愛するということ【完】

mako

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全員集合

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久々にウィリアムとエレノアの執務室に全員そしてシンシアまでも集合となった。


『ですが、ハインリッヒ殿下がアミュレットに入り、ゆくゆくは国王となられるのであれば帝国は窮地になるでしょうね?その上帝国皇太子妃はアミュレット王国のそれも第1王女ですから。』


テオドールが分析しハロルドを見る。


『間違いないな。今でこそヴェルヘルトと帝国は同等の力を有している。その上ヴェルヘルト第2王子がアミュレットを統率するとなれば一気に力に差が出るのは否めない。』


2人の分析にウィリアムは

『アミュレット国王はどのようなお考えなのだろうか。そもそもアミュレットは帝国の属国とはなっていないのは何故だろう。』

ウィリアムのクエスチョンにシンシアは答える。


『それはアルビオン殿下がお姉様にぞっこんだったからですわ。少しでも気に入られる為に我が国に足繁く通ってらしたもの。それにアミュレットは小さいながらも大陸でも指折りの富裕国ですので。』


…そんな事で?

テオドールの考えを読んだようにシンシアは続ける。



『そんな事とお思いですね?そうなのです。そんな事でなのです。帝国皇太子ともあろうお方が視野が完全に狭くなっていらした。まぁ、それもヴェルヘルト王太子が鬼のような上から目線の条件での求婚をして回っているという話から油断をされたのでしょうね。』


流石はエレノアの姉とも言うべきか忖度ない話しぶりにヴェルヘルトエリート集団は黙りこくる。


『流石はシンシア。よく分析ができているよ。私も同感だよ。』

ハインリッヒは無駄な王子スマイルを巻き散らかせながら話す。


…あんたの王子スマイル、今は要らないよ?

テオドールが悩んでいると


『でもまぁ、その油断が国を滅ぼす事もあるのだから結局は皇太子の資質の問題だね。』

ハロルドが辛辣に言い放つ。


『でも帝国皇太子妃は妃殿下の姉上でもございますからね…』


何とも揺れるテオドールにエレノアは


『そこは考えなくてもよろしいですわ。』


…あんた時に冷たいね?


テオドールは心の声を押し込むと


『姉上もアミュレット第1王女です。そこまでを理解して嫁がれたはず。それでもアルビオン皇太子と一緒になりたかったと言う事。真実の愛を求めるお方でしたから。』


…あんた本当におかしくなってた第2王女かい?

あまりの変わりようにテオドールはシンシアをじっと見つめた。


『ある意味羨ましいな…』

小さく呟くウィリアムに一同の視線が一斉に集まると


『それよりアミュレット国王は?』

話をすり替えるも誰もその問には答えられずウィリアムを見る視線が絡まる。


…。



『お父様は何もお考えではないと思います。何せ外交や国力を上げるコトなど微塵もお考えではございませんもの。頭の中は常にアミュレット王国、アミュレットの民のことしか無いですから。でも私はそんな父を尊敬して止みませんわ。』


どうした?アミュレット第2王女…という程の変わりように一同はウィリアムからシンシアへ視線を移り変えた。


シンシアは黙ってウィリアムに向かい目配せをするとウィリアムは苦笑いで軽く頭を下げた。




シンシアがハインリッヒと執務室を出る際、お別れを込めて


『では今後とも宜しくお願いを申し上げます。此度は最大の誤解も解け安心しました。エレノアはおかしくなっておりました私が言うのもなんですが、まだまだ幼き所がございます故ご迷惑をお掛けしております事でしょう。皆さんのお力添えを切にお願いいたします。』

テオドールとハロルドにカーテシーをすると2人は立ち上がり上級の礼を取る。

シンシアはウィリアムに向き直し


『ある意味殿下の拗らせのおかげで紡がれたご縁。心より感謝しております。

エレノアは手強いですが殿下になら安心してお任せできます。どうか可愛い妹なのです。宜しくお願いしますね。そしてヴェルヘルトに賑やかな日常が巡ります様、お祈りしております。』

シンシアはこれまた美しく膝を折ると


『私にとってもハインリは可愛い弟だ。宜しく頼みます。そして先程はありがとう。』

ウィリアムの言葉にテオドールとハロルド、エレノアは不思議そうにするもハインリッヒは

『本音が漏れてたからね。兄上。空気を読む力。自暴自棄に陥ってた過去。何から何まで私にそっくりであろう?』

ウィリアムに言葉を残し2人は執務室を後にした。

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