俺に抱かれる覚悟をしろ〜俺様御曹司の溺愛

ラヴ KAZU

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第二十ニ章 廉也の足が動かない

廉也の意識が戻った

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みゆは片時も離れず、廉也の手を握って語りかけた。

「廉也さん、覚えていますか、休憩室で出会ったときの事、まさか社長だなんてわからなくて、たばこを吸っている廉也さんを注意しちゃいましたね、それに一年前から私を好きだったなんて、驚きました」

みゆはじっと廉也を見つめた。

「あ、そうそう、赤ちゃんの名前考えないといけないですね、女の子と男の子と」

みゆはどんなことが起きようとこの子を生み、育てようと決意を新たにした。

握っていた廉也の手がぴくっと動いた感じがした。
「廉也さん、廉也さん」

しかし、それから全く動かなくなった。

(焦っちゃ駄目よね)

慣れない病院での生活に、疲れが出始めたみゆは、廉也の手を握りながら、うとうとと

居眠りをしてしまった。

廉也はとぼとぼと知らない道を歩いていた。

(ここは何処だ)

「廉也さん、廉也さん」

声のする方へ振り向くと、みゆが自分を呼んでいる。

「みゆ、みゆ」

でもいくら手を伸ばしても、足を前に進めようとしても、全くみゆとの距離は縮まらない。

廉也は思いっきり手を伸ばしてみゆの手を掴んだ。

目を開けると天井が見えて、全身が痛い。

目線だけを動かして、左側にみゆが見えた。

大きく深呼吸をしてみゆの名前を叫んだ。

「み ゆ」

みゆは自分が呼ばれたことに気づいて、顔を上げた。

ずっと眠ったままだった廉也が、目を開けてみゆを見ていた。
「廉也さん、わかりますか、みゆです」

廉也はゆっくりと頷いた。
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