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ガーデンパーティー
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キャサリンは庭までやってくるとすぐに姉のラウラが声を掛けてきた。
『キャシー!』
振り返るとラウラが奥のテーブルで手を振っていた。キャサリンは急ぎテーブルに向うとラウラは
『元気そうね?あら、殿下は?』
後ろを見渡すも、もちろんカールトンは居ない。
『お疲れのご様子でしたので私、一人ですの。』
おどけるキャサリンにラウラは
『まあ、残念。ご挨拶したかったのに!素敵な王太子様ですものね?カールトン殿下は♡』
キャサリンは一瞬固まりすぐに
『ハハハ、まあ?』
‥中身最悪だけどね(笑)
昼間のお茶会らしく夫人が多く賑やかに盛り上がっていた。
カールトンは部屋を出て廊下を歩いていると、大きなテラスがあり足を運んでみた。そこから見渡すと王都が活気溢れている。
視線を落とすと庭では華やかに着飾る夫人らが楽しそうに盛り上がっている。
その先には我が妻キャサリンが笑顔で話しているのが見えた。
ロブが言っていた様に、王女ともなれば威厳溢れる気の強い王女。もしくは名ばかりの王女で貴族の令嬢の様に華やかに着飾り頭にお花畑が広がっている王女がいるとか。
キャサリンはそのどちらにも該当していない。
そんな事を思っていると
『ようこそいらっしゃいました。』
カールトンが微笑むとそこにはダリス大王国王太子妃殿下、ルリネット様が微笑んでいた。
『お初にお目にかかります。カールトン・ムヌクと申します。』
カールトンは礼を取ると
『堅苦しいのはやめましょう!』
ルリネットはカールトンの横に並びパーティーを眺めた。
『まぁ、可愛らしい!ヘリンズ王女のキャサリン様ですね?あそこで天使のように微笑んでおられるのは!』
カールトンは視線の先のキャサリンを見て
『はい、よろしくお願いしますね。』
『こちらこそですわ!私は社交界に出たこともなくここに来ましたのはご存知?』
カールトンは驚きながらも
『そうでしたか。』
キャサリンはニヤリと笑い
『ゴシップにはご興味なさそうですもんね!でもその私でさえキャサリン様のことは存じておりましたのよ。』
『‥そ、そうでしたか。』
『変な意味ではないの。キャサリン様は王女でありながら慈善活動を積極的に行っていらっしゃるとか?何せうちのお兄様たちが大変なファンでしたのよ!』
‥ファン?最近ファンが多いな。
『それはそれは有難き事でございます。』
王子スマイルで答えると、ルリネットはお茶会を眺めていた視線を細めた。そして真顔になり
『マキシミリアン様ですわ。』
カールトンも視線の先をマキシミリアンを捕らえた。
『マキシミリアン様はご存知?』
カールトンは不思議そうに
『あまり親しくは無いですが、私たちの結婚式に参列頂きました。』
『そう、悪い人では無いの。現に私も初めこそ大嫌いだったけれど今では義姉のお兄様として親しくしておりますの。ただ‥。』
『ただ?』
ルリネットを覗き込むと
『貴方は聖なる力をご存知?』
ロブとの話で笑い話として話していたヤツか?
『少しは‥まあ、知らないという方が近いですが。』
ルリネットは安堵したように微笑んでから
『それがいいわ。私の瞳を見て何も思わない?』
『‥失礼します。』
カールトンはルリネットの瞳を見つめると
『左右の色が』
『そう、オッドアイよ。これはね聖なる力を持つ者同士が真実の愛を誓うと偉大な力出守られるって言われているの。別にのろけている訳ではないのよ!』
『なるほど、ダリス大王国は安泰ですね!』
『そうなの!!‥じゃなくて、その力は一部の王族のみ持ち得るものなの。一方だけが持っていても、双方が持っていても真実の愛の誓いがなければ発動しないの。わかる?』
『‥何となく?』
『実際、私の兄妹夫婦は共に発動していないもの。』
『発動したかどうかはどのようにして確認するのですか?』
ルリネットは大きく瞳を開けて
『オッドアイよ。私の右目の色は殿下の色。殿下の右目も私の色になっているわ。素敵でしょう?ってのろけじゃなくてね?』
‥いや、さっきからのろけてますが?
