24 / 94
ガーデンパーティー
しおりを挟む
キャサリンは庭までやってくるとすぐに姉のラウラが声を掛けてきた。
『キャシー!』
振り返るとラウラが奥のテーブルで手を振っていた。キャサリンは急ぎテーブルに向うとラウラは
『元気そうね?あら、殿下は?』
後ろを見渡すも、もちろんカールトンは居ない。
『お疲れのご様子でしたので私、一人ですの。』
おどけるキャサリンにラウラは
『まあ、残念。ご挨拶したかったのに!素敵な王太子様ですものね?カールトン殿下は♡』
キャサリンは一瞬固まりすぐに
『ハハハ、まあ?』
‥中身最悪だけどね(笑)
昼間のお茶会らしく夫人が多く賑やかに盛り上がっていた。
カールトンは部屋を出て廊下を歩いていると、大きなテラスがあり足を運んでみた。そこから見渡すと王都が活気溢れている。
視線を落とすと庭では華やかに着飾る夫人らが楽しそうに盛り上がっている。
その先には我が妻キャサリンが笑顔で話しているのが見えた。
ロブが言っていた様に、王女ともなれば威厳溢れる気の強い王女。もしくは名ばかりの王女で貴族の令嬢の様に華やかに着飾り頭にお花畑が広がっている王女がいるとか。
キャサリンはそのどちらにも該当していない。
そんな事を思っていると
『ようこそいらっしゃいました。』
カールトンが微笑むとそこにはダリス大王国王太子妃殿下、ルリネット様が微笑んでいた。
『お初にお目にかかります。カールトン・ムヌクと申します。』
カールトンは礼を取ると
『堅苦しいのはやめましょう!』
ルリネットはカールトンの横に並びパーティーを眺めた。
『まぁ、可愛らしい!ヘリンズ王女のキャサリン様ですね?あそこで天使のように微笑んでおられるのは!』
カールトンは視線の先のキャサリンを見て
『はい、よろしくお願いしますね。』
『こちらこそですわ!私は社交界に出たこともなくここに来ましたのはご存知?』
カールトンは驚きながらも
『そうでしたか。』
キャサリンはニヤリと笑い
『ゴシップにはご興味なさそうですもんね!でもその私でさえキャサリン様のことは存じておりましたのよ。』
『‥そ、そうでしたか。』
『変な意味ではないの。キャサリン様は王女でありながら慈善活動を積極的に行っていらっしゃるとか?何せうちのお兄様たちが大変なファンでしたのよ!』
‥ファン?最近ファンが多いな。
『それはそれは有難き事でございます。』
王子スマイルで答えると、ルリネットはお茶会を眺めていた視線を細めた。そして真顔になり
『マキシミリアン様ですわ。』
カールトンも視線の先をマキシミリアンを捕らえた。
『マキシミリアン様はご存知?』
カールトンは不思議そうに
『あまり親しくは無いですが、私たちの結婚式に参列頂きました。』
『そう、悪い人では無いの。現に私も初めこそ大嫌いだったけれど今では義姉のお兄様として親しくしておりますの。ただ‥。』
『ただ?』
ルリネットを覗き込むと
『貴方は聖なる力をご存知?』
ロブとの話で笑い話として話していたヤツか?
『少しは‥まあ、知らないという方が近いですが。』
ルリネットは安堵したように微笑んでから
『それがいいわ。私の瞳を見て何も思わない?』
『‥失礼します。』
カールトンはルリネットの瞳を見つめると
『左右の色が』
『そう、オッドアイよ。これはね聖なる力を持つ者同士が真実の愛を誓うと偉大な力出守られるって言われているの。別にのろけている訳ではないのよ!』
『なるほど、ダリス大王国は安泰ですね!』
『そうなの!!‥じゃなくて、その力は一部の王族のみ持ち得るものなの。一方だけが持っていても、双方が持っていても真実の愛の誓いがなければ発動しないの。わかる?』
『‥何となく?』
『実際、私の兄妹夫婦は共に発動していないもの。』
『発動したかどうかはどのようにして確認するのですか?』
ルリネットは大きく瞳を開けて
『オッドアイよ。私の右目の色は殿下の色。殿下の右目も私の色になっているわ。素敵でしょう?ってのろけじゃなくてね?』
‥いや、さっきからのろけてますが?
