43 / 111
第八章 廉也との別れ
みゆ、どうして電話に出ないんだ
しおりを挟む
その頃、私は東京を離れていた。
貯金を全部おろして、気ままな一人旅。
そうだ、龍司さんに連絡してない、アパートに居なくて心配してるかな?
そう、龍司はみゆがアパートを引き払ったことに動揺を隠せず、みゆを捜していた。
そして廉也のマンションにたどり着いた。
「すみません、ちょっとお尋ねしますが、こちらに桂木廉也さんはお住まいでしょうか」
「失礼ですが、どちら様でしょうか?個人情報なのでお答え出来かねますが……」
「橘不動産社長の橘 龍司と申します、みゆ、いえ、立木みゆさんを捜しています、桂木さんのマンションにお住まいと伺ったのですが……」
コンシェルジュの横尾さんに名刺を渡した。
「桂木様はお住まいです、しかし出張中のため留守にしております、みゆ様の事は桂木様に伺ってからでないと、お答え出来かねます」
「そうですか、わかりました、いつお戻りでしょうか」
「一週間ほどで戻るとお聞きしております」
「ありがとうございました、また出直して来ます」
龍司は廉也のマンションを後にした。
(今夜私がスマホに出なかったら、廉也さんは心配するだろうな、でももう廉也さんとは会わないんだから、連絡取れない方がいいよね、廉也さんに会えないと寂しい)
涙が溢れて止まらなかった。
その夜、俺はスマホを手に取り、みゆに電話をかけた。
しかし何回コールしてもみゆは出ない、そのうち留守電に切り替わる。
俺は何回も試していた。
「みゆ、どうしたんだ、なんで出ない」
急に不安になり、俺はコンシェルジュの横尾に連絡した。
「桂木だが」
「桂木様、どうされたのでしょうか」
「忙しいところ悪いが、みゆがスマホに出ないんだ、もう会社から戻ってるだろ?」
「みゆ様でしたらご旅行に行かれましたが、お聞きになっていませんでしたか」
「旅行?」
「はい、桂木様が出張中なので、有給を取ってお友達とご旅行にお出かけになりました」
「そうか、行き先は何処だって?」
「行き当たりばったりとおっしゃってました」
「悪いが、俺の部屋に行って、みゆのスマホが置きっぱなしか確認してくれ」
「かしこまりました、少々お待ち下さい」
しばらくして横尾は俺の部屋に置きっぱなしのみゆのスマホを確認した。
「桂木様、みゆ様のスマホは置いてあります」
「そうか、出ないはずだな」
「あのう、余計な事かもしれませんが、気になることが……」
「なんだ、構わないから言ってくれ」
「みゆ様はカードキーを私に預けてお出かけになりました、旅行中無くすといけないからとおっしゃって……」
「そうか」
「それから橘不動産社長橘龍司様がみゆ様を訪ねて来られて、桂木様にお伺いをしてからとお伝えしました、また出直してくるとおっしゃってました」
俺の脳裏に不安が過った。
旅行ではなく、俺の元を去ったってことか。
「横尾、いろいろとすまなかったな」
「とんでもございません」
俺は横尾との電話を切った。
貯金を全部おろして、気ままな一人旅。
そうだ、龍司さんに連絡してない、アパートに居なくて心配してるかな?
そう、龍司はみゆがアパートを引き払ったことに動揺を隠せず、みゆを捜していた。
そして廉也のマンションにたどり着いた。
「すみません、ちょっとお尋ねしますが、こちらに桂木廉也さんはお住まいでしょうか」
「失礼ですが、どちら様でしょうか?個人情報なのでお答え出来かねますが……」
「橘不動産社長の橘 龍司と申します、みゆ、いえ、立木みゆさんを捜しています、桂木さんのマンションにお住まいと伺ったのですが……」
コンシェルジュの横尾さんに名刺を渡した。
「桂木様はお住まいです、しかし出張中のため留守にしております、みゆ様の事は桂木様に伺ってからでないと、お答え出来かねます」
「そうですか、わかりました、いつお戻りでしょうか」
「一週間ほどで戻るとお聞きしております」
「ありがとうございました、また出直して来ます」
龍司は廉也のマンションを後にした。
(今夜私がスマホに出なかったら、廉也さんは心配するだろうな、でももう廉也さんとは会わないんだから、連絡取れない方がいいよね、廉也さんに会えないと寂しい)
涙が溢れて止まらなかった。
その夜、俺はスマホを手に取り、みゆに電話をかけた。
しかし何回コールしてもみゆは出ない、そのうち留守電に切り替わる。
俺は何回も試していた。
「みゆ、どうしたんだ、なんで出ない」
急に不安になり、俺はコンシェルジュの横尾に連絡した。
「桂木だが」
「桂木様、どうされたのでしょうか」
「忙しいところ悪いが、みゆがスマホに出ないんだ、もう会社から戻ってるだろ?」
「みゆ様でしたらご旅行に行かれましたが、お聞きになっていませんでしたか」
「旅行?」
「はい、桂木様が出張中なので、有給を取ってお友達とご旅行にお出かけになりました」
「そうか、行き先は何処だって?」
「行き当たりばったりとおっしゃってました」
「悪いが、俺の部屋に行って、みゆのスマホが置きっぱなしか確認してくれ」
「かしこまりました、少々お待ち下さい」
しばらくして横尾は俺の部屋に置きっぱなしのみゆのスマホを確認した。
「桂木様、みゆ様のスマホは置いてあります」
「そうか、出ないはずだな」
「あのう、余計な事かもしれませんが、気になることが……」
「なんだ、構わないから言ってくれ」
