愛するということ【完】

mako

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結婚式にて姉妹の再開

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ヴェルヘルトでは盛大な結婚式を挙げていないが流石は帝国というのもあるが、皇太子であるアルビオンの想い人であるアミュレット王国第1王女リネットとの結婚式という事が大きいのであろう、それはそれは盛大に執り行われた。


エレノアは終始シンシアを探してはいたが、公式の場という事もありなかなかチャンスが巡って来なかった。

ヴェルヘルト大王国王太子夫妻という事で途切れる事なく訪れる各国との挨拶に追われていたのである。


滞りなく式も終え、エレノアは帝国の皇族専用エリアにてリネットと久しぶりの再開となった。


『お姉様、本日はおめでとうございます。』

エレノアが駆け寄るとリネットは美しく微笑むと後ろに立つウィリアムに視線を向けた。

彫刻の様な美しさではあるが、それ故温度を持たない冷たさもある。そのリネットはあからさまにウィリアムを怪訝そうな表情で見た。


…うわぁ、そうなるわな。やはり

テオドールは目線だけ隣のハロルドを見るとハロルドは静かに頷いた。


『この度はおめでとうございます。申し遅れましたが、ヴェルヘルト大王国王太子、ウィリアムです。』


ウィリアムが爽やかな王子スマイルを見せるも
リネットの視線に打ち砕かれる。


…。


『エレノア、貴方のお陰でこの日を迎える事が出来たのね。感謝しているわ。』

リネットは本心から申し訳なさそうに頭を下げた。


『お姉様、何がですか?』


リネットは声を殺して

『あんな非常識な求婚を私に代わって貴女が受けてくれたからに決まってるでしょう?』


エレノアは驚きの表情でこれまたリネットが声を殺して話しているのに

『まぁ、これはお姉様の為ではありませんよ?お姉様が乗り気でなくて助かりましたのは私ですもの!』

大きな声で言い放つ。


…これ、以前も見た光景だよね。

テオドールはアミュレット王国へ嫁取りに行った際の国王とエレノアの会話を思い出し吹き出すのを堪えた。


そんな時、シンシアが遅れて部屋に入ってくると
ヴェルヘルト大王国エリート集団に軽く会釈をしリネットとアルビオンに美しくカーテシーをしながら頭を下げた。


…私だけアミュレット王国を背負わせ…その言葉がエレノアの頭から離れない。それでも流石はアミュレット王国第2王女シンシアはリネットの前まで来ると


『お姉様、おめでとう。』

にっこりと笑う。リネットもまたにっこりと応えた。


リネットは知るはずもないシンシアの心。エレノアはおめでたい日であるのに心が晴れる事は無かった。



エレノアはウィリアムを見ると、ウィリアムも気落ちした表情でエレノアを見つめている。


…お姉様ったら。殿下の気を悪くするような事を言うから


エレノアは申し訳なくウィリアムの視線に苦笑いを送った。


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