『話を戻すとマキシミリアン様はその力にものすごく拘っているの。わかる?その意味。』
『すみません、わかりませんが?』
『だから!王女狙いなのよ。王女なんて沢山居るじゃない?でもね、彼はこの力を持つ者を見分けるのに長けているの。実際に私がこの力を持つ事を誰よりも早く察知していたわ。まあ、マキシミリアン様とでは真実の愛は育たなかったけれどね?』
『ですが、マキシミリアン殿がその何とかの力を持っているという保証もありませんよね?』
ルリネットは嬉しそうに
『そうなの!そこよね。貴方案外頭がいいわ』
‥妃殿下、貴女も大概失礼ですよ?
『それはどうも。』
『とにかくマキシミリアン様から妃殿下をお守りしなさいね?』
『すみません、また話が分からなくなりましたが?妻がその何とかの力を持っているというのですか?』
『だから!何とかの力では無くて聖なる力よ。キャサリン様も貴方もその力を有しているかもしれないのよ?』
『確率論であれば、ここにいる者全てに当てはまるかと存じますが?』
ルリネットはカールトンを見上げ
『貴方もなかなか頭が固いわね!』
そこへ後方から
『リネット?どうした?』
現れたのはダリス大王国王太子、エドワード殿下であった。急ぎ礼を取るカールトンに
『我が妻が申し訳ない』
何も話していないのに謝るエドワードに
『どうして謝るのよ!まだなにも聞いてはいないでしょう?』
頬を膨らませエドワードを見上げるルリネット。
幸せそうに笑う2人。
‥ごちそうさまでした。
カールトンは早々に話を切り上げ部屋へと逃げ込んだ。
窓から聞こえる賑やかな声はまだまだ続きそうである。カールトンは今度こそ本気でベッドに身を投げ、瞳を閉じた。
『キャシー!』
振り返るとラウラが奥のテーブルで手を振っていた。キャサリンは急ぎテーブルに向うとラウラは
『元気そうね?あら、殿下は?』
後ろを見渡すも、もちろんカールトンは居ない。
『お疲れのご様子でしたので私、一人ですの。』
おどけるキャサリンにラウラは
『まあ、残念。ご挨拶したかったのに!素敵な王太子様ですものね?カールトン殿下は♡』
キャサリンは一瞬固まりすぐに
『ハハハ、まあ?』
‥中身最悪だけどね(笑)
昼間のお茶会らしく夫人が多く賑やかに盛り上がっていた。
カールトンは部屋を出て廊下を歩いていると、大きなテラスがあり足を運んでみた。そこから見渡すと王都が活気溢れている。
視線を落とすと庭では華やかに着飾る夫人らが楽しそうに盛り上がっている。
その先には我が妻キャサリンが笑顔で話しているのが見えた。
ロブが言っていた様に、王女ともなれば威厳溢れる気の強い王女。もしくは名ばかりの王女で貴族の令嬢の様に華やかに着飾り頭にお花畑が広がっている王女がいるとか。
キャサリンはそのどちらにも該当していない。
そんな事を思っていると
『ようこそいらっしゃいました。』
カールトンが微笑むとそこにはダリス大王国王太子妃殿下、ルリネット様が微笑んでいた。
『お初にお目にかかります。カールトン・ムヌクと申します。』
カールトンは礼を取ると
『堅苦しいのはやめましょう!』
ルリネットはカールトンの横に並びパーティーを眺めた。
『まぁ、可愛らしい!ヘリンズ王女のキャサリン様ですね?あそこで天使のように微笑んでおられるのは!』
カールトンは視線の先のキャサリンを見て
『はい、よろしくお願いしますね。』
『こちらこそですわ!私は社交界に出たこともなくここに来ましたのはご存知?』
カールトンは驚きながらも
『そうでしたか。』
キャサリンはニヤリと笑い
『ゴシップにはご興味なさそうですもんね!でもその私でさえキャサリン様のことは存じておりましたのよ。』
『‥そ、そうでしたか。』
『変な意味ではないの。キャサリン様は王女でありながら慈善活動を積極的に行っていらっしゃるとか?何せうちのお兄様たちが大変なファンでしたのよ!』
‥ファン?最近ファンが多いな。
『それはそれは有難き事でございます。』
王子スマイルで答えると、ルリネットはお茶会を眺めていた視線を細めた。そして真顔になり
『マキシミリアン様ですわ。』
カールトンも視線の先をマキシミリアンを捕らえた。
『マキシミリアン様はご存知?』
カールトンは不思議そうに
『あまり親しくは無いですが、私たちの結婚式に参列頂きました。』
『そう、悪い人では無いの。現に私も初めこそ大嫌いだったけれど今では義姉のお兄様として親しくしておりますの。ただ‥。』
『ただ?』
ルリネットを覗き込むと
『貴方は聖なる力をご存知?』
ロブとの話で笑い話として話していたヤツか?
