婚約破棄から始まる物語【完】

それぞれの愛【完】

アレクセイとステファニーの婚約破棄から始まり、たくさんの愛の形が出来上がりつつある。

ロマニア王国ではレオナルド国王とステファニー王妃。お人形であったステファニーを見事なまでの王妃へと変貌させたレオナルド。

レオナルドの幼なじみでもあるフレディックは長年の同士を伴侶としメアリーとはドキドキは無いものの信頼関係を重ねて揺るぎ無い愛を構築している。


メープル王国では、ステファニーを失い自らの愚かさを身にしみて感じ、政略結婚ではあるがアナスタージアと出会い紆余曲折の後正妃として迎えることが出来、愛とは何だと目下身を持って学んでいる。

アレクセイの側近、レイモンドは素直に受け入れられない政略結婚であったが、シルビアの真の姿を目の当たりにし、失う前に手に入れる事が出来た喜びを忘れず、すっかり愛妻家となっていた。


大陸の頂点に君臨する皇帝もまた真実の愛により結ばれ、容姿ではなく中身を愛しいつしか、その容姿さえも愛おしく愛する様になっていた。


愛のかたちはそれぞれであるが、２人の満たされた心がやがては民への愛となり、立派な統率者となるのは間違いない。


こうして皇帝率いる大陸には愛に溢れた王国が数多く存在し繁栄を今も尚続けている。