どちらの王妃でも問題ありません【完】

雪解け？

少し制限が緩くなったリデュアンネ。

外出は不可ではあるが宮中ならば自由ということで図書館へ入り浸る毎日が続いていた。


『妃殿下!』

今日も安定の淑女スマイルでソフィアが訪ねてきていた。あれから何度も足を運んでいる。

ゴシップ記事のことで心を痛めて居るのは本当らしい‥


『妃殿下、実はご相談が‥』

『何かしら？』


『アリア王妃が折り入ってお話しがあるとかでございます。』

『まぁ、でも今は私外出不可でございますので』


『その事のようです。何でもこのゴシップ記事の事だそうですが、私には話して頂けませんでした。やはり妃殿下ではないと‥国と国のお話しでしたら私では役不足なのですね。お役に立てず申し訳ございません。』


しょんぼり俯くソフィアに

『まぁ、貴女のせいではございませんわ。どうぞお顔をお上げになって』

日頃の貴婦人ごっこもなかなか板に付いてきた。


『では妃殿下、お耳を拝借して』


ナイショ話をゴニョゴニョし始める。
何だか楽しくなってきたリデュアンネは

『そうね、見つかったら見つかったらね。』


２人は結託の握手をし、裏の隠し通路から表に出た。

『うわぁ、かくれんぼみたいでワクワクするわね。』



‥かくれんぼでは済まない事態になるのは間違いなさそうである。