俺を好きになるな、お前を愛していない、極道の目覚めた独占欲

第六章 蓮也の葛藤

④

加子は蓮也の側にいることを強要された。

嬉しいはずなのに、なぜか心から喜べない。

蓮也は極道だ。

危険と隣り合わせの世界で生きている。

無鉄砲で、危ない男だ。

そんなことはわかっていたのに、この惹かれる気持ちをどうすることも出来ない自分がいた。

林田も加子に対して執着して、愛している気持ちはない。

もはや、蓮也に対する敵対する気持ちが大きい。

蓮也も加子を監禁同然に扱っていた。

「加子、俺の側から離れるな、他の男に抱かれることは許さねえ」

一週間も平気で帰ってこなかったり、寂しかったら若林に抱いてもらえって

言ったりしていた人とは思えない変わりようだ。

でも、加子を愛してる、好きだとは一言も言ってくれない。

まるで所有物のようだ。

加子は愛されてる実感が欲しかった。

「蓮也さん、どこか連れて行ってください」

「馬鹿か、お前は、外に連れ出すのは、俺の女だと言ってるようなもんだろう、
そんねこと出来るか」