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久々の語らい
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ローレンス邸にウィリアムとテオドールが慣れた様に屋敷へと歩みを進める。
『にしても相変わらず長いね。ここは。』
ハロルド・ローレンス公爵令息の住むローレンス邸は馬車を降りてからの玄関までの長い道のり。両脇には色とりどりの花が埋め尽くし、いつもクールなハロルドからは想像もできないメルヘンチックな造りになっている。
ようやく見えてきた玄関口にはゾロリと並ぶ使用人たちの姿が小さく見えてきた。
『ウィルが居るからだよ。全く。めんどくせぇ…。俺だけだとこうはならないからね?』
悪態をつくテオドールにウィリアムは
『仕方ないでしょ?王太子だからね』
気にも留めないウィリアムに真っ先に声を掛けるはローレンス公爵邸執事のセバスチャン。
『ようこそおいで下さいました。』
隙なくスマートに案内すると玄関にはローレンス公爵と夫人の姿まである。テオドールは横目でウィリアムを睨みつけながら爽やかなオルコック公爵令息の仮面を装着した。
『皆、あまり仰々しくしないでくれ。となりのテオドールに恨まれるからね』
ウィリアムはニヤリと笑いテオドールを見るも
テオドールも
『何を仰っいますか?殿下が自ら出向かれる来られるのですから、ローレンス邸だけでなくどこの家でもこうですよ』
と言いながらローレンス公爵らに会釈をすると
『そうゆうのいいから。早く』
冷たく言い放つはハロルド・ローレンス。
…いやいやお前もな?我が家に来るとこうやってるぞ?
テオドールはハロルドに心の中で突っ込んだ。
ハロルドの私室に入ると、人払いをし3人だけの時間となる。
『で?ウィルはどうするの?』
ハロルドが既におつまみが用意されているテーブルにグラスを並べながら問うた。
『どうしようかね?』
ウィリアムの言葉にハロルドは
『どうしようかね?じゃないよ。もう迷う余地なくない?』
『エレノアの愛には様々なものがあるからね。私だけでなくハロやテオにもあるだろう?博愛主義的な?』
…。
悩ます2人にテオドールは
『んな事どうでもよくね?ウィルが思う様に動けばいい。』
ハロルドは驚きを見せ
『王太子だからか?それではウィルの求める様にはならなくないか?』
ウィリアムは黙って頷く。
『ダァーめんどくせぇ。妃殿下はウィルの事をお慕いしてるよ。間違いねえ。』
…。
『お前何か隠してるだろう?』
ハロルドの鋭い直感力が働く。
『ハインリッヒ殿下に飼い慣らされてたお前じゃねえよ!』
『別に飼い慣らされてた訳じゃないよ!来る時が来たら話そうと思ってただけだ。現に功を奏したでしょ?それにウィルは始めから気づいてたしね?お前だけだよ知らなかったのは!』
『俺だって…』
『気づいてたか?』
テオドールは出されたグラスに自らワインを注ぎそれを飲み干すと
『無かった…だけどな?俺はウィルの側近だ。人を能無しみたいに言うな!』
黙って聞いていたウィリアムは少し笑みを浮かべ
『テオ、お前は心の声がダダ漏れで分かり易いがハロはね、よく注視しなきゃわからないだけだよ。』
…。
『まぁとにかく、ウィルが妃殿下とまずはお互いの気持ちを話す事だ。後継者はその先に必ずや見えてくる。』
断言するテオドールにハロルドは
『ウィル、こいつなんか隠してる!』
ウィリアムもニヤリと笑い
『隠してるね。』
2人の嫌な笑みを受けるテオドールは
『ダァー、もう知らね~。』
と叫びながらグラスを片手にソファに腰を下ろした。ゾロゾロとついてきてテオドールの正面に2人が腰を下ろした。
…なんか尋問されるみていじゃね?おれ。
『別に隠してた訳じゃない。こうゆう事は第三者が介入することではないからね?』
そう前置きすると、交流会としてエレノアが初めて帝国訪問した時の控室での2人の話を語りだした。
黙って耳を傾けている2人であったが
『テオ、何故夜会の前にそんな話になった?』
『その時はまだ妃殿下との距離があったからね。この跳ねっ返り王女。何考えてんだ?って思ってた。もちろんそのくらいの時はウィルだってそうだったろ?』
『まあね。』
『で、らしくもなく緊張するって言うからそこから話が始まり、機械的な思考回路だなって思って異性への愛は無いのかを確か…聞いたんだ。』
『それで?』
…お前、尋問か?
