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アメリアの決意
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アメリアは私室のバルコニーから帝都を見下ろしながら、ひとり思い悩んでいた。
花屋の娘、エルナ。素朴ながらもまっすぐなまなざしを向けるその姿に、セリュアンが惹かれるのも無理はない。
セリュアンは、自分と同じように愛する人との未来を捨て、王族としての宿命に殉じている。
妃として迎えられた──いや、迎えさせられた──アメリアに対しても、彼はその地位を決して蔑ろにすることなく、常に敬意をもって接してくれる。
まさに、王族の鑑といえる存在であった。
けれどもアメリアは、そんな彼の節度ある行動の一つひとつに、心を揺さぶられてしまう。
嫉妬など許される立場でもないくせに。
セリュアンとエルナが共にいる姿を目にしたとき、あの帝国で見た仲睦まじい光景が鮮やかによみがえってきた。
――この二人もまた、自分とジークのように、愛をあきらめたのだ。
最初こそ、自分は強引にジークと引き離されたのに、セリュアンはこうして偶然とはいえ彼女と顔を合わせることができる。そのことへの憤りかと思っていた。
けれど今は、何かが違う気がする。
同じような運命に翻弄された者同士。彼を理解できるのが私でなくて、誰にできようか。
彼は、自分の心を必死に押し殺している。
私に、何かできることはないだろうか──力になる術はないのだろうか……。
そんな時、エルナと言葉を交わす機会があった。
彼女は、素敵な女性だった。
目の前で笑うその表情を、自分が奪ってしまったのだと思うと、胸が痛んだ。
たしかに、彼女はもうセリュアンの妃にはなれない。
だが、別のかたちで彼との絆を守ることはできないのだろうか──愛を完全に諦めずにすむ道が、どこかにあるのではないか。
そんな思いを巡らせるアメリアの心の中では、
祖国に残してきたジークの姿は、すでに過去のものとなりつつあった──。
花屋の娘、エルナ。素朴ながらもまっすぐなまなざしを向けるその姿に、セリュアンが惹かれるのも無理はない。
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妃として迎えられた──いや、迎えさせられた──アメリアに対しても、彼はその地位を決して蔑ろにすることなく、常に敬意をもって接してくれる。
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けれどもアメリアは、そんな彼の節度ある行動の一つひとつに、心を揺さぶられてしまう。
嫉妬など許される立場でもないくせに。
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――この二人もまた、自分とジークのように、愛をあきらめたのだ。
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けれど今は、何かが違う気がする。
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彼は、自分の心を必死に押し殺している。
私に、何かできることはないだろうか──力になる術はないのだろうか……。
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目の前で笑うその表情を、自分が奪ってしまったのだと思うと、胸が痛んだ。
たしかに、彼女はもうセリュアンの妃にはなれない。
だが、別のかたちで彼との絆を守ることはできないのだろうか──愛を完全に諦めずにすむ道が、どこかにあるのではないか。
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