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無知とは罪である
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公式の場ではない為に帝国のそれも皇族エリアの中にある小さな部屋に通された。人払いもされている。
ソファにウィリアムとエレノアが並んで座りその前にはアルビオン皇太子。
ソファの横に控えるテオドール。
テオドールの横の椅子にステファニー。
何とも奇妙な構図で口火をきるのはアルビオン。
『ノア、済まなかったね。茶会の件をウィリアム殿から聞いていたから注意するよう指示を出してはいたのだが…』
エレノアは茶会の件をアルビオンはもちろんウィリアムが知っていた事に驚きウィリアムを見ると、ウィリアムは優しく微笑んだ。
『で、このステファニーの件だが、ヴェルヘルトが許してくれらなら明日にでもビシャリン公国へ帰すつもりだ。』
目を見開くステファニー。
『許さないよ。1度ならまだしも2度までもなんて貴殿なら許す?』
『…。』
『まあ、エレノアが事を荒げる事を望んではいないから帝国の判断に委ねるよ。』
『配慮、痛み入る。』
再度頭を下げるアルビオン。
『だけど、いいの?帝国からしたらビシャリン公国の金山からの純金は喉から手が出る程欲しいでしょう?』
アルビオンは少し驚きをみせるのも観念したのか
『お見通しか。そりゃまぁ。』
面倒くさそうにステファニーを見ると
『まあ、嫁取りならばうちに適任がいるから手を貸しましょうか?』
ウィリアムがテオドールを見る。
…おい!勘弁してくれよ。誰も好きで嫁取りの旅に出ちゃいないよ。
『あの、別にこのままでよろしいのでは?』
控え目に話すエレノアに一同の視線が集まる。
『エレノア、君も王女だからわかるね?国同士の出来事にはケジメが必要なのだ』
『もちろんです。ですが…。今回の件とは関係なしに帝国がステファニー様を帰されるのであればそれは私の預かり知る所ではありませんが…』
何やらまたも揉めだしそうなヴェルヘルト夫妻を前にアルビオンが口を開く。
『ノア、案ずる事はない。そもそもべつにステファニーに求婚したわけではなく、ビシャリン公国への求婚だ。ただなビシャリンの公女はステファニー一人なのだ。だがまあ、こうなったからには仕方あるまい。それに向かい側の大陸では少し遠い事も案じてはいたのだ。金の移動に時間が掛かる。』
『確かに。ですが今回の件で破断になるのであれば賠償責任でビシャリン公国から金の権利を取ればよろしいのでは?それに移動に時間が掛かるならば整備をついでにさせれば?』
何とも恐ろしい計画を笑顔で話すウィリアムをテオドールは毎度ながら冷や汗をかいて眺めている。
『なるほど。では私はまたアミュレットのリネットに求婚しようか…?』
元気のないエレノアに向けてユーモアを混ぜて話すアルビオンにエレノアは小さく微笑んだ。
夜会は既にお開きとなっており各国迎賓館へ戻っていた。ヴェルヘルトも早々に迎賓館に戻る事にした。
『妃殿下、あのような者まで愛情を注がれなくてもよろしいのでは?』
テオドールが言うとウィリアムも
『そうだよ。勿体ない…』
ブツブツと呟く。
『愛情?注いでおりませんわ。あの方は私は好きではありませんもの。茶会の時にはっきり分かりましたから。』
テオドールは不思議そうに
『ならば何故?あのような』
エレノアはニコリと笑い
『だって、あの方が帝国の皇太子妃、後の皇后陛下となられるのならばヴェルヘルトはしばらく安泰ですもの。うふふ』
…。怖っ。夫婦揃って恐ろしいんだけど?
和やかに話しながら歩みを進め夫妻の部屋の前までくると
『エレノア、ゆっくり休むんだよ?』
ウィリアムが声を掛けるとエレノアは可憐に微笑み部屋の中に入って行った。
…え?何で?
残された2人は顔を見合わせるもすぐに隣の部屋へと入った。
…ってここ、俺の部屋ね。1人用ね。隣の妃殿下の居る部屋が2人用。それも王族専用だから豪華絢爛ね?で?なんでお前はここにいる?ウィリアム王太子?
『疲れたね。』
爽やかに疲れを表現するウィリアムにテオドールは無視し風呂に入っているといきなりウィリアムも風呂に入って来た!
『ちょっ、ちょっと!どうした?』
慌てるテオドールにウィリアムが
『待ってるの面倒だよ。それに広いから大丈夫じゃない?』
…いやいやそうゆう問題じゃないだろ?
テオドールは泡だらけの体を急いで濯いだ。
『あ~気持ちいいな。』
湯船に浸るウィリアムを睨みつけると
『なに?テオ照れてるの?』
クスクス笑うウィリアムに
…お前に言われたくないけどね?本来お前と風呂に入るのは俺じゃねえしな?
