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リア王国へ
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エミリアはすっかり元気を取り戻しジルベルトと王子と共にリア王国へと帰って来た。
王子は間もなくして、アーノルドと名付けられた。
王太子とその側近が長く留守にしていたリア王国ではケイダンの働きによって何事もなく時が流れ、ジルベルトはケイダンに休みを与えた。
『ジル、私は大丈夫だよ?ハロルドやジルだって遊びに行っていた訳ではないんだからね?』
ケイダンは控えめにソファでお茶を飲んでいる。
『そうだよ。私だってマドリンではヘトヘトになって今ここに居るんだからね?』
ハロルドは相変わらずソファに両腕を掛け足を組んでジルベルトに言うと
『ハロ、お前は側近としてよく働いてくれていた。だがな?ケイダンは私の代わりに執務を担っていたのだ。』
…。
『という事だ。気にせず休んでくれ!』
ジルベルトは笑顔をケイダンにおくると整えられたデスクに久々に腰を下ろした。
一方のマドリン王国では、賑やかだった王宮に日常が流れていた。王太子であるヨハネスには早々に縁談が舞い込んでいる。
ヨハネスはジュリアの件もあり、今までヨハネスの周りには居なかったタイプの大人しく地味な令嬢を前に王子スマイルで迎えた。
ヨハネスの前に腰を下ろすはマドリン王国候爵令嬢であるフランチェスカ・グラディスが申し訳なさそうに俯いている。
『どうしたのかな?』
ヨハネスはフランチェスカを覗き込むと
『あの…申し訳ございません。』
『何が?この縁談に気が進まない?』
心配そうに見つめるヨハネスに目を見開き
『いえ、そういう訳では無くて…』
『なら、何?』
恐る恐る顔を上げるとフランチェスカは
『殿下はよろしいのですか?』
ヨハネスはフランチェスカの意図を理解し
『政略結婚なんてこんな感じじゃないの?』
『だからこそです。』
…?
怪訝そうにフランチェスカを見ると
『政略結婚だからこそ、殿下には私よりも相応しい方がいらっしゃるのではないかと申しております。』
確かにマドリンにはエミリアの他にもう1人公爵令嬢が居る。それにフランチェスカは候爵家とは名ばかりでグラディス候爵家は他の候爵家と比べて歴史こそあるものの、財政難が否めなかった。
だが、だからこそこの縁談はグラディス候爵家では喉から手が出る程欲しいものであるはず。
『グラディス家にとってこの縁談は願ってもないチャンスではないの?』
ヨハネスは不思議そうに問うと
『確かに我が家にとっては願ってもないお話しですが…私では力不足かと存じます…。』
ヨハネスとて他の令嬢ではなく何故フランチェスカが王太子妃候補となったのかは謎ではある。そもそも誰でも構わないというのが本音だ。
『そっか、フランチェスカ嬢には荷が重いのかな?まぁ私も少し考えるからフランチェスカ嬢、少し時間を貰ってもいい?』
フランチェスカは不安気にヨハネスを見ると小さく頷き部屋を後にした。
ヨハネスはため息交じりにその背中を見送った。
王子は間もなくして、アーノルドと名付けられた。
王太子とその側近が長く留守にしていたリア王国ではケイダンの働きによって何事もなく時が流れ、ジルベルトはケイダンに休みを与えた。
『ジル、私は大丈夫だよ?ハロルドやジルだって遊びに行っていた訳ではないんだからね?』
ケイダンは控えめにソファでお茶を飲んでいる。
『そうだよ。私だってマドリンではヘトヘトになって今ここに居るんだからね?』
ハロルドは相変わらずソファに両腕を掛け足を組んでジルベルトに言うと
『ハロ、お前は側近としてよく働いてくれていた。だがな?ケイダンは私の代わりに執務を担っていたのだ。』
…。
『という事だ。気にせず休んでくれ!』
ジルベルトは笑顔をケイダンにおくると整えられたデスクに久々に腰を下ろした。
一方のマドリン王国では、賑やかだった王宮に日常が流れていた。王太子であるヨハネスには早々に縁談が舞い込んでいる。
ヨハネスはジュリアの件もあり、今までヨハネスの周りには居なかったタイプの大人しく地味な令嬢を前に王子スマイルで迎えた。
ヨハネスの前に腰を下ろすはマドリン王国候爵令嬢であるフランチェスカ・グラディスが申し訳なさそうに俯いている。
『どうしたのかな?』
ヨハネスはフランチェスカを覗き込むと
『あの…申し訳ございません。』
『何が?この縁談に気が進まない?』
心配そうに見つめるヨハネスに目を見開き
『いえ、そういう訳では無くて…』
『なら、何?』
恐る恐る顔を上げるとフランチェスカは
『殿下はよろしいのですか?』
ヨハネスはフランチェスカの意図を理解し
『政略結婚なんてこんな感じじゃないの?』
『だからこそです。』
…?
怪訝そうにフランチェスカを見ると
『政略結婚だからこそ、殿下には私よりも相応しい方がいらっしゃるのではないかと申しております。』
確かにマドリンにはエミリアの他にもう1人公爵令嬢が居る。それにフランチェスカは候爵家とは名ばかりでグラディス候爵家は他の候爵家と比べて歴史こそあるものの、財政難が否めなかった。
だが、だからこそこの縁談はグラディス候爵家では喉から手が出る程欲しいものであるはず。
『グラディス家にとってこの縁談は願ってもないチャンスではないの?』
ヨハネスは不思議そうに問うと
『確かに我が家にとっては願ってもないお話しですが…私では力不足かと存じます…。』
ヨハネスとて他の令嬢ではなく何故フランチェスカが王太子妃候補となったのかは謎ではある。そもそも誰でも構わないというのが本音だ。
『そっか、フランチェスカ嬢には荷が重いのかな?まぁ私も少し考えるからフランチェスカ嬢、少し時間を貰ってもいい?』
フランチェスカは不安気にヨハネスを見ると小さく頷き部屋を後にした。
ヨハネスはため息交じりにその背中を見送った。
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