愛するということ【完】

mako

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アミュレットの日常

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ヴェルヘルト第2王子ハインリッヒ・ヴェルヘルトとアミュレット王国第2王女シンシア・アミュレットの婚約が大陸を駆け巡った。


ヴェルヘルト第2王子ハインリッヒ。
帝国皇太子妃の妹、シンシア。

名実ともに知らない者は居ないであろう2人の婚約は尾びれ背びれがプラスされ穿った見方の見出しを付けるゴシップ記事まで出回るようになった。


既にアミュレットに入って執務を行うハインリッヒはすぐに頭角を表しアミュレット王を驚愕させたのである。


王はすぐに王妃とともに離宮に引っ込むと、各国を招待する2人の結婚式にハインリッヒを後継者として指名し自らは離宮から離れ田舎で隠居生活を送るとの事であった。


『シンシア、義父上はよいのであろうか?あまりにあっさりと隠居されるから、ヴェルヘルトに気を使ってるのではないか?もしかしたら…』


ハインリッヒは途中で話しを有耶無耶にした感が否めない。すかさずシンシアは

『もしかしたら何ですの?』


…。


『教えて差し上げますわ。殿下は、もしかして、ヴェルヘルトへの亡命未遂を起こした頭の弱い姫の為に小さくなっておられるのでは?と言いたいのですね?』


ハインリッヒは小さく笑い


『そこまでは言わないよ?それに亡命未遂っていいね?それ。』


『…。とにかく、お父様は殿下の仕事ぶりを見て自分よりも数倍力があると思って引っ込む事にしたのよ。そもそもアミュレットは愛の国。お母様と一緒に執務も無くのんびりイチャコラできるのだもの。そりゃ嬉しくて小躍りしてるわよ。きっと。』


シンシアはそう言うと小躍りしてみせた。


ハインリッヒはしばし呆然と眺めながら

『シンシア、アミュレットの姫は最高だね。私の知る令嬢とはまるで異なる生き物だよ。』


…。見世物じゃないわ!


シンシアは軽く咳払いをしてから


『貴方の知る令嬢とは?』



シンシアは真面目に問うた。


『う~ん。貴族令嬢だから誰でも王子に媚びへつらうだろ?それはそれで社交界で生き抜く術だからね否定はしないし、それを良しとする者もいるからね。だけど私はそれがつまらなかった。贅沢だけどね?』



シンシアは頷きながら


『本当贅沢な話しだわ。っていうか見ました?』

ハインリッヒは反射的に


『何を?』


安定の王子スマイルで返すとシンシアは

『王子スマイルを巻き散らかしてる場合じゃないわ!見てこの記事!』


大陸を賑やかせているもっぱらの旬の話題。

2人の婚約がケチョンケチョンに書かれているのだ。


『シンシア、こんなの気にするの?』


『だって、酷いと思わない?この写真なんて私がビューティオーラを消している時のものよ?ブサイクに写ってるもの。言ってくれたらもう1回撮らせてあげたわよ?』


本気モードで起こるシンシアにハインリッヒは愛おしそうに見つめると


『分かった分かった。じゃあこっちにおいで?』

両手を広げて見せるとシンシアは借りてきた猫のように大人しくなり恐る恐るハインリッヒの腕の中に収まるのだ。これは何度経験しても慣れないのである。



『ねえ、シンシア?沢山の子どもに囲まれて賑やかな王宮にするんだよね?』

シンシアはハインリッヒの腕の中でハインリッヒを見上げて、コクリと頷く。


『ならさ、もう少し頑張らないとね?』

ハインリッヒはそう言うとシンシアを抱きしめ頭を撫でた。







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