夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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第四章 君は誰?

私を覚えていない彼

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私が叶えたかった夢がすべて叶った。
彼が現れて、大好きになって、大好きって思われて、こんな幸せは二度とないなあ~。
彼が目を覚ました時、私の存在を忘れていたら、私を愛してくれた彼の元へ行こう、奇跡は二度起きないと思うから・・・
 手術は無事成功し、彼が目を覚ました。
先生が診察をした、自分の名前と仕事は覚えている、しかし・・・
「麻生さん、手術は希望されていなかったのですが、昏睡状態になり、緊急手術の運びとなりました、ご家族さまの同意が必要な為奥様に同意いただきました」
「俺の妻?」
「はい」
「先生、俺は結婚してないですよ」
「一年前にご結婚されたと報告を受けていますよ」
先生から病室へ入るように言われ、私は彼と対面した。
「お二人で少しお話してみてください」
彼は暫く私をみて、言葉を発した。
「すみません、あなたの事を覚えてないです」
想定内の出来事に驚きは無かった。
「大丈夫です、お気になさらないでください」
「お名前お聞きしてもいいですか」
「あゆみです」
それから何を話していいか分からず、沈黙が続いた。
 暫く彼は入院を余儀なくされ、私は彼の側にいる事が出来た。
着替えや入院に必要なものをマンションから持ってくるなど、私にしか出来ない事がありちょっと嬉しかった。

 彼がマンションからパソコンを持ってきてほしいと言った。
病室へパソコンを持ってくると、彼はパスワードを入れてパソコンを開こうとした。
「あれ、開かないなあ~パスワード変えてないけどなあ~」
そんな彼の様子を見て私は彼に伝えた。
「あのう、パスワード半年くらい前に変更していましたよ」
「何に変更したのだろう」
暫く心当たりのパスワードを入れたが開かない。
「あのう、あゆみさん、俺のパソコンのパスワードなんて知らないですよね」
「知っています、変更したときに、覚えておいてと頼まれましたから」
「そうなんだ」
「私の誕生日、八月十日です」
彼は不思議そうに、パスワードを入れた。
パソコンが開いた。
「あっ、開いた」
「よかったですね」
彼は暫く私を見つめて、そして話かけた。
「なんで、あゆみさんの誕生日?」
「よく分からないですけど、パソコンいつでも見ていいよって言われました、隠し事ないからって、でも見てないですよ」
私の言葉に納得いかない様子で考えていた
彼は検査をしたり、術後の経過観察をしたりと、一ヶ月ほど入院は続いた。
その間、彼との時間を過ごす事が出来た。
彼は退院が決まり、普通の生活は出来るし仕事も先生から許可を得る事が出来た。
ただ違う事は私の記憶はない。
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