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第七章 私を覚えていない彼
記憶がない?触れてはいけないことを言ってしまったの?
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「どうぞ」
「ありがとうございます」
私は彼の車に乗り込んだ、久しぶりの彼の車、一年前と何も変わらなかった。
しばらく車を走らせると、山と緑に囲まれた景色が広がって来た。
「彼氏いないって言っていたけど、ご主人はいるってことだよね」
「えっ?どうしてですか」
急な彼の言葉にビクッと身体が反応してしまった。
「だってあゆみさん、左手のくすり指に指輪をしているから」
あっ、私は咄嗟に指輪を隠した、でももう遅い、今更隠しても気づかれた後ではどう説明したらいいか、頭の中が真っ白になり対応出来なかった。
俺と別れて一年経つのにまだ指輪しているのって言われているような気がした。
いい加減外して欲しいって意味かな?
でも彼の口から予想を遥かに超えた言葉を聞かされた。
「ご主人羨ましいな、あゆみさんに愛されてでも、もしそうじゃないなら俺で良ければ相談に乗るよ」
「初対面なのに優しくされると期待しちゃいますよ」
ちょっと彼を困らせる事を言ってしまった彼がどういうつもりでこんな事を言ったのか理解出来なかったから・・・
でも彼は輪をかけて信じられない事を言った。
「いいよ、ご主人から奪いたいから」
心臓の鼓動がバクバク音を立てて、身体が熱くなるのを感じた。
「やだ、麻生さんホストだからお得意のセリフですか?」
「俺は店の常連客以外は本気じゃないと言わないよ」
えっ、どういう事?もうわからない、なんか怒りにも似た感情がこみ上げて来た。
私は触れてはいけない事を彼に言ってしまった。
「からかわないでください」
「からかってないよ、あゆみさんを口説いているのさ」
「口説いている?一年前に別れたのに?」 「えっどう言う事、俺達初対面じゃないの」
「もう初対面の振りはやめて。凌がどう言うつもりで私に連絡して来たのかわからないけど、私は過去の事と割り切って接しようと決めたのに、相談に乗るとか、口説いているとかいい加減にして、この一年私がどんな思いで過ごしてきたかわからないでしょ?凌のこと忘れなくちゃ、忘れなくちゃ、でも忘れられなくて・・・」
もう涙が溢れて止まらなかった。
「ごめん、全く記憶がない、でもいい加減な気持ちじゃない」
えっ、もしかして、私の記憶がない?
私なんて事を彼に言ってしまったのだろう
この事を想定して私の事を気遣って別れた。
彼が私に連絡して来たのは本当に偶然?
彼の中で私は初対面のフラワーショップの店長?
「ごめんなさい、私が言った事忘れてください、もう帰ります」
私は車から降りて歩き出した。
「ちょっと待って、歩いて帰るの?」
彼は車から降りて私を追って来た、そして私の手を引き寄せ、自分の方へ向かせた。
「ごめん、全然わからない、俺はあゆみさんに辛い思いをさせたの?」
「違います、私の勘違いでした」
私は彼の手を振り払い、歩き出した。
彼は車に戻り、私を追って来た。
「あゆみさん、送るから乗って」
「ありがとうございます」
私は彼の車に乗り込んだ、久しぶりの彼の車、一年前と何も変わらなかった。
しばらく車を走らせると、山と緑に囲まれた景色が広がって来た。
「彼氏いないって言っていたけど、ご主人はいるってことだよね」
「えっ?どうしてですか」
急な彼の言葉にビクッと身体が反応してしまった。
「だってあゆみさん、左手のくすり指に指輪をしているから」
あっ、私は咄嗟に指輪を隠した、でももう遅い、今更隠しても気づかれた後ではどう説明したらいいか、頭の中が真っ白になり対応出来なかった。
俺と別れて一年経つのにまだ指輪しているのって言われているような気がした。
いい加減外して欲しいって意味かな?
でも彼の口から予想を遥かに超えた言葉を聞かされた。
「ご主人羨ましいな、あゆみさんに愛されてでも、もしそうじゃないなら俺で良ければ相談に乗るよ」
「初対面なのに優しくされると期待しちゃいますよ」
ちょっと彼を困らせる事を言ってしまった彼がどういうつもりでこんな事を言ったのか理解出来なかったから・・・
でも彼は輪をかけて信じられない事を言った。
「いいよ、ご主人から奪いたいから」
心臓の鼓動がバクバク音を立てて、身体が熱くなるのを感じた。
「やだ、麻生さんホストだからお得意のセリフですか?」
「俺は店の常連客以外は本気じゃないと言わないよ」
えっ、どういう事?もうわからない、なんか怒りにも似た感情がこみ上げて来た。
私は触れてはいけない事を彼に言ってしまった。
「からかわないでください」
「からかってないよ、あゆみさんを口説いているのさ」
「口説いている?一年前に別れたのに?」 「えっどう言う事、俺達初対面じゃないの」
「もう初対面の振りはやめて。凌がどう言うつもりで私に連絡して来たのかわからないけど、私は過去の事と割り切って接しようと決めたのに、相談に乗るとか、口説いているとかいい加減にして、この一年私がどんな思いで過ごしてきたかわからないでしょ?凌のこと忘れなくちゃ、忘れなくちゃ、でも忘れられなくて・・・」
もう涙が溢れて止まらなかった。
「ごめん、全く記憶がない、でもいい加減な気持ちじゃない」
えっ、もしかして、私の記憶がない?
私なんて事を彼に言ってしまったのだろう
この事を想定して私の事を気遣って別れた。
彼が私に連絡して来たのは本当に偶然?
彼の中で私は初対面のフラワーショップの店長?
「ごめんなさい、私が言った事忘れてください、もう帰ります」
私は車から降りて歩き出した。
「ちょっと待って、歩いて帰るの?」
彼は車から降りて私を追って来た、そして私の手を引き寄せ、自分の方へ向かせた。
「ごめん、全然わからない、俺はあゆみさんに辛い思いをさせたの?」
「違います、私の勘違いでした」
私は彼の手を振り払い、歩き出した。
彼は車に戻り、私を追って来た。
「あゆみさん、送るから乗って」
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