『俺もあまりに非礼だと詫びたよ?そしたら妃殿下は戸惑う事なく有ると…』
『『あったの!』』
驚いた2人の声が重なる。
『だろ?そう思うよな?だから俺もそのまま思いを吐き出してたよ。』
『そしたら?』
…だからお前はそう詰めるなよ、ハロ。
『尚も育んでるというから、それはウィルに対しての裏切りだと言った。そういう相手が居て結婚するのは珍しくない。だけれど妃殿下になってももまだ想い続けるましてや育んでるとなればな?義務さえ果たせば自由ってそれかい?って思うだろ?』
2人は黙って深く頷いた。
『そしたらな、妃殿下は何故裏切りになるのか?と聞いてきた。』
これにはハロルドも
『厚かましいな…』
ウィリアムは悲しそうに瞳を閉じた。
『だがな、妃殿下は想い人はウィルだと言うんだ』
…!!
驚き瞳を開けるウィリアムと口を開けたままのハロルド。
『訳わからんだろ?そしたら妃殿下は契約違反かしらと案じ出した訳だ。でも人より異性への愛のキャパが少ないから迷惑は掛けない。見返りを求めない。ただ一人で勝手に想うだけでも駄目なのかと…』
『それでお前は?』
…だから待て待て。そう急ぐな。
『それなら大丈夫だと言ったよ。』
『お前、いつからそんなに偉くなったんだ?』
ハロルドは今は自分が側近であるが故、若干の怒りを込めて問うた。
…おいおいそこかよ。
テオドールはグラスのワインを飲み干した。
『ってことは、ウィル。何も悩むことないじゃない?』
ハロルドの言葉にウィリアムは
『テオ驚いた。お前の心の声は無駄な事しかないんだな。肝心な事も心の中で呟けよ…』
ウィリアムにしては辛辣な言葉にテオドールは
『いやいや優秀って事だぞ?そんなハロみたいに分かり易い奴では側近として困るだろ?』
『おい!何も気づいてなかったお前が言うな!』
ハロルドは珍しく声を上げた。ウィリアムは嬉しそうに
『タイプの違う優秀なのが2人も居て私は幸せだね。』
そう言うとウィリアムもグラスのワインを飲み干した。
『にしても相変わらず長いね。ここは。』
ハロルド・ローレンス公爵令息の住むローレンス邸は馬車を降りてからの玄関までの長い道のり。両脇には色とりどりの花が埋め尽くし、いつもクールなハロルドからは想像もできないメルヘンチックな造りになっている。
ようやく見えてきた玄関口にはゾロリと並ぶ使用人たちの姿が小さく見えてきた。
『ウィルが居るからだよ。全く。めんどくせぇ…。俺だけだとこうはならないからね?』
悪態をつくテオドールにウィリアムは
『仕方ないでしょ?王太子だからね』
気にも留めないウィリアムに真っ先に声を掛けるはローレンス公爵邸執事のセバスチャン。
『ようこそおいで下さいました。』
隙なくスマートに案内すると玄関にはローレンス公爵と夫人の姿まである。テオドールは横目でウィリアムを睨みつけながら爽やかなオルコック公爵令息の仮面を装着した。
『皆、あまり仰々しくしないでくれ。となりのテオドールに恨まれるからね』
ウィリアムはニヤリと笑いテオドールを見るも
テオドールも
『何を仰っいますか?殿下が自ら出向かれる来られるのですから、ローレンス邸だけでなくどこの家でもこうですよ』
と言いながらローレンス公爵らに会釈をすると
『そうゆうのいいから。早く』
冷たく言い放つはハロルド・ローレンス。
…いやいやお前もな?我が家に来るとこうやってるぞ?