テオドールが湯船に浸かるとウィリアムはシャワーに立った。テオドールの前に広がるウィリアムの下半身。
…全く、宝の持ち腐れかよ
テオドールは思い切り湯船に沈んだ。
…やれやれだよ。全く。
ソファにウィリアムとエレノアが並んで座りその前にはアルビオン皇太子。
ソファの横に控えるテオドール。
テオドールの横の椅子にステファニー。
何とも奇妙な構図で口火をきるのはアルビオン。
『ノア、済まなかったね。茶会の件をウィリアム殿から聞いていたから注意するよう指示を出してはいたのだが…』
エレノアは茶会の件をアルビオンはもちろんウィリアムが知っていた事に驚きウィリアムを見ると、ウィリアムは優しく微笑んだ。
『で、このステファニーの件だが、ヴェルヘルトが許してくれらなら明日にでもビシャリン公国へ帰すつもりだ。』
目を見開くステファニー。
『許さないよ。1度ならまだしも2度までもなんて貴殿なら許す?』
『…。』
『まあ、エレノアが事を荒げる事を望んではいないから帝国の判断に委ねるよ。』
『配慮、痛み入る。』
再度頭を下げるアルビオン。
『だけど、いいの?帝国からしたらビシャリン公国の金山からの純金は喉から手が出る程欲しいでしょう?』
アルビオンは少し驚きをみせるのも観念したのか
『お見通しか。そりゃまぁ。』
面倒くさそうにステファニーを見ると
『まあ、嫁取りならばうちに適任がいるから手を貸しましょうか?』
ウィリアムがテオドールを見る。
…おい!勘弁してくれよ。誰も好きで嫁取りの旅に出ちゃいないよ。
『あの、別にこのままでよろしいのでは?』
控え目に話すエレノアに一同の視線が集まる。
『エレノア、君も王女だからわかるね?国同士の出来事にはケジメが必要なのだ』
『もちろんです。ですが…。今回の件とは関係なしに帝国がステファニー様を帰されるのであればそれは私の預かり知る所ではありませんが…』
何やらまたも揉めだしそうなヴェルヘルト夫妻を前にアルビオンが口を開く。
『ノア、案ずる事はない。そもそもべつにステファニーに求婚したわけではなく、ビシャリン公国への求婚だ。ただなビシャリンの公女はステファニー一人なのだ。だがまあ、こうなったからには仕方あるまい。それに向かい側の大陸では少し遠い事も案じてはいたのだ。金の移動に時間が掛かる。』
『確かに。ですが今回の件で破断になるのであれば賠償責任でビシャリン公国から金の権利を取ればよろしいのでは?それに移動に時間が掛かるならば整備をついでにさせれば?』
何とも恐ろしい計画を笑顔で話すウィリアムをテオドールは毎度ながら冷や汗をかいて眺めている。
『なるほど。では私はまたアミュレットのリネットに求婚しようか…?』
元気のないエレノアに向けてユーモアを混ぜて話すアルビオンにエレノアは小さく微笑んだ。
夜会は既にお開きとなっており各国迎賓館へ戻っていた。ヴェルヘルトも早々に迎賓館に戻る事にした。
『妃殿下、あのような者まで愛情を注がれなくてもよろしいのでは?』
テオドールが言うとウィリアムも
『そうだよ。勿体ない…』
ブツブツと呟く。
『愛情?注いでおりませんわ。あの方は私は好きではありませんもの。茶会の時にはっきり分かりましたから。』
テオドールは不思議そうに
『ならば何故?あのような』
エレノアはニコリと笑い
『だって、あの方が帝国の皇太子妃、後の皇后陛下となられるのならばヴェルヘルトはしばらく安泰ですもの。うふふ』
…。怖っ。夫婦揃って恐ろしいんだけど?
和やかに話しながら歩みを進め夫妻の部屋の前までくると
『エレノア、ゆっくり休むんだよ?』
ウィリアムが声を掛けるとエレノアは可憐に微笑み部屋の中に入って行った。
…え?何で?
残された2人は顔を見合わせるもすぐに隣の部屋へと入った。
…ってここ、俺の部屋ね。1人用ね。隣の妃殿下の居る部屋が2人用。それも王族専用だから豪華絢爛ね?で?なんでお前はここにいる?ウィリアム王太子?
『疲れたね。』
爽やかに疲れを表現するウィリアムにテオドールは無視し風呂に入っているといきなりウィリアムも風呂に入って来た!
『ちょっ、ちょっと!どうした?』
慌てるテオドールにウィリアムが
『待ってるの面倒だよ。それに広いから大丈夫じゃない?』
…いやいやそうゆう問題じゃないだろ?
テオドールは泡だらけの体を急いで濯いだ。
『あ~気持ちいいな。』
湯船に浸るウィリアムを睨みつけると
『なに?テオ照れてるの?』
クスクス笑うウィリアムに
…お前に言われたくないけどね?本来お前と風呂に入るのは俺じゃねえしな?
テオドールが湯船に浸かるとウィリアムはシャワーに立った。テオドールの前に広がるウィリアムの下半身。
…全く、宝の持ち腐れかよ
テオドールは思い切り湯船に沈んだ。
…やれやれだよ。全く。
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