こじらせ王子とその妃【完】

mako

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ダリス大王国

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翌日からはキャサリンにベッドを譲り、カールトンは無事睡眠を確保することが出来、万全の体調で大王国入りをした。


この国は各国からの王女を迎え王太子妃を選抜したという。ムヌク王国には王女が居ないが、キャサリンの祖国ヘリンズ王国からも王女が参加していたらしい。

王宮に入ると流石としか言い様の無い管理された庭、そびえ立つ王宮、豪華絢爛というよりは、歴史を感じる重厚感がそこにはあった。


既に王宮入りしている馬車がずらりと並びその横に静かに止まる馬車を待ちゆっくりと扉が開く。


『遠度遥々お疲れ様でございました。』


2人は軽く微笑み案内を待つ。


奥ではガーデンパーティーが開かれていた。
その横を通り2人は王宮へと導かれた。



『ようこそいらっしゃいました。私が今回ムヌク王国王太子夫妻のお世話をさせて頂きます、ラインハルト・フェルヴァーと申します。』

ラインハルトは王子スマイルで挨拶をすると

『本来、国王並びに王太子がご挨拶申し上げるべき所、かなりの国にお集まり頂きますので今回は勝手ながら割愛させて頂きます。

明日からは交流会が行われ、最終日には夜会が開かれますので宜しくお願いいたします』

カールトンは余所行きの笑顔で


『あぁ、ありがとう。宜しく頼む。』


キャサリンは間近で初めて見る夫の笑顔に不覚にもノックアウトされてしまった‥。


部屋に入ると大きな部屋にベッドが2つ。珍しく2人の息がピッタリと合う。

『『2つある!』』


結婚して、いや出会って初めて笑い合う2人であった。


キャサリンは

『今日は自由時間ですよね?』

そう言うと左側のベッドを陣取り身を投げ出した。

『流石、大王国のベッド♡寝心地が違うわ!』


‥嘘だろ?んな訳ない。


『ほら?殿下も!』


キャサリンに促され仕方なくカールトンも身を投げ出した。


‥?ベッドはベッドだが?っていうか、キャサリンが喧嘩腰ではない?


『あ!そうだわ。先程ガーデンパーティーが開かれてたわ!お姉様たちも居るはずだから、ちょっと行ってみますわ!殿下はどうされますか?』


キャサリンは侍女を呼び着替えを用意させている。


『いや、‥』


『そうですか!では行って参りますわね』

カールトンが答える前に言葉を被せ、侍女と奥の部屋へ着替えに行ってしまった。


‥いや、どうしようかと言うつもりが‥置いてきぼり。


カールトンは珍しく心をに隙間風が吹いた気がしたがソファに掛け、窓から聞こえてくる賑やかなパーティーを耳で聞いていた。

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