夜の帝王の一途な愛

ラヴ KAZU

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あゆみの望みは別にあった

あゆみとの時間を一分一秒も無駄にしたくない

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「そうです、私が店を辞めた後、友梨ちゃんも辞めて今、バイトを探してるってメール貰ったんです、だからまた一緒に働かないって誘ってみようかと思ってます」

「そうか、彼女なら経験あるし、任せられるから、あゆみも時間調整出来るな」

「はい、凌もヒカルくんのお店なら融通が効くでしょ」

「そうだな、でも子作りは続けるぞ、今夜もあゆみを抱きたい」

俺はあゆみを抱きしめた。

俺のキスにあゆみは可愛らしい声を上げた。

花屋の店舗は順調にオープンに向けて進んでいた。

あゆみは友梨ちゃんへバイトの話を通した。

俺はと言うと、やはり夜の世界に戻る事に躊躇していた。

あゆみと後どのくらい一緒にいられるのか、誰にもわからない。

一分一秒も無駄にしたくはなかった。

あの時、あゆみが手術を選択しなければ、今頃俺はこの世にはいなかっただろう。
術後認知機能障害により、あゆみの記憶は無くなったが、店をリニューアルさせて、ここまで大きくすることは出来なかっただろう。

何度もあゆみに巡り会えて、記憶がないにも関わらず、愛する事が出来たのも奇跡だろう。

俺はあゆみに店と子供を残したい、俺が生きていた証に。

明日、あゆみの花屋オープンを迎える前日、おれの気持ちをあゆみに伝えた。

「あゆみ、俺は夜の世界には戻らない、あゆみの店を手伝うよ」

「どうしてですか」

「一分一秒でもあゆみと一緒にいたいんだ」

あゆみは恥ずかしそうに俯いた。

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