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第九章 告白
①
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「俺の言うことに、これから嘘偽りなく答えろ、いいな」
「はい」
「俺を好きか?」
「はい、好きです」
「あいつにまだ惚れてるか」
「あの人とのことは十年前に終わっています」
「あいつを好きか聞いている」
「好きじゃありません」
「なんであいつはよくて、俺は拒否された」
「それは……」
「理由があるなら言ってみろ」
私は大きく深呼吸をして話し始めた。
「あの人と別れた理由は、あの人に私と身体の相性が悪い、満足出来ないって言われたからです、だから恋愛に臆病になって、十年間一人でいました。
蓮さんに好きって言ってもらって、キスしてくれたり、抱きしめてくれたりと行為が進むに連れてまた同じこと言われたらどうしようって心配になりました。
蓮さんに嫌われたくなかったんです」
そこまで言うと、涙が溢れて言葉にならなかった
彼は「もういいから」と、そう言って抱きしめてくれた。
私の頬を伝う涙にキスをして、唇にもキスをしてくれた。
彼の舌と私の舌が絡み合い、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
自分でも驚く位に、彼のキスを受け止め、激しく彼を求めた。
このまま最後までいっちゃう、と心配が脳裏を掠めた。
ところが、彼は一旦私を強く抱きしめて、深呼吸をした。
「また、途中で拒絶されたら、さすがの俺も心が折れる、だから今日はこのまま朝までくっついて寝るぞ、いいな」
嬉しかった、私の心配を察してか私の気持ちを汲んでくれた。
「美希、まだ起きてるか」
「はい」
「身体の相性って確かにある、相性よくないと満足出来ない、でも愛してるだけで、気持ちが繋がってれば、いいと俺は思うぞ」
「蓮さん」
「俺は美希と一緒にいたい、それだけで十分だ、俺だけ見ろ、俺だけ信じろ、いいな」
「はい」
「今日親父から孫の話あったが、気にするな」
「でも、私、妻として嫁として役目を果たせていないですよね」
「妻としては俺がいいって言ってるから問題ない、嫁としても親父が気に入ってるんだから問題ない」
彼は私の気持ちを理解してくれる優しい人である、この優しさに甘えて、彼とずっと一緒に居たいと思った。
俺は美希に気持ちを確かめたかった。
まだあいつに未練があるのか、好きなのか。
なぜ俺は拒絶されたのか。
美希は「十年前に終わっています」と答えた。
そうじゃない、あいつを今でも好きかどうか聞きたいんだ。
俺は苛立っていた。
あいつが良くて俺はダメなんだ。
美希は理由をゆっくり話し始めた。
俺は黙って美希の話を聞いていた。
身体の相性が悪い、満足出来ないと言われたなんて、そのために臆病になっていたとは、予想を遥かに超えた言葉だった。
俺は美希を抱きしめた、悩んでいたのに、詰め寄り聞き出そうとして、俺はなんてバカなんだ。
そんな事も知らず、嫉妬して、美希の気持ちを疑って、ごめん、美希。
俺は美希を抱きしめ、キスをした。
きっと美希は俺とこうなる為に生まれてきたに違いない。
キスだけで止められない、俺は舌を入れて美希の舌と絡ませた。
心臓の鼓動が速くなる、興奮が最高潮に達した。
ダメだ、美希の気持ちはイエスでも身体がノーなら、また拒絶される。
俺は自分の気持ちに急ブレーキをかけた。
あと一歩間違えば谷底に落ちる寸前で止まった。
「朝までくっついて寝るぞ」
俺は興奮する気持ちをグッと堪えて、美希を抱きしめ眠った。
いや、朝まで興奮は収まらなかった。
そんな幸せは永くは続かなかった。暗い影が忍び寄ってきていることに気づかなかった。
「はい」
「俺を好きか?」
「はい、好きです」
「あいつにまだ惚れてるか」
「あの人とのことは十年前に終わっています」
「あいつを好きか聞いている」
「好きじゃありません」
「なんであいつはよくて、俺は拒否された」
「それは……」
「理由があるなら言ってみろ」
私は大きく深呼吸をして話し始めた。
「あの人と別れた理由は、あの人に私と身体の相性が悪い、満足出来ないって言われたからです、だから恋愛に臆病になって、十年間一人でいました。
蓮さんに好きって言ってもらって、キスしてくれたり、抱きしめてくれたりと行為が進むに連れてまた同じこと言われたらどうしようって心配になりました。
蓮さんに嫌われたくなかったんです」
そこまで言うと、涙が溢れて言葉にならなかった
彼は「もういいから」と、そう言って抱きしめてくれた。
私の頬を伝う涙にキスをして、唇にもキスをしてくれた。
彼の舌と私の舌が絡み合い、心臓の鼓動が早くなるのを感じた。
自分でも驚く位に、彼のキスを受け止め、激しく彼を求めた。
このまま最後までいっちゃう、と心配が脳裏を掠めた。
ところが、彼は一旦私を強く抱きしめて、深呼吸をした。
「また、途中で拒絶されたら、さすがの俺も心が折れる、だから今日はこのまま朝までくっついて寝るぞ、いいな」
嬉しかった、私の心配を察してか私の気持ちを汲んでくれた。
「美希、まだ起きてるか」
「はい」
「身体の相性って確かにある、相性よくないと満足出来ない、でも愛してるだけで、気持ちが繋がってれば、いいと俺は思うぞ」
「蓮さん」
「俺は美希と一緒にいたい、それだけで十分だ、俺だけ見ろ、俺だけ信じろ、いいな」
「はい」
「今日親父から孫の話あったが、気にするな」
「でも、私、妻として嫁として役目を果たせていないですよね」
「妻としては俺がいいって言ってるから問題ない、嫁としても親父が気に入ってるんだから問題ない」
彼は私の気持ちを理解してくれる優しい人である、この優しさに甘えて、彼とずっと一緒に居たいと思った。
俺は美希に気持ちを確かめたかった。
まだあいつに未練があるのか、好きなのか。
なぜ俺は拒絶されたのか。
美希は「十年前に終わっています」と答えた。
そうじゃない、あいつを今でも好きかどうか聞きたいんだ。
俺は苛立っていた。
あいつが良くて俺はダメなんだ。
美希は理由をゆっくり話し始めた。
俺は黙って美希の話を聞いていた。
身体の相性が悪い、満足出来ないと言われたなんて、そのために臆病になっていたとは、予想を遥かに超えた言葉だった。
俺は美希を抱きしめた、悩んでいたのに、詰め寄り聞き出そうとして、俺はなんてバカなんだ。
そんな事も知らず、嫉妬して、美希の気持ちを疑って、ごめん、美希。
俺は美希を抱きしめ、キスをした。
きっと美希は俺とこうなる為に生まれてきたに違いない。
キスだけで止められない、俺は舌を入れて美希の舌と絡ませた。
心臓の鼓動が速くなる、興奮が最高潮に達した。
ダメだ、美希の気持ちはイエスでも身体がノーなら、また拒絶される。
俺は自分の気持ちに急ブレーキをかけた。
あと一歩間違えば谷底に落ちる寸前で止まった。
「朝までくっついて寝るぞ」
俺は興奮する気持ちをグッと堪えて、美希を抱きしめ眠った。
いや、朝まで興奮は収まらなかった。
そんな幸せは永くは続かなかった。暗い影が忍び寄ってきていることに気づかなかった。
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