『少しは‥まあ、知らないという方が近いですが。』
ルリネットは安堵したように微笑んでから
『それがいいわ。私の瞳を見て何も思わない?』
『‥失礼します。』
カールトンはルリネットの瞳を見つめると
『左右の色が』
『そう、オッドアイよ。これはね聖なる力を持つ者同士が真実の愛を誓うと偉大な力出守られるって言われているの。別にのろけている訳ではないのよ!』
『なるほど、ダリス大王国は安泰ですね!』
『そうなの!!‥じゃなくて、その力は一部の王族のみ持ち得るものなの。一方だけが持っていても、双方が持っていても真実の愛の誓いがなければ発動しないの。わかる?』
『‥何となく?』
『実際、私の兄妹夫婦は共に発動していないもの。』
『発動したかどうかはどのようにして確認するのですか?』
ルリネットは大きく瞳を開けて
『オッドアイよ。私の右目の色は殿下の色。殿下の右目も私の色になっているわ。素敵でしょう?ってのろけじゃなくてね?』
‥いや、さっきからのろけてますが?
『話を戻すとマキシミリアン様はその力にものすごく拘っているの。わかる?その意味。』
『すみません、わかりませんが?』
『だから!王女狙いなのよ。王女なんて沢山居るじゃない?でもね、彼はこの力を持つ者を見分けるのに長けているの。実際に私がこの力を持つ事を誰よりも早く察知していたわ。まあ、マキシミリアン様とでは真実の愛は育たなかったけれどね?』
『ですが、マキシミリアン殿がその何とかの力を持っているという保証もありませんよね?』
ルリネットは嬉しそうに
『そうなの!そこよね。貴方案外頭がいいわ』
‥妃殿下、貴女も大概失礼ですよ?
『それはどうも。』
『とにかくマキシミリアン様から妃殿下をお守りしなさいね?』
『すみません、また話が分からなくなりましたが?妻がその何とかの力を持っているというのですか?』
『だから!何とかの力では無くて聖なる力よ。キャサリン様も貴方もその力を有しているかもしれないのよ?』
『確率論であれば、ここにいる者全てに当てはまるかと存じますが?』
ルリネットはカールトンを見上げ
『貴方もなかなか頭が固いわね!』
そこへ後方から
『リネット?どうした?』
現れたのはダリス大王国王太子、エドワード殿下であった。急ぎ礼を取るカールトンに
『我が妻が申し訳ない』
何も話していないのに謝るエドワードに
『どうして謝るのよ!まだなにも聞いてはいないでしょう?』
頬を膨らませエドワードを見上げるルリネット。
幸せそうに笑う2人。
‥ごちそうさまでした。
カールトンは早々に話を切り上げ部屋へと逃げ込んだ。
窓から聞こえる賑やかな声はまだまだ続きそうである。カールトンは今度こそ本気でベッドに身を投げ、瞳を閉じた。
2
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】以上をもちまして、終了とさせていただきます
楽歩
恋愛
異世界から王宮に現れたという“女神の使徒”サラ。公爵令嬢のルシアーナの婚約者である王太子は、簡単に心奪われた。
伝承に語られる“女神の使徒”は時代ごとに現れ、国に奇跡をもたらす存在と言われている。婚約解消を告げる王、口々にルシアーナの処遇を言い合う重臣。
そんな混乱の中、ルシアーナは冷静に状況を見据えていた。
「王妃教育には、国の内部機密が含まれている。君がそれを知ったまま他家に嫁ぐことは……困難だ。女神アウレリア様を祀る神殿にて、王家の監視のもと、一生を女神に仕えて過ごすことになる」
神殿に閉じ込められて一生を過ごす? 冗談じゃないわ。
「お話はもうよろしいかしら?」
王族や重臣たち、誰もが自分の思惑通りに動くと考えている中で、ルシアーナは静かに、己の存在感を突きつける。
※39話、約9万字で完結予定です。最後までお付き合いいただけると嬉しいですm(__)m
悪役令嬢、記憶をなくして辺境でカフェを開きます〜お忍びで通ってくる元婚約者の王子様、私はあなたのことなど知りません〜
咲月ねむと
恋愛
王子の婚約者だった公爵令嬢セレスティーナは、断罪イベントの最中、興奮のあまり階段から転げ落ち、頭を打ってしまう。目覚めた彼女は、なんと「悪役令嬢として生きてきた数年間」の記憶をすっぽりと失い、動物を愛する心優しくおっとりした本来の性格に戻っていた。
もはや王宮に居場所はないと、自ら婚約破棄を申し出て辺境の領地へ。そこで動物たちに異常に好かれる体質を活かし、もふもふの聖獣たちが集まるカフェを開店し、穏やかな日々を送り始める。
一方、セレスティーナの豹変ぶりが気になって仕方ない元婚約者の王子・アルフレッドは、身分を隠してお忍びでカフェを訪れる。別人になったかのような彼女に戸惑いながらも、次第に本当の彼女に惹かれていくが、セレスティーナは彼のことを全く覚えておらず…?
