たまたま王太子妃になっただけ【完】

mako

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ラインハルトの心

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アレクセイの持ち込んだ縁談によりラインハルトはバーミロン王女のアリスとの顔合わせを行った。



目の前に現れたアリスを見てラインハルトは3度程瞬きをした。まるで妖精のようなアリス王女はラインハルトの知る王女とはかけ離れている。


…。


押し黙るラインハルトを不思議そうに観察するアリス。アリスの視線を遮るように


『アレクセイ殿下よりの縁談ですがそちらはよろしいのですか?』


バーミロン国王はラインハルトをこれまた不思議そうに眺め


『帝国の皇帝からの縁談ですからね。我が国にとってはこの上ない慶びでありますが?アリスではご不満であればまだまだ王女はおりますが?』


予想外の回答にラインハルトは首を振りながら


『そういうつもりではありません。ならば今後とも宜しくお願いします』




顔合わせはほんの数分で終えるとラインハルトはすぐにバーミロン王宮を後にした。



…こんなものか?


妹2人の時は大変な思いをした記憶があるラインハルトだが、あまりにあっさりと進む自身の縁談に違和感を覚えながらも話しを進めるよう側近に命じた。


ラインハルトも一国の王太子。王太子の仮面装着をすれば王子様のような笑顔も振りまくことも可能だ。だがそれはあまりしない。かつて媚薬事件の時のように令嬢を吐かせる時などに用いるだけで普段はめったに笑顔も振りまく事はない。本人曰く


楽しければ笑う。楽しく無いのに何故笑う?


これが生まれながらの王子の本性なのであろう。



式の日取りも決まりアリスがジュリランに入る知らせが届けられた。ラインハルトは侍従らに何度も失礼の無いよう確認をしアリスを迎えたのである。


フワッフワの妖精が王宮に入ったと、王宮だけでなく街中にもその噂は広がりアリスは嫁ぐ前から人気を博した。


アリスは天真爛漫の幼子のようでジュリラン王女で言えば間違いなくステファニーではなくオリヴィアに似た雰囲気であった。


侍従らとも気さくに話し、特段贅沢をしている風でもない。マナーも出来ているし王太子教育もクリアしている。なのに何故が不安定さが否めない。



ラインハルトは時間を見つけてはアリスとの時間を取るようにしていた。というか取るようにさせられていた。ここに来て側近らが小姑のようにうるさいのだ。黙らせるよりも従う方が楽な事をラインハルトは学習していた。


側近らはラインハルトとお茶をしても楽しくはないであろう空気の中で不平不満を漏らさぬアリスに心から感謝をしていた。


ラインハルトもまた面倒であった時間ではあるが毎回ラインハルトを驚かせるアリスに興味を覚えていったのである。


恐るべしバーミロン第3王女。



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