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夜会
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マドリン王国では社交シーズンが到来しあちこちで毎晩のように夜会が開催されている。王太子妃選考が難航している事もあり王宮でも例年より多く夜会を開いている。
この日も多くの令嬢がヨハネスに熱い視線を送るも流石のヨハネスも辟易としていた時、会場の空気が一瞬固まりざわつきだした。
ヨハネスは遅れているヘンリーの到着かと扉に視線を送ると…
満面の笑顔を振りまくハロルドが可愛らしい令嬢をエスコートしながら会場入りしてきたのである。思わずヨハネスは唇だけで、
【ま・だ・居・た・の・か?】
唇の動きを読むのに長けたハロルドは敢えて首を傾げながらヨハネスに微笑みを送る。ヨハネスは怪訝そうにハロルドに走り寄ると
『これはこれは王太子殿下。本日はお招きありがとうございます。』
仰々しく礼を取るとヨハネスは大きくため息を付き礼を解いた。
ハロルドの隣で強張る笑顔で膝を折る令嬢に声を掛けようとした所でヨハネスにゾロゾロと付いてきた令嬢らが輪に入ってきた。
『殿下、お招きありがとうございます』
口々に語る令嬢を相手をしているとエミリアの兄であるマグヌスがハロルドに声を掛けた。
『ご無沙汰しております。妹の事で少しよろしいですか?』
ハロルドを呼ぶと隣の令嬢に目を向け
『どちらの?』
マグヌスの言葉にヨハネスの連れてきた令嬢の1人が笑いながら
『嫌ですわ!マグヌス様。こちらはフランチェスカ様ですわよ?あまりに影が薄いからって失礼ですわ!』
マグヌスは驚いたように
『フランチェスカ嬢?これは失礼しました。本日はまた雰囲気が別人のようですね。まるで天使のようだ。』
普段公共の場ではマグヌスは寡黙で通っている。ハロルドはヨハネスに念を送った。
(どうしたのだ?マグヌスは?)
ヨハネスは顔を顰めて首を横に振る。
(触れるな。そこは。)
誰にでも裏の顔はあるものだ。
そのマグヌスが心底驚いたように、フランチェスカを褒め称えると、その令嬢は唇を噛んだ。
ハロルドはマグヌスに外へと促されるとヨハネスはぐるりと囲まれた令嬢に視線を流し、いそいそと2人と後を追うように輪の中から脱出してきたのである。
ハロルドは後を追ってきたヨハネスに
『どうして貴方までこちらに?』
『いやいや、エミリアの事ならば私も…』
ハロルドは大きくため息を付き
『フランチェスカ嬢をあんな所に1人で残してきては大変ですよ?』
ハロルドはマグヌスに同意を求めるように視線を投げるとマグヌスもまた大きく頷いた。
『2人とも大袈裟だな。いくらフランチェスカが王太子妃候補だからって心配し過ぎだぞ?それにあそこに居た…ほら、誰にだっけあの、黒髪の控えめな令嬢…。』
マグヌスが間髪入れずに
『イライザ嬢ですね?』
『そう、マルセン候爵家の令嬢だ。』
…。2人は揃ってため息をつくとハロルドが
『そいつが一番悪どいよ…』
ヨハネスは驚いたように
『まさか?お前は知らないだろうけどね?マルセン候爵令嬢はなかなかの淑女だぞ?なあ?』
今度はヨハネスがマグヌスに同意を求めるもマグヌスはヨハネスを見ること無くハロルドに
『殿下は女性を見る目が乏しい故…』
2人で納得するかのように頷いた。
…。
3人はしばらくの沈黙の後会場に戻るのであった。
この日も多くの令嬢がヨハネスに熱い視線を送るも流石のヨハネスも辟易としていた時、会場の空気が一瞬固まりざわつきだした。
ヨハネスは遅れているヘンリーの到着かと扉に視線を送ると…
満面の笑顔を振りまくハロルドが可愛らしい令嬢をエスコートしながら会場入りしてきたのである。思わずヨハネスは唇だけで、
【ま・だ・居・た・の・か?】
唇の動きを読むのに長けたハロルドは敢えて首を傾げながらヨハネスに微笑みを送る。ヨハネスは怪訝そうにハロルドに走り寄ると
『これはこれは王太子殿下。本日はお招きありがとうございます。』
仰々しく礼を取るとヨハネスは大きくため息を付き礼を解いた。
ハロルドの隣で強張る笑顔で膝を折る令嬢に声を掛けようとした所でヨハネスにゾロゾロと付いてきた令嬢らが輪に入ってきた。
『殿下、お招きありがとうございます』
口々に語る令嬢を相手をしているとエミリアの兄であるマグヌスがハロルドに声を掛けた。
『ご無沙汰しております。妹の事で少しよろしいですか?』
ハロルドを呼ぶと隣の令嬢に目を向け
『どちらの?』
マグヌスの言葉にヨハネスの連れてきた令嬢の1人が笑いながら
『嫌ですわ!マグヌス様。こちらはフランチェスカ様ですわよ?あまりに影が薄いからって失礼ですわ!』
マグヌスは驚いたように
『フランチェスカ嬢?これは失礼しました。本日はまた雰囲気が別人のようですね。まるで天使のようだ。』
普段公共の場ではマグヌスは寡黙で通っている。ハロルドはヨハネスに念を送った。
(どうしたのだ?マグヌスは?)
ヨハネスは顔を顰めて首を横に振る。
(触れるな。そこは。)
誰にでも裏の顔はあるものだ。
そのマグヌスが心底驚いたように、フランチェスカを褒め称えると、その令嬢は唇を噛んだ。
ハロルドはマグヌスに外へと促されるとヨハネスはぐるりと囲まれた令嬢に視線を流し、いそいそと2人と後を追うように輪の中から脱出してきたのである。
ハロルドは後を追ってきたヨハネスに
『どうして貴方までこちらに?』
『いやいや、エミリアの事ならば私も…』
ハロルドは大きくため息を付き
『フランチェスカ嬢をあんな所に1人で残してきては大変ですよ?』
ハロルドはマグヌスに同意を求めるように視線を投げるとマグヌスもまた大きく頷いた。
『2人とも大袈裟だな。いくらフランチェスカが王太子妃候補だからって心配し過ぎだぞ?それにあそこに居た…ほら、誰にだっけあの、黒髪の控えめな令嬢…。』
マグヌスが間髪入れずに
『イライザ嬢ですね?』
『そう、マルセン候爵家の令嬢だ。』
…。2人は揃ってため息をつくとハロルドが
『そいつが一番悪どいよ…』
ヨハネスは驚いたように
『まさか?お前は知らないだろうけどね?マルセン候爵令嬢はなかなかの淑女だぞ?なあ?』
今度はヨハネスがマグヌスに同意を求めるもマグヌスはヨハネスを見ること無くハロルドに
『殿下は女性を見る目が乏しい故…』
2人で納得するかのように頷いた。
…。
3人はしばらくの沈黙の後会場に戻るのであった。
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