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第二十四章 蓮さん、愛しています

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美希は蓮の帰りが遅いのを心配して、東條に連絡を入れた。

「東條さん?」

「奥様、どうなさったんですか」

「あのう、蓮さんと一緒ですか」

「いえ、社長は取引先の社長と会食に行かれて、お酒が入るので、
タクシーでお帰りになるとおっしゃって、まだ戻りませんか」

「はい、大丈夫でしょうか、蓮さん、お酒は強い方ではないので」

「スマホに連絡してみましたか」

「いえ、あまり仕事中は電話は迷惑かと……」

「わかりました、こちらで連絡してみます」

「よろしくお願いします」

東條は早速蓮に電話した。

「はい」

「あ、社長、今どこにいらっしゃいますか、お迎え行きましょうか」

「今、マンションのエントランスにいる」

「もう、お帰りでしたか、奥様に連絡してあげてください、心配なさってましたよ」



「東條、何も聞かずに、今晩お前のマンションに泊めてくれ、これからタクシーでそっちに向かう」

「わかりました、お待ちしております」

東條は何かあったと推測出来たが、何かまでは、全く予想出来なかった。

とりあえず、美希に連絡することにした。

その頃、美希は蓮が心配でマンションのエントランスに降りてきていた。

蓮さん。

マンションのエントランスからタクシーに乗って行く、蓮の姿を見つけた。

そこへ、東條から連絡が入った。

「奥様でしょうか、東條です、社長ですが、酔いを覚ますのに近くの喫茶店で、
休憩していたとのことで、今お迎えに行くところです、明日の朝
早いので、このまま自分のマンションに泊まって頂きますので、奥様は心配なさらず、
もうお休みになってください」

「わかりました、よろしくお願いします」

どう言うこと?

明らかに東條さんは嘘をついている。

だって、今タクシーに乗ったのは、蓮さんだ、間違いない。


「ママ、美蓮が泣いてるよ」

蓮也がエレベーターで降りてきて、教えてくれた。

「あ、ごめん、ごめん、さっ、お部屋に戻りましょう」

「パパは?」

「今日は、東條さんのマンションに泊まるって」

「帰ってこないの?」

「そうね、明日は帰ってくるわよ」

「ふ~ん、はじめてだね、パパが夜いないの」

「そうね」

蓮也の言う通り、蓮が外泊ははじめてのことだった。

その頃、蓮は東條のマンションに向かっていた。

東條のマンションに到着し、インターホンを鳴らすと、東條が応対した。

「社長、お入りください、一体どうなさったのですか」

蓮はことの成り行きを話しはじめた。

「それは、罠にはまりましたね」


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