「みゆ様はカードキーを私に預けてお出かけになりました、旅行中無くすといけないからとおっしゃって……」
「そうか」
「それから橘不動産社長橘龍司様がみゆ様を訪ねて来られて、桂木様にお伺いをしてからとお伝えしました、また出直してくるとおっしゃってました」
俺の脳裏に不安が過った。
旅行ではなく、俺の元を去ったってことか。
「横尾、いろいろとすまなかったな」
「とんでもございません」
俺は横尾との電話を切った。
0
あなたにおすすめの小説
冷酷総長は、彼女を手中に収めて溺愛の檻から逃さない
彩空百々花
恋愛
誰もが恐れ、羨み、その瞳に映ることだけを渇望するほどに高貴で気高い、今世紀最強の見目麗しき完璧な神様。
酔いしれるほどに麗しく美しい女たちの愛に溺れ続けていた神様は、ある日突然。
「今日からこの女がおれの最愛のひと、ね」
そんなことを、言い出した。
不埒な一級建築士と一夜を過ごしたら、溺愛が待っていました
入海月子
恋愛
有本瑞希
仕事に燃える設計士 27歳
×
黒瀬諒
飄々として軽い一級建築士 35歳
女たらしと嫌厭していた黒瀬と一緒に働くことになった瑞希。
彼の言動は軽いけど、腕は確かで、真摯な仕事ぶりに惹かれていく。
ある日、同僚のミスが発覚して――。
『冷徹社長の秘書をしていたら、いつの間にか専属の妻に選ばれました』
鍛高譚
恋愛
秘書課に異動してきた相沢結衣は、
仕事一筋で冷徹と噂される社長・西園寺蓮の専属秘書を務めることになる。
厳しい指示、膨大な業務、容赦のない会議――
最初はただ必死に食らいつくだけの日々だった。
だが、誰よりも真剣に仕事と向き合う蓮の姿に触れるうち、
結衣は秘書としての誇りを胸に、確かな成長を遂げていく。
そして、蓮もまた陰で彼女を支える姿勢と誠実な仕事ぶりに心を動かされ、
次第に結衣は“ただの秘書”ではなく、唯一無二の存在になっていく。
同期の嫉妬による妨害、ライバル会社の不正、社内の疑惑。
数々の試練が二人を襲うが――
蓮は揺るがない意志で結衣を守り抜き、
結衣もまた社長としてではなく、一人の男性として蓮を信じ続けた。
そしてある夜、蓮がようやく口にした言葉は、
秘書と社長の関係を静かに越えていく。
「これからの人生も、そばで支えてほしい。」
それは、彼が初めて見せた弱さであり、
結衣だけに向けた真剣な想いだった。
秘書として。
一人の女性として。
結衣は蓮の差し伸べた未来を、涙と共に受け取る――。
仕事も恋も全力で駆け抜ける、
“冷徹社長×秘書”のじれ甘オフィスラブストーリー、ここに完結。
財閥御曹司は左遷された彼女を秘めた愛で取り戻す
花里 美佐
恋愛
榊原財閥に勤める香月菜々は日傘専務の秘書をしていた。
専務は御曹司の元上司。
その専務が社内政争に巻き込まれ退任。
菜々は同じ秘書の彼氏にもフラれてしまう。
居場所がなくなった彼女は退職を希望したが
支社への転勤(左遷)を命じられてしまう。
ところが、ようやく落ち着いた彼女の元に
海外にいたはずの御曹司が現れて?!
契約結婚のはずなのに、冷徹なはずのエリート上司が甘く迫ってくるんですが!? ~結婚願望ゼロの私が、なぜか愛されすぎて逃げられません~
猪木洋平@【コミカライズ連載中】
恋愛
「俺と結婚しろ」
突然のプロポーズ――いや、契約結婚の提案だった。
冷静沈着で完璧主義、社内でも一目置かれるエリート課長・九条玲司。そんな彼と私は、ただの上司と部下。恋愛感情なんて一切ない……はずだった。
仕事一筋で恋愛に興味なし。過去の傷から、結婚なんて煩わしいものだと決めつけていた私。なのに、九条課長が提示した「条件」に耳を傾けるうちに、その提案が単なる取引とは思えなくなっていく。
「お前を、誰にも渡すつもりはない」
冷たい声で言われたその言葉が、胸をざわつかせる。
これは合理的な選択? それとも、避けられない運命の始まり?
割り切ったはずの契約は、次第に二人の境界線を曖昧にし、心を絡め取っていく――。
不器用なエリート上司と、恋を信じられない女。
これは、"ありえないはずの結婚"から始まる、予測不能なラブストーリー。
冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話
水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。
相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。
義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。
陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。
しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。
皇后陛下の御心のままに
アマイ
恋愛
皇后の侍女を勤める貧乏公爵令嬢のエレインは、ある日皇后より密命を受けた。
アルセン・アンドレ公爵を籠絡せよ――と。
幼い頃アルセンの心無い言葉で傷つけられたエレインは、この機会に過去の溜飲を下げられるのではと奮起し彼に近づいたのだが――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる