夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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第五章 流産

俺があゆみを支えるよ

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 彼は仕事を再開した。
でも相変わらず、彼がベッドで眠る時は、一緒に添い寝をする。
最近は手を握って眠るだけじゃなく、私を腕枕して抱きしめる。
私抱き枕じゃないけど・・・
 彼は、仕事から戻るとシャワーを浴びて、食事を済ませ、ベッドで眠る。
「あゆみ、寝よう」
そう言って私はいつも呼ばれる。
完全に私って彼の安定剤だなあ~
なんか複雑な気持ちを抱えて、彼のベッドへ向かう。
「あゆみ、早く」
「はい、今行きます」
彼の腕枕で添い寝をする、でもこの日は何か違っていた、彼が私をじっと見つめている
えっ、何?なんでずっと見つめているの?
私は彼から目を反らした。
次の瞬間、私の頬を撫でるようにして、私の顎を上に向かせた。
彼の唇が私の唇を塞いだ。
えっ、キス?なんで?
でも、久しぶりの感触に抵抗出来ない私がいた。
「おやすみ」
なんだ、おやすみのキス?
だよね、でも普通は、頬にするのに・・・
まっいいか、私にしてみればラッキーって感じだから・・・
 彼はぐっすり眠れるようになった、彼が睡眠を取る時間添い寝して、彼が仕事へ出掛けると私は爆睡した。
 ある日の彼の帰宅時間に、私は起きられなかった。
私の寝室へ入ってきた彼は、私の寝顔を見て何を思ったのか私にキスをした。
それに気づかないほど、寝入っていた。
 彼の仕事は順調で売り上げが伸びていた。
そして添い寝が必要無くなった。
「あゆみ、もう大丈夫だから、今までありがとうね」

「いいえ」
「何が何処にあるかわかるようになった、
今まで、覚えていられなかったけど・・・」
「よかったですね」
この時、私の役目は終わったと思った。
もう、私いなくても大丈夫・・・
 そんな私に追い打ちをかけるような事が起きた。
急にお腹が痛くなり、出血していたので、産婦人科へ向かった。
流産だった。
暫く入院することになり、病院から連絡を受けた彼もすぐ駆けつけてくれた。
これで私の役目はすべて終わったと思った。
彼の記憶から消え、彼にとって必要が無くなり、彼の子供を流産してしまった。
彼の側にいる理由が無くなったのである。
「あゆみ、大丈夫?」
「ごめんなさい、子供いなくなっちゃいました」
「謝る事じゃないから、あゆみが無事でよかった」
彼は優しく微笑みかけてくれた。
「もう、私が麻生さんの側にいる理由が無くなったので、離婚してください、そして大好きな女性と結婚してください」
私は自分の気持ちをすべて彼に話した。
彼は思いもよらぬ事を口にした。
「あゆみは、今の俺の事好き?」
「大好きです」
「あゆみの御蔭で、術後の後遺症も克服出来て、仕事復帰も出来て、感謝している、今度は俺があゆみの側にいて、あゆみを支える」
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