たまたま王太子妃になっただけ【完】

mako

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フランツ帝国の崩壊

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『ど、どうなるのですか?』


立ち上がり暴れるステファニーを衛兵が抑え込む。
フィリップはその様を眺めて他人事のように

『流石はアレクセイ。』


『何を呑気な事を!あんななんちゃって王子に良いようにされてよろしいのですか!貴方フランツ帝国の皇太子でしょう!』


『簡単にではございませんわ!貴女は何も分かっておられないのですね?』

イザベラは背筋を伸ばし毅然として言う。


『貴女もフランツ帝国の人間でしたら最後こそ凛としていらして下さい。』



イザベラの言葉を聞き


『こんなのおかしい。こんなはずでは…』



『申し上げます!アナリス大王国の軍が皇宮を取り囲んでおります!』


騎士団の1人が息を切らして駆け込んで来た。


『皇宮の者を全てここに集めよ。』


静かにフィリップが言うと、騎士はすぐさま駆け出して行った。



しばらくすると外側からアナリス軍が中に侵入してくる様が耳から確認出来た。


騒がしい廊下が静まり返った。一同はその大きな扉を凝視すると、それは静かに開かれた。


大群がさっと2つに割れるとその中央からはアナリス王太子、アレクセイが颯爽と現れた。

『皆さん、お待たせしましたね。』


皮肉とも取れる発言で一同を驚かせるとフィリップは

『待ちくたびれたぞ』

とニヤリと不敵な笑みを浮かべる。

『おやおや、人質を大切に扱って頂いてた様で』

アレクセイも合わせて不敵な笑みを浮かべる。

『白々しくそんな事を。イザベラは名ばかりの王女という位、分かっておった。』

『何ですって!騙したのね?』

統率者同士の会話に割って入るステファニーにアレクセイは

『べつに騙した訳じゃないよ?イザベラは間違いなく王族だよ?ただ少し血筋に疑いがあり問題視されていた姫っていうだけだよ。何も分かってないのは君だけだ。』


『スパイを送り込んでいたくせに!卑怯だわ!』


『スパイではない。アナリスから王女として送り込んだだけだよ。君だってそうだろ?』


追い詰められるステファニーは思い出したかのように


『そうだわ、オリヴィアが帝国に嫁げばこんな事にはならなかったっていうのは、どうゆうことなの?』


アレクセイは不思議そうに


『何それ?』


『なんちゃって王女が言ってたわ!』 

アレクセイはイザベラを見て頷くと

『そうだね。イザベラの見解は間違っていないよ。

だから初めに言ったでしょ?できればジュリラン王女に正妃として娶ってもらいたいって。そうしたらオリヴィアを傷つけなくて済んだからね。だけどジュリラン大王国はそうはしなかった。あくまで君が帝国に嫁ぐと言った。ならば私の手でオリヴィアを幸せにするよって誓ったろ?』

『そんな紛らわしい言い方、ペテンだわ!はっきり言えばいいじゃない!』



アレクセイはため息を一つ。面倒くさそうにステファニーを見ると


『君は見掛け倒しだね。国同士の話しに建前はあるであろう?全て腹の中を晒す統率者なんて居ないよ。』


アレクセイはそう言うと、フィリップではなく皇帝の前に跪き


『今までこの広い大陸を治めてこられた敬意を心より申し上げる。』


皇帝は黙って頷くと自らアナリス軍の中へ進み騎士らによって囚われた。全ての責を負う統率者としての立派な最後にアレクセイは最上級の礼を取った。








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