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メープル王国夜会
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結婚式の後の夜会には、メープル王国とロマニア王国の属する帝国皇帝が参加するとの事で盛大な規模となっていた。
忙しく動くレイモンドにロマニア王国側近のフレディックが声を掛けた。
『レイモンド殿、我が国もアレクセイ殿下にご挨拶を申し上げる時間はあるか?』
レイモンドに必要以上の手間を掛けたくないフレディックなりの配慮である。
『フレディック殿、ご配慮痛み入る。大丈夫ですよ。』
お互い側近としてのプライドはあるものの、同じ悩みも持ち合わせる2人の会話は無駄が無くスマートなものである。
フレディックは声を落し
『その‥女狐、いや王太子妃は大丈夫なのか?』
耳元で問うと
『大丈夫と思うか?』
レイモンドの返しにフレディックは
『だわな‥』
思わず手を合わせたくなる表情でレイモンドを見つめ、
『お察しします‥』
『お前が言うな!』
2人は笑い合い通常モードに戻っていく。
『では!』
レイモンドが会場に戻ると鮮やかなピンクのドレスにきらびやかな宝石を惜しみなく付け微笑んでいるメープル王国王太子妃が目に入る‥その隣には婚約者の瞳の色に身を包むステファニー嬢とレオナルド国王が挨拶をしている。
そして皇帝までも一緒に歓談していた。
レオナルドは急ぎその場に控えると既に向こう側にはフレディックが控えていた。
『アレク、お前の妃はステファニーではなかったのか?』
この場で何を!困惑する周りを気にすることなく続ける。
『いい名付けと聞いていたからこそ、私は諦めていたのに、気づいたらステファニーはレオナルドと婚約しているし、どうなってるのさ。』
悪びれる訳もなく通常モードで聞いてくる。
『私の力不足‥』
ステファニーの声に被せる様にアレクセイは
『私の力不足です!』
ステファニーに視線を流しアレクセイは答える。
そんな2人の空気をぶち破るかの様に
『アレクの心変わりですの。アレクが真実の愛の私と出会ってしまい』
ヴィクトリアの声を遮るように皇帝は
『で?レオナルドなのか?』
レオナルドは苦笑いで
『頂きました(笑)』
『お前!お前は昔からそうだな。本当嫌な奴だよ』
3人の男たちは大きく笑い昔を懐かしんでいた。
その横ではヴィクトリアはステファニーに勝ち誇った様に
『ごめんなさいね、悪気は無かったのよ。ただね、アレクがね、ほら?真実の愛とやらで私と出会ってしまってね。私も苦しんでいたのよ。』
『とんでもない事でございますわ。ヴィクトリア様が殿下をお支えしこの国の繁栄を心から切望しております。私はメープル王国が祖国ですもの。』
控えめな笑顔に側近一同、ノックアウト。
正確に言えば、昔懐かしむ男3人も同じくノックアウト。
『レオナルド、お前分かっておるな?』
真面目に問う皇帝にレオナルドは最上級の礼を取る。
しばらくすると、メープル王国バーナディン公爵がアレクの元にやってきた。
『殿下、よろしいですか?』
アレクセイに耳打ちをする。アレクセイは短く
『分かった』
と答え
『今日はありがとうございます。ではゆっくりお楽しみ下さい』と礼を取り、公爵とともに戻っていった。
バーナディン公爵。彼はこの国の重鎮であり、ステファニーの父親でもある。そのバーナディン公爵は娘に視線を送る事なく戻って行った。
レオナルド始めここにいる皆が、正確にはヴィクトリア以外はステファニーを案じていたが、当の本人はケロッとしている。
ステファニーはレオナルドに耳打ちする。
『殿下、ロマニア王国王妃は夜会での食事はNGですか?』
目を輝かせるステファニーにレオナルドは、ようやく意味を理解し
『全く問題無い。では私も一緒に頂くとするか』
ステファニーは溢れんばかりの笑顔で喜んだ。
2人はテーブルに向うと、ロマニア王国側近らも続き、そこに残されたのはレイモンドとヴィクトリアだけであった。
『メープル王国王太子妃は夜会でお食事できないの?』
首を傾げるヴィクトリアにレイモンドは冷めた目を向け、放置しアレクセイの元に急いだ。