『話を戻すとマキシミリアン様はその力にものすごく拘っているの。わかる?その意味。』
『すみません、わかりませんが?』
『だから!王女狙いなのよ。王女なんて沢山居るじゃない?でもね、彼はこの力を持つ者を見分けるのに長けているの。実際に私がこの力を持つ事を誰よりも早く察知していたわ。まあ、マキシミリアン様とでは真実の愛は育たなかったけれどね?』
『ですが、マキシミリアン殿がその何とかの力を持っているという保証もありませんよね?』
ルリネットは嬉しそうに
『そうなの!そこよね。貴方案外頭がいいわ』
‥妃殿下、貴女も大概失礼ですよ?
『それはどうも。』
『とにかくマキシミリアン様から妃殿下をお守りしなさいね?』
『すみません、また話が分からなくなりましたが?妻がその何とかの力を持っているというのですか?』
『だから!何とかの力では無くて聖なる力よ。キャサリン様も貴方もその力を有しているかもしれないのよ?』
『確率論であれば、ここにいる者全てに当てはまるかと存じますが?』
ルリネットはカールトンを見上げ
『貴方もなかなか頭が固いわね!』
そこへ後方から
『リネット?どうした?』
現れたのはダリス大王国王太子、エドワード殿下であった。急ぎ礼を取るカールトンに
『我が妻が申し訳ない』
何も話していないのに謝るエドワードに
『どうして謝るのよ!まだなにも聞いてはいないでしょう?』
頬を膨らませエドワードを見上げるルリネット。
幸せそうに笑う2人。
‥ごちそうさまでした。
カールトンは早々に話を切り上げ部屋へと逃げ込んだ。
窓から聞こえる賑やかな声はまだまだ続きそうである。カールトンは今度こそ本気でベッドに身を投げ、瞳を閉じた。
『キャシー!』
振り返るとラウラが奥のテーブルで手を振っていた。キャサリンは急ぎテーブルに向うとラウラは
『元気そうね?あら、殿下は?』
後ろを見渡すも、もちろんカールトンは居ない。
『お疲れのご様子でしたので私、一人ですの。』
おどけるキャサリンにラウラは
『まあ、残念。ご挨拶したかったのに!素敵な王太子様ですものね?カールトン殿下は♡』
キャサリンは一瞬固まりすぐに
『ハハハ、まあ?』
‥中身最悪だけどね(笑)
昼間のお茶会らしく夫人が多く賑やかに盛り上がっていた。
カールトンは部屋を出て廊下を歩いていると、大きなテラスがあり足を運んでみた。そこから見渡すと王都が活気溢れている。
視線を落とすと庭では華やかに着飾る夫人らが楽しそうに盛り上がっている。
その先には我が妻キャサリンが笑顔で話しているのが見えた。
ロブが言っていた様に、王女ともなれば威厳溢れる気の強い王女。もしくは名ばかりの王女で貴族の令嬢の様に華やかに着飾り頭にお花畑が広がっている王女がいるとか。
キャサリンはそのどちらにも該当していない。
そんな事を思っていると
『ようこそいらっしゃいました。』
カールトンが微笑むとそこにはダリス大王国王太子妃殿下、ルリネット様が微笑んでいた。
『お初にお目にかかります。カールトン・ムヌクと申します。』
カールトンは礼を取ると
『堅苦しいのはやめましょう!』
ルリネットはカールトンの横に並びパーティーを眺めた。
『まぁ、可愛らしい!ヘリンズ王女のキャサリン様ですね?あそこで天使のように微笑んでおられるのは!』
カールトンは視線の先のキャサリンを見て
『はい、よろしくお願いしますね。』
『こちらこそですわ!私は社交界に出たこともなくここに来ましたのはご存知?』
カールトンは驚きながらも
『そうでしたか。』
キャサリンはニヤリと笑い
『ゴシップにはご興味なさそうですもんね!でもその私でさえキャサリン様のことは存じておりましたのよ。』
『‥そ、そうでしたか。』
『変な意味ではないの。キャサリン様は王女でありながら慈善活動を積極的に行っていらっしゃるとか?何せうちのお兄様たちが大変なファンでしたのよ!』
‥ファン?最近ファンが多いな。
『それはそれは有難き事でございます。』
王子スマイルで答えると、ルリネットはお茶会を眺めていた視線を細めた。そして真顔になり
『マキシミリアン様ですわ。』
カールトンも視線の先をマキシミリアンを捕らえた。
『マキシミリアン様はご存知?』
カールトンは不思議そうに
『あまり親しくは無いですが、私たちの結婚式に参列頂きました。』
『そう、悪い人では無いの。現に私も初めこそ大嫌いだったけれど今では義姉のお兄様として親しくしておりますの。ただ‥。』
『ただ?』
ルリネットを覗き込むと
『貴方は聖なる力をご存知?』
ロブとの話で笑い話として話していたヤツか?
