お前の身も心も捧げろ〜極道の寵愛は止められない

第三十五章

冨樫のプロポーズ②

「理玖は西沢の血を受け継いでいる、前にも言ったが、全ての極道が、てっぺん取れるわけじゃねえ、それに、俺はお前がいないと、部屋がいつも汚くなっちまう」

葉月は黙って聞いていた。

「それに葉月ほど、興奮出来る女はいねえ」

葉月は恥ずかしくなって俯いた。

冨樫は車の中で、葉月と話していた。

次の瞬間、冨樫は車から降りた。

道路に土下座して、大きな声で、叫んだ。

「葉月、お前だけを愛している、俺と結婚してくれ」

葉月はびっくりして、慌てて車からおりた。

「冨樫さん、やめてください」

葉月は冨樫に土下座を止めるように必死に頼んだ。

「頼む、お前を必ず守る、俺と結婚したことを後悔させねえ」

冨樫はずっと頭を下げたままだった。

運転席にいた藤間はそんな冨樫をはじめてみた。

道ゆく人は冨樫を見ていく。

「冨樫さん、やめてください、わかりましたから」

「俺と結婚してくれるのか」

「これ以上、冨樫さんに土下座させておけません」