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フレディック・フォン・マリラン
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『何だか悪いね。急にお仕掛けちゃって』
言葉とは裏腹に、ひとつも悪いとは思っていないようなフレディックの隣のフランシスは睨みを効かせる。
…妹がまともに見えてきたな
カイザルは目の前のフレディックを真っ直ぐに見据えていた。
『フレディック殿、これを機会に我が帝国とも交流を持って頂ければと思うんだけど?』
エマニュエルのにこやかなスマイルと、怪訝そうなカイザルを面白そうに見比べながらフレディックは
『フランが北帝国推しなのがわかる気がするよ(笑)ツンデレなんだね?カイザル殿下は。』
フランシスは思わず吹き出しそうになったお茶をそのまま喉へ押し流すと
『お兄様!ふざけてないで、こんなに大勢でお仕掛けてどうなさいますの!』
『だから嫁入り』
フレディックの言葉を遮るように
『そんな道具は要りません!北帝国で全て揃えられますわ!』
…いやいや、これらに勝るものは北帝国のどこを探してもないですよ。
ファビウスはガゼボの隣りに停車している馬車を覗き込んだ。
『王女、貴女はマリラン王国の大切な王女ですからね、北帝国では貴方にふさわしい物などありませんよ。』
エマニュエルはにこやかに言うと
『今は…ですよね?これから先をは分かりませんわ。』
フランシスは少しムキになって答えた。
『とりあえずお兄様!早くお帰りになって!私たちも明日には帰りますから。』
フレディックは少し考えると
『では、明日一緒に帰ろうか…』
『はあ?』
ふざけたフレディックの提案に心の声がそのまま溢れたカイザルであった?
…おいおい、何でお前まで付いてくるんだよ?
『エマニュエル殿下、今宵はこちらで世話になってもよいか?』
エマニュエルは一瞬固まり、すぐに笑顔を作ると
両手を広げて
『もちろん、ゆっくりしてくれれば良い』
複雑そうなエマニュエルの表情にもフレディックは満足そうに微笑みを返した。
『ファビウス、見たか?』
ファビウスは声を落して
『青龍ですか?』
沈黙の後ファビウスは黙って頷いた。
何故あの男が?それに側近らしき男らまでも…
マリラン王国とはいったいどんな国なのだ?
そこの王女が何故北帝国へ
益々頭が混乱するカイザルの後ろでファビウスも頭を巡らせていた。
言葉とは裏腹に、ひとつも悪いとは思っていないようなフレディックの隣のフランシスは睨みを効かせる。
…妹がまともに見えてきたな
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『フレディック殿、これを機会に我が帝国とも交流を持って頂ければと思うんだけど?』
エマニュエルのにこやかなスマイルと、怪訝そうなカイザルを面白そうに見比べながらフレディックは
『フランが北帝国推しなのがわかる気がするよ(笑)ツンデレなんだね?カイザル殿下は。』
フランシスは思わず吹き出しそうになったお茶をそのまま喉へ押し流すと
『お兄様!ふざけてないで、こんなに大勢でお仕掛けてどうなさいますの!』
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…いやいや、これらに勝るものは北帝国のどこを探してもないですよ。
ファビウスはガゼボの隣りに停車している馬車を覗き込んだ。
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『今は…ですよね?これから先をは分かりませんわ。』
フランシスは少しムキになって答えた。
『とりあえずお兄様!早くお帰りになって!私たちも明日には帰りますから。』
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『では、明日一緒に帰ろうか…』
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両手を広げて
『もちろん、ゆっくりしてくれれば良い』
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『ファビウス、見たか?』
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