テオドールはハロルドに心の中で突っ込んだ。
ハロルドの私室に入ると、人払いをし3人だけの時間となる。
『で?ウィルはどうするの?』
ハロルドが既におつまみが用意されているテーブルにグラスを並べながら問うた。
『どうしようかね?』
ウィリアムの言葉にハロルドは
『どうしようかね?じゃないよ。もう迷う余地なくない?』
『エレノアの愛には様々なものがあるからね。私だけでなくハロやテオにもあるだろう?博愛主義的な?』
…。
悩ます2人にテオドールは
『んな事どうでもよくね?ウィルが思う様に動けばいい。』
ハロルドは驚きを見せ
『王太子だからか?それではウィルの求める様にはならなくないか?』
ウィリアムは黙って頷く。
『ダァーめんどくせぇ。妃殿下はウィルの事をお慕いしてるよ。間違いねえ。』
…。
『お前何か隠してるだろう?』
ハロルドの鋭い直感力が働く。
『ハインリッヒ殿下に飼い慣らされてたお前じゃねえよ!』
『別に飼い慣らされてた訳じゃないよ!来る時が来たら話そうと思ってただけだ。現に功を奏したでしょ?それにウィルは始めから気づいてたしね?お前だけだよ知らなかったのは!』
『俺だって…』
『気づいてたか?』
テオドールは出されたグラスに自らワインを注ぎそれを飲み干すと
『無かった…だけどな?俺はウィルの側近だ。人を能無しみたいに言うな!』
黙って聞いていたウィリアムは少し笑みを浮かべ
『テオ、お前は心の声がダダ漏れで分かり易いがハロはね、よく注視しなきゃわからないだけだよ。』
…。
『まぁとにかく、ウィルが妃殿下とまずはお互いの気持ちを話す事だ。後継者はその先に必ずや見えてくる。』
断言するテオドールにハロルドは
『ウィル、こいつなんか隠してる!』
ウィリアムもニヤリと笑い
『隠してるね。』
2人の嫌な笑みを受けるテオドールは
『ダァー、もう知らね~。』
と叫びながらグラスを片手にソファに腰を下ろした。ゾロゾロとついてきてテオドールの正面に2人が腰を下ろした。
…なんか尋問されるみていじゃね?おれ。
『別に隠してた訳じゃない。こうゆう事は第三者が介入することではないからね?』
そう前置きすると、交流会としてエレノアが初めて帝国訪問した時の控室での2人の話を語りだした。
黙って耳を傾けている2人であったが
『テオ、何故夜会の前にそんな話になった?』
『その時はまだ妃殿下との距離があったからね。この跳ねっ返り王女。何考えてんだ?って思ってた。もちろんそのくらいの時はウィルだってそうだったろ?』
『まあね。』
『で、らしくもなく緊張するって言うからそこから話が始まり、機械的な思考回路だなって思って異性への愛は無いのかを確か…聞いたんだ。』
『それで?』
…お前、尋問か?
『俺もあまりに非礼だと詫びたよ?そしたら妃殿下は戸惑う事なく有ると…』
『『あったの!』』
驚いた2人の声が重なる。
『だろ?そう思うよな?だから俺もそのまま思いを吐き出してたよ。』
『そしたら?』
…だからお前はそう詰めるなよ、ハロ。
『尚も育んでるというから、それはウィルに対しての裏切りだと言った。そういう相手が居て結婚するのは珍しくない。だけれど妃殿下になってももまだ想い続けるましてや育んでるとなればな?義務さえ果たせば自由ってそれかい?って思うだろ?』
2人は黙って深く頷いた。
『そしたらな、妃殿下は何故裏切りになるのか?と聞いてきた。』
これにはハロルドも
『厚かましいな…』
ウィリアムは悲しそうに瞳を閉じた。
『だがな、妃殿下は想い人はウィルだと言うんだ』
…!!
驚き瞳を開けるウィリアムと口を開けたままのハロルド。
『訳わからんだろ?そしたら妃殿下は契約違反かしらと案じ出した訳だ。でも人より異性への愛のキャパが少ないから迷惑は掛けない。見返りを求めない。ただ一人で勝手に想うだけでも駄目なのかと…』
『それでお前は?』
…だから待て待て。そう急ぐな。
『それなら大丈夫だと言ったよ。』
『お前、いつからそんなに偉くなったんだ?』
ハロルドは今は自分が側近であるが故、若干の怒りを込めて問うた。
…おいおいそこかよ。
テオドールはグラスのワインを飲み干した。
『ってことは、ウィル。何も悩むことないじゃない?』
ハロルドの言葉にウィリアムは
『テオ驚いた。お前の心の声は無駄な事しかないんだな。肝心な事も心の中で呟けよ…』
ウィリアムにしては辛辣な言葉にテオドールは
『いやいや優秀って事だぞ?そんなハロみたいに分かり易い奴では側近として困るだろ?』
『おい!何も気づいてなかったお前が言うな!』
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