記憶を無くした公爵夫人【完】

mako

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夜会にて4

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アルベルタが絶望の中に落とされたその時、鍵を締めたはずの扉が開いた。


『殿下!』

アーノルドは部屋に入ってきた第2王子アランを見て驚きを隠せない。

アランは溜息をついて

『何してるの?』


アーノルドは組み敷いたアルベルタから離れ


『妹が具合が悪くなりまして少し休んでおりました。』


『お前も一緒に?』


‥。


『まあ、よい。それよりもお前が変態呼ばわりしていたのは一応私の兄だが?そもそもお前は第1王子派であろう?側近からあのような言われ方をしていると知ったら悲しむであろうな?』


アーノルドはすかさず


『誤解です!』


『誤解ではない。記録も録ったし、そもそもお前の考えるような事はこちらも把握しているからね。今日の夜会だってそうだ。このためにわざわざ開いた様なものだからな?』

アランは面倒くさそうに吐き捨てた。


固まるアーノルドにアランは追い打ちをかける。


『さあ、どうしようか?』

扉の向こう側に声を掛けると悪そうな顔をしたレオンハルトが入ってきた。



『殿下。お兄様への隠し事はなりません』

アーノルドはレオンハルトを睨み付ける。

『しかし、これでも私の妻の義兄上ですからね‥どうです?辺境にてお働き頂くのは?』


目を見開くアーノルドにアランが告げる。


『アーノルド侯爵、どちらがよい?辺境にて働くか、不敬罪で牢に入るか?』

アーノルドは己の置かれた立場を把握したのか

『私は王国に反逆など誓ってしておりません。』


これにはアランは真面目に答える。


『当たり前だ。そうであれは極刑だ。』


『私は私の義妹を可愛がっているだけ‥』

俯いたアーノルドにレオンハルトは


『だが、その義妹は今や公爵夫人。お前が好きにして良い相手ではなかろう?』   

アーノルドはアルベルタを見つめ悲しそうに言う。


『公爵家など行かせなければ良かったな。アルベルタは知らなくても良い世界を知ってしまった。』


『アラン!いや、殿下‥。』


レオンハルトが声を上げるとアランはレオンハルトをギロリと睨み


『何?』



『こいつは、仕出かした罪を分かっておらん。不敬罪でよいのではないか?』

アーノルドは目を瞑りそして瞳をしっかりと開けアランに最上級の礼を取る。


『辺境にて誠心誠意努めてまいります。』


アランは大きく溜息をついて

『これでよいのか?』

レオンハルトに尋ねた。







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