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再会
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年に1度の交流会が帝国で開催られる時期となり帝国の町並みは鮮やかに彩られ活気に溢れている。
もちろんサエラ王国からも王太子、そしてリディアンネが参加することにはなっていた。
アドルフが久々に帝国にあるサエラ王国の屋敷に到着するとリディアンネはバツの悪そうに挨拶を済ませた。
『リディ、聞きたい事は山程あるけど時間はあるの?』
アドルフはさらっさらの金髪を掻き上げると王太子スマイルを披露した。眩しそうに目を細めるリディアンネは
『お兄様、ここでは王太子スマイルは必要ありませんのよ?是非今夜の夜会にて存分に発揮下さいませ。』
『ねえ、リディ。今夜の夜会にはアルフォンス殿もいらっしゃるんだよね?』
『そりゃ、大公家の嫡男ですからいらっしゃるんじゃないですか?』
『ないですか?って他人事だね…』
『だって他人ですもの。』
リディアンネはアフタヌーンティーを楽しみながらアドルフを見た。
アドルフは呆れたようにリディアンネを見ると
『それで?皇女らからの嫌がらせはどう?』
『どうもこうも、あの方々はたいそう暇をなのでしょう?私にヤンヤヤンヤ言うのが生き甲斐のようですわよ?』
『ようですわよ?って他人事のようだね?』
『パープリンを相手にしても仕方ありませんわ。彼女たちは頭ん中スッカラカンですもの。』
…。
怪訝そうに見つめるアドルフにリディアンネは
『お兄様はまさか、スッカラカンがお好み?』
アドルフは驚いたように首を振ると
『勘弁してくれよ。』
目の前に置かれたお茶を手に取り、優雅に口に流し込んだ。
そんなアドルフを苦笑いをしながら眺めているとアドルフが突如驚き立ち上がる。リディアンネは不思議そうにアドルフの視線を追うと、久々となるユリウスが正装で立っている。
『殿下!』
アドルフは急いで最上級の礼を取るとユリウスは
『いいから、そんな驚かないでよ。』
…いやいや驚くよ。
ユリウスはリディアンネに視線を向けるとリディアンネはこれまたバツの悪そうに俯いた。俯いたリディアンネはすぐさま顔を上げると
『そうだわ!お兄様。お兄様覚えてるかしら。私が我が国での交流会の時に、屋根裏から外に出て大目玉を食らった時のこと!』
アドルフは思い出したくない思い出に顔を歪めながら
『忘れる訳ないよね。』
『あの時、私の共犯はアルフォンス様でしたわよね?お兄様はそう説明なさってたわ!』
アドルフはユリウスをチラリと見てから
『あぁ言うしかないであろう?』
『どういう事?』
『お前ね、招待国の王女がな?帝国皇太子を事もあろうか屋敷の屋根裏に連れ込みだな、屋根に登るなんてもしもの事があったら大事だろ?ってかね、もしもの事がなくても大事だ。』
…。リディアンネは少し頭を巡らすと
『だったとしても何故アルフォンス様だと説明したのよ。アルフォンス様だって皇族。あの時はまだとちらが皇太子になられるか決まってなかったはずよ?』
アドルフは困ったようにユリウスを見るとユリウスは
『いいよ、続けて。』
…。アドルフはリディアンネに怪訝そうな視線を投げて
『分ってたんだよ。っていうか確信していたのだ。あの時既に。
父上、いや我が国では皇太子になられるのはユリウス様ということが。』
『…何故?』
『これでもサエラ王国の王族だぞ?あの時既に私は立太子していたからね。』
リディアンネは腕組みをしていた腕を解くとユリウスに向って
『聞きました?』
『うん?』
首を傾げるユリウスに満面の笑みで
『あの時既にって。サエラ王国の王族もなかなかやりますわね?先見の明がありますわ!流石ですわ!』
自国を自画自賛する妹を眺めてアドルフはユリウスに頭を垂れれた。
もちろんサエラ王国からも王太子、そしてリディアンネが参加することにはなっていた。
アドルフが久々に帝国にあるサエラ王国の屋敷に到着するとリディアンネはバツの悪そうに挨拶を済ませた。
『リディ、聞きたい事は山程あるけど時間はあるの?』
アドルフはさらっさらの金髪を掻き上げると王太子スマイルを披露した。眩しそうに目を細めるリディアンネは
『お兄様、ここでは王太子スマイルは必要ありませんのよ?是非今夜の夜会にて存分に発揮下さいませ。』
『ねえ、リディ。今夜の夜会にはアルフォンス殿もいらっしゃるんだよね?』
『そりゃ、大公家の嫡男ですからいらっしゃるんじゃないですか?』
『ないですか?って他人事だね…』
『だって他人ですもの。』
リディアンネはアフタヌーンティーを楽しみながらアドルフを見た。
アドルフは呆れたようにリディアンネを見ると
『それで?皇女らからの嫌がらせはどう?』
『どうもこうも、あの方々はたいそう暇をなのでしょう?私にヤンヤヤンヤ言うのが生き甲斐のようですわよ?』
『ようですわよ?って他人事のようだね?』
『パープリンを相手にしても仕方ありませんわ。彼女たちは頭ん中スッカラカンですもの。』
…。
怪訝そうに見つめるアドルフにリディアンネは
『お兄様はまさか、スッカラカンがお好み?』
アドルフは驚いたように首を振ると
『勘弁してくれよ。』
目の前に置かれたお茶を手に取り、優雅に口に流し込んだ。
そんなアドルフを苦笑いをしながら眺めているとアドルフが突如驚き立ち上がる。リディアンネは不思議そうにアドルフの視線を追うと、久々となるユリウスが正装で立っている。
『殿下!』
アドルフは急いで最上級の礼を取るとユリウスは
『いいから、そんな驚かないでよ。』
…いやいや驚くよ。
ユリウスはリディアンネに視線を向けるとリディアンネはこれまたバツの悪そうに俯いた。俯いたリディアンネはすぐさま顔を上げると
『そうだわ!お兄様。お兄様覚えてるかしら。私が我が国での交流会の時に、屋根裏から外に出て大目玉を食らった時のこと!』
アドルフは思い出したくない思い出に顔を歪めながら
『忘れる訳ないよね。』
『あの時、私の共犯はアルフォンス様でしたわよね?お兄様はそう説明なさってたわ!』
アドルフはユリウスをチラリと見てから
『あぁ言うしかないであろう?』
『どういう事?』
『お前ね、招待国の王女がな?帝国皇太子を事もあろうか屋敷の屋根裏に連れ込みだな、屋根に登るなんてもしもの事があったら大事だろ?ってかね、もしもの事がなくても大事だ。』
…。リディアンネは少し頭を巡らすと
『だったとしても何故アルフォンス様だと説明したのよ。アルフォンス様だって皇族。あの時はまだとちらが皇太子になられるか決まってなかったはずよ?』
アドルフは困ったようにユリウスを見るとユリウスは
『いいよ、続けて。』
…。アドルフはリディアンネに怪訝そうな視線を投げて
『分ってたんだよ。っていうか確信していたのだ。あの時既に。
父上、いや我が国では皇太子になられるのはユリウス様ということが。』
『…何故?』
『これでもサエラ王国の王族だぞ?あの時既に私は立太子していたからね。』
リディアンネは腕組みをしていた腕を解くとユリウスに向って
『聞きました?』
『うん?』
首を傾げるユリウスに満面の笑みで
『あの時既にって。サエラ王国の王族もなかなかやりますわね?先見の明がありますわ!流石ですわ!』
自国を自画自賛する妹を眺めてアドルフはユリウスに頭を垂れれた。
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