残されたヴィクトリアは目の前のスイーツを頬張るとこれまた幸せそうに微笑んだ。
忙しく動くレイモンドにロマニア王国側近のフレディックが声を掛けた。
『レイモンド殿、我が国もアレクセイ殿下にご挨拶を申し上げる時間はあるか?』
レイモンドに必要以上の手間を掛けたくないフレディックなりの配慮である。
『フレディック殿、ご配慮痛み入る。大丈夫ですよ。』
お互い側近としてのプライドはあるものの、同じ悩みも持ち合わせる2人の会話は無駄が無くスマートなものである。
フレディックは声を落し
『その‥女狐、いや王太子妃は大丈夫なのか?』
耳元で問うと
『大丈夫と思うか?』
レイモンドの返しにフレディックは
『だわな‥』
思わず手を合わせたくなる表情でレイモンドを見つめ、
『お察しします‥』
『お前が言うな!』
2人は笑い合い通常モードに戻っていく。
『では!』
レイモンドが会場に戻ると鮮やかなピンクのドレスにきらびやかな宝石を惜しみなく付け微笑んでいるメープル王国王太子妃が目に入る‥その隣には婚約者の瞳の色に身を包むステファニー嬢とレオナルド国王が挨拶をしている。
そして皇帝までも一緒に歓談していた。
レオナルドは急ぎその場に控えると既に向こう側にはフレディックが控えていた。
『アレク、お前の妃はステファニーではなかったのか?』
この場で何を!困惑する周りを気にすることなく続ける。
『いい名付けと聞いていたからこそ、私は諦めていたのに、気づいたらステファニーはレオナルドと婚約しているし、どうなってるのさ。』
悪びれる訳もなく通常モードで聞いてくる。
『私の力不足‥』
ステファニーの声に被せる様にアレクセイは
『私の力不足です!』
ステファニーに視線を流しアレクセイは答える。
そんな2人の空気をぶち破るかの様に
『アレクの心変わりですの。アレクが真実の愛の私と出会ってしまい』
ヴィクトリアの声を遮るように皇帝は
『で?レオナルドなのか?』
レオナルドは苦笑いで
『頂きました(笑)』
『お前!お前は昔からそうだな。本当嫌な奴だよ』
3人の男たちは大きく笑い昔を懐かしんでいた。
その横ではヴィクトリアはステファニーに勝ち誇った様に
『ごめんなさいね、悪気は無かったのよ。ただね、アレクがね、ほら?真実の愛とやらで私と出会ってしまってね。私も苦しんでいたのよ。』
『とんでもない事でございますわ。ヴィクトリア様が殿下をお支えしこの国の繁栄を心から切望しております。私はメープル王国が祖国ですもの。』
控えめな笑顔に側近一同、ノックアウト。
正確に言えば、昔懐かしむ男3人も同じくノックアウト。
『レオナルド、お前分かっておるな?』
真面目に問う皇帝にレオナルドは最上級の礼を取る。
しばらくすると、メープル王国バーナディン公爵がアレクの元にやってきた。
『殿下、よろしいですか?』
アレクセイに耳打ちをする。アレクセイは短く
『分かった』
と答え
『今日はありがとうございます。ではゆっくりお楽しみ下さい』と礼を取り、公爵とともに戻っていった。
バーナディン公爵。彼はこの国の重鎮であり、ステファニーの父親でもある。そのバーナディン公爵は娘に視線を送る事なく戻って行った。
レオナルド始めここにいる皆が、正確にはヴィクトリア以外はステファニーを案じていたが、当の本人はケロッとしている。
ステファニーはレオナルドに耳打ちする。
『殿下、ロマニア王国王妃は夜会での食事はNGですか?』
目を輝かせるステファニーにレオナルドは、ようやく意味を理解し
『全く問題無い。では私も一緒に頂くとするか』
ステファニーは溢れんばかりの笑顔で喜んだ。
2人はテーブルに向うと、ロマニア王国側近らも続き、そこに残されたのはレイモンドとヴィクトリアだけであった。
『メープル王国王太子妃は夜会でお食事できないの?』
首を傾げるヴィクトリアにレイモンドは冷めた目を向け、放置しアレクセイの元に急いだ。
残されたヴィクトリアは目の前のスイーツを頬張るとこれまた幸せそうに微笑んだ。
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