こじらせ王子とその妃【完】

mako

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お飾りですが?

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カールトンの視線から逃げるようにキャサリンは慌ただしく動き回り、ようやく夜会もお開きとなった。キャサリンは一目散に侍女たちの居る私室に戻り湯浴みを済ませた。


侍女たちはなんちゃってお茶会を覚悟していたがその日は行われずキャサリンはベッドに入り布団を被って眠りに付いた。


朝日が登り鳥のさえずりが聞こえてきたキャサリンは重い瞼を開ける。


‥。


『おはよう。』

キャサリンの隣で肩ひじを付いて寝顔を眺めていたのはカールトンであった。もちろんカールトンは王太子でありキャサリンの夫。ベッドに居てもおかしくはない。

キャサリンは驚きのあまり声も出ない。


『すまない‥』

カールトンはキャサリンを見つめると小さく想いを言葉にした。


『何に対しての謝罪でしょうか?』

キャサリンはカールトンを睨み付ける。

‥。押し黙るカールトンに


『謝って頂く事はございませんわ。私は政略結婚にてこの国に入り、お飾りの王太子妃として迎えられたにも関わらず、こうして執務まで与えて頂き寧ろ感謝こそしておりますもの。』

王族特有の笑顔を向けるとカールトンは悲しそうにキャサリンを見つめる。

‥。

『それともなんですか?昨日まで見向きもしなかった妻が黄色い妖精だと知り勿体なく感じられまして?ですが黄色い妖精なんて大昔の事。私も忘れておりましたもの。殿下の憧れがこんなんで逆に申し訳ないですわ。』


沈黙に堪えられずしゃべり倒すキャサリンを黙って見つめるカールトン。


‥何か話してよ。私だけバカみたいだわ。


『殿下と呼ばないでくれ。』

絞り出した言葉に


『殿下は殿下ですわ。』

キャサリンはざわつく心をひた隠しにベッドから飛び降りると侍女を呼んだ。


‥不意打ちとは卑怯だわ。






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