貴方に嫌われたくなくて【完】

mako

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『ところでリディ、どういう事?』

ユリウスに視線を向けるとリディアンネが答える前にユリウスが


『リディアンネが話すと方向性を誤り兼ねないから私が話そう。』


リディアンネはムッとした様子で


『まぁ、私がお話ししますわ!』


2人のやり取りを見たアドルフは


『私は、殿下から話を聞くよ。リディは夜会の準備があるであろう?』


アドルフは自らドアを開けるとリディをドレスアップへ行くよう促した。


…っもう!









リディアンネがドレスアップされ戻って来るとユリウスは


『さあ、行こうか。』


エスコートの手を差し伸べると


『お兄様は?』


辺りを見渡すリディアンネに


『先に皇宮へ行ってもらったよ。』


ユリウスはリディアンネの手を取ると待たせてある馬車に乗り込んだ。


向かい合うリディアンネにユリウスは真剣な眼差しを向けた。


『リディアン、私はこれから改革を進める。』


リディアンネはキョトンとし


『それは素晴らしいですわね。』


…。


『そうでは無い。リディアンも一緒に力を貸してくれるかい?』


…。

リディアンネは俯き黙りこくる。


『リディアン、月のものが来たそうだね?』



…ジュールね。ったく乙女の事をペラペラと。


『よくご存知で…。』



ユリウスはにっこり笑うと



『ということはリディアンのお腹にはアルの子どもは宿って居ないということ。もう何も問題はないよね?』



『…。』


『リディアン、私には君の力が必要なのだ。いや帝国にはかな?帝国には君の力が必要なんだ。』


リディアンネは驚いたように


『そんな力は私にはございませんよ?』



『あるよ。って例え無くてもリディアンが居てくれるだけで私に力が湧くって事だよ。ね、リディアン。私は生涯君だけを愛すると誓うよ。』



リディアンネは苦笑いを浮かべると


『そのセリフ2回目ですわ…』


リディアンネはアルフォンスがサエラ王国でリディアンネに跪き求婚した事を思い出し小さく笑った。

ユリウスもまた小さく笑うと


『敢えてだよ。上書きしたらアルの言葉は消えるだろう?これから先、私がどんどん上書きしていく。そして私との時間で埋め尽くせば良いだけのことだよね?』



リディアンネに向けられた視線はリディアンネの胸を激しく打った。



…ヤバい。倒れそう。



リディアンネは皇宮に到着すると、ニヤけた表情を改め王女の仮面を装置した。



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