜の伴侶となりました。
梅花
恋愛
侯爵令嬢であるフェンリエッタはこの国の第2王子であるフェルディナンドの婚約者であった。
16歳の春、王立学院を卒業後に正式に結婚をして王室に入る事となっていたが、それをぶち壊したのは誰でもないフェルディナンド彼の人だった。
卒業前の舞踏会で、惨事は起こった。
破り捨てられた婚約証書。
破られたことで切れてしまった絆。
それと同時に手の甲に浮かび上がった痣は、聖痕と呼ばれるもの。
痣が浮き出る直前に告白をしてきたのは隣国からの留学生であるベルナルド。
フェンリエッタの行方は…
王道ざまぁ予定です
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
皇太子夫妻の歪んだ結婚
夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。
その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。
本編完結してます。
番外編を更新中です。
婚活令嬢ロゼッタは、なによりお金を愛している!
鈴宮(すずみや)
恋愛
ロゼッタはお金がなにより大好きな伯爵令嬢。男性の価値はお金で決まると豪語する彼女は、金持ちとの出会いを求めて夜会通いをし、城で侍女として働いている。そんな彼女の周りには、超大金持ちの実業家に第三王子、騎士団長と、リッチでハイスペックな男性が勢揃い。それでも、貪欲な彼女はよりよい男性を求めて日夜邁進し続ける。
「世の中にはお金よりも大切なものがあるでしょう?」
とある夜会で出会った美貌の文官ライノアにそう尋ねられたロゼッタは、彼の主張を一笑。お金より大切なものなんてない、とこたえたロゼッタだったが――?
これは己の欲望に素直すぎる令嬢が、自分と本当の意味で向き合うまでの物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる