愛するということ【完】

mako

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久々な時間

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ウィリアムの久々のお誘いにテオドールは

『ハロも呼ぶ?』

2人の会話を聞いていたかのように扉が開くと


『そろそろだと思ってね。』

ハロルドがワインを片手に入ってきた。


『執務室でワインって…』

ウィリアムが苦笑いをすると


『ウィルは飲まないの?』

戯けるハロルドに


『そりゃ、飲むさ。』

ウィリアムはグラスを取りにソファを立った。




『で?お前はいつから妃殿下の飼い慣らされた犬になった?』

テオドールが口火を切る。

『別に飼い慣らされては居ないよ?そうゆうタイプじゃないんだ。妃殿下は。』


『どうゆうタイプだよ…』

『あぁ見えて、生粋の王女様だよ。だけど何か違うんだよな。ってまあ、王女に仕えた事は無いから比べられないけどね?

一つ言えるのは強引そうで傲慢ぽく見えるだろ?でもね相手の話をきちんと最後までまずは聞くんだ。そして自分の考えを押し付けるのではなく提案するんだよ。だからかな?王宮の侍従たちも明るく皆自主性があるようになった気がするね。』



テオドールはハロルドの話を聞きながら


『王女ねえ、僕が初めてアミュレットで妃殿下を見た時はまだ幼い子どもだったんだけどね?何も分からず妃の件に目を輝かせ、流石の僕でも良心が痛み何度も説明を重ねたよ?』


黙って聞いていたウィリアムが口を挟む。


『おい!良心が痛むって、それでは私の要求が鬼みたいではないか!』


『『鬼だろ?』』

家臣2人の言葉が重なった。

目の前の2人の顔を睨みつけるとウィリアムはグラスを一気に開け


『ハインリは?どうゆう風なの?』

睨みつけるウィリアムにハロルドはニヤリと嫌な笑みを浮かべ

『あれね?…ウィル。もしかしてもしかするともしかするかもよ?』


『おい!わからんぞ?』

テオドールもハロルドを睨みつける。

ハロルドは楽しそうに話す。

『まあ、待て待て。妃殿下はウィルと同じ愛を信じないっていうか、知らないタイプだからあの王子様キャラにも動じないさ。

だけどハインリッヒ様は今までに会ったこともないタイプのそれも姫。なかなか自分に靡かなかいどころか異性としても見ていない姫に何か思う所があるって感じ?でもそのお陰でハインリッヒ様は勢力的に執務に携わる様になり頭角を現している。』

『それの何がどうかなるのだ?』

不機嫌そうに問うウィリアム。

『ハインリッヒ様は妃殿下を何と呼ばれる?』


テオドールはすかさず

『姫。』


ハロルドはニヤリと笑う。


『嫌な笑い方をするな!』

ウィリアムはハロルドを睨みつけるが

『妃殿下として認めていないのさ。もちろんこの婚儀の意味を知っているだろうしね。でもそれだけでは無いと思うんだ。初めこそからかってただけだけど、今ではね。』


『違うのか?』


『だって考えてもみて?王太子であるウィルには後継者は望めない。』


『人を不能みたいに言うな!』


『『ある意味そうだろ!』』

またも重なる家臣2人の言葉。


…。



尚も続けるハロルド。

『後継者を求められるハインリッヒ様がもし妃殿下にまだ知らない愛とやらを植え付けたらどうよ?』


!顔を見合わせる王太子と側近テオドール。

『そこには純粋な王族の後継者が誕生するわけだ。』


…。


『アミュレット第3王女は国母にはなれないが未来の王太子いや国王陛下の母君となられる訳だね?まあ、そうしたらまたテオドールがウィルの妃を求めて旅に出るって事だね。』


残酷なストーリーを話すハロルドにテオドールは頭を抱え

『勘弁してくれよ…』

2人の会話を黙って聞いているウィリアムは静かにグラスを傾けた。
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