愛するということ【完】

mako

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帝国からの招待状

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シンシアから聞いたアミュレット王国第一王女のリネットが帝国皇太子妃になるという話が現実のものとなった。

ある日ヴェルヘルト大王国へ届いた、一通の便り。そこには帝国皇太子アルビオンとアミュレット王国リネットの結婚式の招待状であった。


『エレノア!』

ウィリアムはその書状を手にエレノアを呼ぶ。エレノアは大きな瞳を尚も大きく見開いて招待状を手にした。


『シンシア殿の話しが、現実のものとなったな。』


エレノアは複雑そうに頷いた。
シンシアの言う通り、アミュレット王国には姫しか居ない。そうなると残る第2王女のシンシアがどこからか婿取りをしアミュレットを継ぐ事になる。

その重責をシンシアだけに背負わせる事になるのをエレノアは案じながらそっと後ろに視線を送るとタイミング良くテオドールと目が合う。テオドールは即座にそらした。


…勘弁してくれ。俺は他国の婿取りの旅はご免だ。


『エレノア、そんなに案じる事はないよ。いざとなったらうちからも力を貸す準備はある。』

ウィリアムが微笑みながらテオドールを見るもテオドールは背中でウィリアムの視線を感じながら執務室を出て行った。


…おいおいおい。アミュレットの跡継ぎなんぞしらんがな。

テオドールは急ぎどこへ行く宛も無く、王宮の長い廊下を足早に歩いた。



『ところでハインリはどうした?』

ウィリアムがハロルドに問うとハロルドはぎこちない笑みを浮かべながら

『さあ、どこへ行かれたのでしょう?』


ハロルドは用を思い出したかのように執務室を出てテオドールを追った。


…。


執務室にはヴェルヘルト大王国王太子と王太子妃が仲良く2人で執務に取り掛かった。





『テオ!』


背後からのよく知る声に耳を傾け振り返るとハロルドがテオドールを追って駆け寄ってきた。


『どこへ行く?』


テオドールは不機嫌そうに

『さあな…』


『まあ、待て待て。』

ハロルドに呼び止められるとテオドールは大きくため息をついた。


『ウィルもお前をアミュレットの婿取りの為に旅に出させる事はしないよ。』


『…。どうだかな。』

ご立腹のテオドールにハロルドは


『まぁ、どちらにせよ大丈夫だ。お前が旅に出される事は無いさ。』

自信有りげに話すハロルドはテオドールは不審そうな眼差しで見ていた。




それからテオドールは婿取りの旅に出される事無く、ヴェルヘルト王宮でウィリアムに仕える日々を送っていた。


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