※これはかなり人を選ぶ作品です。
感想欄にもある通り、私自身も再度読み返してみて、皆様のおっしゃる通りもう少しプロットをしっかりしてればと。
それでも大丈夫って方は、ぜひ。
悪役令嬢に転生したと気付いたら、咄嗟に婚約者の記憶を失くしたフリをしてしまった。
ねーさん
恋愛
あ、私、悪役令嬢だ。
クリスティナは婚約者であるアレクシス王子に近付くフローラを階段から落とそうとして、誤って自分が落ちてしまう。
気を失ったクリスティナの頭に前世で読んだ小説のストーリーが甦る。自分がその小説の悪役令嬢に転生したと気付いたクリスティナは、目が覚めた時「貴方は誰?」と咄嗟に記憶を失くしたフリをしてしまって──…
公爵家の秘密の愛娘
ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝グラント公爵家は王家に仕える名門の家柄。
過去の事情により、今だに独身の当主ダリウス。国王から懇願され、ようやく伯爵未亡人との婚姻を決める。
そんな時、グラント公爵ダリウスの元へと現れたのは1人の少女アンジェラ。
「パパ……私はあなたの娘です」
名乗り出るアンジェラ。
◇
アンジェラが現れたことにより、グラント公爵家は一変。伯爵未亡人との再婚もあやふや。しかも、アンジェラが道中に出逢った人物はまさかの王族。
この時からアンジェラの世界も一変。華やかに色付き出す。
初めはよそよそしいグラント公爵ダリウス(パパ)だが、次第に娘アンジェラを気に掛けるように……。
母娘2代のハッピーライフ&淑女達と貴公子達の恋模様💞
🔶設定などは独自の世界観でご都合主義となります。ハピエン💞
🔶稚拙ながらもHOTランキング(最高20位)に入れて頂き(2025.5.9)、ありがとうございます🙇♀️
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
そのご寵愛、理由が分かりません
秋月真鳥
恋愛
貧乏子爵家の長女、レイシーは刺繍で家計を支える庶民派令嬢。
幼いころから前世の夢を見ていて、その技術を活かして地道に慎ましく生きていくつもりだったのに——
「君との婚約はなかったことに」
卒業パーティーで、婚約者が突然の裏切り!
え? 政略結婚しなくていいの? ラッキー!
領地に帰ってスローライフしよう!
そう思っていたのに、皇帝陛下が現れて——
「婚約破棄されたのなら、わたしが求婚してもいいよね?」
……は???
お金持ちどころか、国ごと背負ってる人が、なんでわたくしに!?
刺繍を褒められ、皇宮に連れて行かれ、気づけば妃教育まで始まり——
気高く冷静な陛下が、なぜかわたくしにだけ甘い。
でもその瞳、どこか昔、夢で見た“あの少年”に似ていて……?
夢と現実が交差する、とんでもスピード婚約ラブストーリー!
理由は分からないけど——わたくし、寵愛されてます。
※毎朝6時、夕方18時更新!
※他のサイトにも掲載しています。
裏切られた令嬢は、30歳も年上の伯爵さまに嫁ぎましたが、白い結婚ですわ。
夏生 羽都
恋愛
王太子の婚約者で公爵令嬢でもあったローゼリアは敵対派閥の策略によって生家が没落してしまい、婚約も破棄されてしまう。家は子爵にまで落とされてしまうが、それは名ばかりの爵位で、実際には平民と変わらない生活を強いられていた。
辛い生活の中で母親のナタリーは体調を崩してしまい、ナタリーの実家がある隣国のエルランドへ行き、一家で亡命をしようと考えるのだが、安全に国を出るには貴族の身分を捨てなければいけない。しかし、ローゼリアを王太子の側妃にしたい国王が爵位を返す事を許さなかった。
側妃にはなりたくないが、自分がいては家族が国を出る事が出来ないと思ったローゼリアは、家族を出国させる為に30歳も年上である伯爵の元へ後妻として一人で嫁ぐ事を自分の意思で決めるのだった。
※作者独自の世界観によって創作された物語です。細かな設定やストーリー展開等が気になってしまうという方はブラウザバッグをお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる