どちらの王妃でも問題ありません【完】

mako

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オリビア帝国の日常

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オリビア帝国の日常は穏やかに流れていた。

帝国復権から各国からの招待状が続々と届く中、帝国では日程調整に頭を悩ませていた。

『此方を立てればこちらが立たずか‥』


沈黙が続く中、執務室の扉がノックされた。

『アルフレッドです。』

執務室の中の空気が一瞬緩んだ。

『入れ』

アルフレッドは側近らを連れず一人でやってきた。
ハインリッヒは上着を脱ぎながら、側近らに

『今日は終わりにしよう。上がってよいぞ』

その一言に、パッと笑顔になるカインは、リデュアンネを見る。

『はいはい、貴方も上がっていいわよ』


誰よりも早く執務室を出て行ったのはもちろんカインであった。




『で?どうした?』
ハインリッヒは、ソファに腰を下ろし長い足を組む。

『実はご報告がありまして。その、今度婚約者に会って頂けませんか?』


『誰の?』
首を回しながらハインリッヒは答える。


『え?そりゃあ私のですよ!』

『『はぁ?』』

驚くハインリッヒとテオドール。

リデュアンネは思わず立ち上がり目をキラキラさせるが、ハインリッヒの視線に俯きソファに腰を下ろす。



『で?どうしてまたこんな突然なのだ?』

『ていうか、相手は誰だ?』


アルフレッドははにかみながら

『マーサ候爵の長女のソフィア・マーサです。』

『キャー♡』
再び歓喜を上げて立ち上がるリデュアンネ。


これまたハインリッヒの視線に俯きソファに腰を下ろす。

‥?



『で?どこでどうなりこうなった?』
テオドールがリデュアンネを鬱陶しく睨み問うた。

『前々から感じの良い令嬢ではあったのですが婚約の話しが舞い込んで参りまして、私としては問題ないかと‥』


『で?どんな令嬢なのだ?』
ハインリッヒはリデュアンネを牽制しながらアルフレッドに問う。


『はい、とても穏やかで控え目な可愛らしい令嬢です。』

テオドールはニヤリと笑う。



『ほぉ、まさしく西国にいた筆頭公爵令嬢のようだな。そのソフィアとやらはまさか、控え目な仮面を脱着式とかいわんな?』


『もちろん!』


リデュアンネは真っ赤になり小さくなる。



『もしや木登りなどせんな?』

『まさか!しませんよ。令嬢ですよ?』


リデュアンネは益々小さくなる。ハインリッヒがリデュアンネの肩を抱き頭を撫でる。



『では、鼻水たらして号泣せんな?』

『テオ!何をバカな事を‥令嬢ですよ!』


リデュアンネは2人の会話に助けを求める様にハインリッヒを見上げる。

ハインリッヒは苦笑いながらヨシヨシする。




『そうか、では屋敷にジャングルジムは要らんな』

『そんな、子どもじゃないんだから(笑)』


ここまでくると、もはやイジメである。



リデュアンネはハインリッヒの腕の中に顔を埋める。ハインリッヒはリデュアンネの長い髪に指を絡めて2人を見守る。

アルフレッドはハインリッヒに甘えるリデュアンネを見て真っ赤になりテオドールに訴える。

『可愛すぎる‥これも脱着式?』

テオドールは呆れて言う

『これはハインリだけのな。』

勝ち誇った様にハインリッヒは言う。

『まあ、良いのではないか?アルフレッド。いつでも会うぞ。』

アルフレッドは顔を埋めるリデュアンネを覗き込もうとするも、ハインリッヒに手で払われる。


東国候爵令嬢ソフィア・マーサは、果たして素晴らしい令嬢なのか、それとも脱着式の仮面を持つ令嬢なのか、この時はまだ誰も知らなかった。










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