『少しは‥まあ、知らないという方が近いですが。』
ルリネットは安堵したように微笑んでから
『それがいいわ。私の瞳を見て何も思わない?』
『‥失礼します。』
カールトンはルリネットの瞳を見つめると
『左右の色が』
『そう、オッドアイよ。これはね聖なる力を持つ者同士が真実の愛を誓うと偉大な力出守られるって言われているの。別にのろけている訳ではないのよ!』
『なるほど、ダリス大王国は安泰ですね!』
『そうなの!!‥じゃなくて、その力は一部の王族のみ持ち得るものなの。一方だけが持っていても、双方が持っていても真実の愛の誓いがなければ発動しないの。わかる?』
『‥何となく?』
『実際、私の兄妹夫婦は共に発動していないもの。』
『発動したかどうかはどのようにして確認するのですか?』
ルリネットは大きく瞳を開けて
『オッドアイよ。私の右目の色は殿下の色。殿下の右目も私の色になっているわ。素敵でしょう?ってのろけじゃなくてね?』
‥いや、さっきからのろけてますが?
『話を戻すとマキシミリアン様はその力にものすごく拘っているの。わかる?その意味。』
『すみません、わかりませんが?』
『だから!王女狙いなのよ。王女なんて沢山居るじゃない?でもね、彼はこの力を持つ者を見分けるのに長けているの。実際に私がこの力を持つ事を誰よりも早く察知していたわ。まあ、マキシミリアン様とでは真実の愛は育たなかったけれどね?』
『ですが、マキシミリアン殿がその何とかの力を持っているという保証もありませんよね?』
ルリネットは嬉しそうに
『そうなの!そこよね。貴方案外頭がいいわ』
‥妃殿下、貴女も大概失礼ですよ?
『それはどうも。』
『とにかくマキシミリアン様から妃殿下をお守りしなさいね?』
『すみません、また話が分からなくなりましたが?妻がその何とかの力を持っているというのですか?』
『だから!何とかの力では無くて聖なる力よ。キャサリン様も貴方もその力を有しているかもしれないのよ?』
『確率論であれば、ここにいる者全てに当てはまるかと存じますが?』
ルリネットはカールトンを見上げ
『貴方もなかなか頭が固いわね!』
そこへ後方から
『リネット?どうした?』
現れたのはダリス大王国王太子、エドワード殿下であった。急ぎ礼を取るカールトンに
『我が妻が申し訳ない』
何も話していないのに謝るエドワードに
『どうして謝るのよ!まだなにも聞いてはいないでしょう?』
頬を膨らませエドワードを見上げるルリネット。
幸せそうに笑う2人。
‥ごちそうさまでした。
カールトンは早々に話を切り上げ部屋へと逃げ込んだ。
窓から聞こえる賑やかな声はまだまだ続きそうである。カールトンは今度こそ本気でベッドに身を投げ、瞳を閉じた。
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