どちらの王妃でも問題ありません【完】

mako

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祝オリビア帝国

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いよいよ、翌日に式典を控えた前日の夜。

『ハインリ‥?寝た?』

出た。また出たよ。

流石のハインリッヒも3日目ともなれば学習する。
気が済めばすぐに眠りに付くお姫様。
少しくらいスルーしても大丈夫。

『ハインリ‥』

ハインリッヒの背中ごしに頬を寄せるリデュアンネ。


‥あれ?何かが違う。

『デュアン‥どうした?』


背中にギュッと抱きつくリデュアンネに、ハインリッヒは振り返り顔を覗く。

『デュアン?』

『‥』

黙って上目遣いで見つめるリデュアンネ。

うわぁ反則‥

『どした?』

『だって、最近ハインリは全然触れてくれないもの。』


‥ま、まぢで?
可愛すぎるんだけど‥


『触れてもいいの?』

『触れてほしいの』

え?

触れてほしい?

え?でも明日は早いよ?

大丈夫?って駄目だよな?

理性はあるが、身体は既に反応済。




『テオドールに怒られるよ?』

『うん、慣れてるもん』

‥そうかそうか、慣れてるか‥

んじゃあ、まぢで?

『デュアン私が欲しいの?』

聞いた事は無いが調子に乗って聞いてみた。

『うん、ハインリが欲しい‥』

次の言葉を、考える間もなくハインリはリデュアンネを組み敷いた。



『では、仰せのままに‥』







翌朝、目を覚ましたハインリッヒ。隣のリデュアンネは既に準備の為に確保されているらしい。布団が既に冷たい。


‥やらかした。自覚はある。
今までに無い、甘えるデュアンがたまらなく愛おしく、理性が飛んでしまった。

日頃よりもむしろ激しくしすぎたかも。いや、かもではなく絶対。


侍女長に絞られてるであろうリデュアンネ。責任を痛感したハインリッヒは普段口を出す事は無いが今回ばかりは放っておくわけにはいかない。

ガウンを羽織り、リデュアンネの私室に向う。



扉を開く前から声が漏れている。
中に入ると何やらドレスについて揉めている。

近くには、ルイザが居る‥がこちらは少々頭が固い。奥にいる、マリーに手招きする。


『どうなっている?』


『殿下、昨夜は暴走し過ぎですって!所有印の数が半端ないですよ。白いドレスだと目立ち過ぎるので色の濃いドレスに変更するよう説得しておられますが、リデュ様は変更を拒否されておりまして、この通りにございますよ‥』

やれやれと両手を広げるマリー。


『どうして変更しなければなりませんの?』

『ですから、ご忠告申し上げておりましたでしょう?』


『別に今日が結婚式とかではございませんのよ?もちろんそれ以上の式典ですが、私達は夫婦ですもの。』


『だからこそでございます。厳粛な式典でこのような、はしたないものをさらけだす事は出来ません。』

『はしたないだなんて、私達は夫婦ですのよ?』

『ですが、大切な式典を前に、我慢することも出来ないサルかと申しております。』

『まぁ、サルで結構ですわ!』

『リデュアンネ様がよろしくても、皇帝がお困りになります。何より貴女様は皇后でいらっしゃいますのよ。』

‥女版、テオドールか!

『貴女こそ本日3月17日を何の日かご存知なのですか?』


『もちろん、オリビア帝国復権の日でございます!』


『では、その大切な日が何故3月17日かと問うております。』


『逆算してのお日にちですから、問題はそこでは無く、何故3月17日に清い身体で式典に臨まれないのかでございますが?』

『違うわ‥3月17日には意味があるのです。

オリビア帝国が誕生した日でも分裂した日でもなく、この日は、かつての英雄がこの世に誕生した日にございます。

その、おめだい日に子ども作りたいと考えるのは、はしたないことなのでしょうか?

母親が生まれてくる子どもに少しでも後ろ盾になる材料を付けたいと思う事ははしたないのでしょうか?

私から産まれる子どもは皆、色々な物を背負う運命にございます。ならば少しでも華やぐ材料を付けたいと思う事はいけませんか?』

リデュアンネは静かに涙を流した。

その涙を見届けたハインリッヒはようやく口を開いた。

『すまない、色々と段取りもあるだろうが、このままで進めてくれ。』


そう言い残しハインリッヒは部屋を出た。


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