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第二十七章 蓮と美希のすれ違う気持ち
⑧
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「そんなこと、心配していたのか、それじゃあ、飽きるほど毎晩抱いてやる、
俺がどれほど美希を愛しているか、思い知らせてやるよ」
「もう、蓮さんったら」
美希は頬を真っ赤に染めて俯いた。
蓮は美希のこんな恥じらう姿が愛おしくて、堪らなかった。
美希は自分の魅力に気づいていない。
本人はおばさんになったと言っているが、そんなことは微塵も感じられない。
母親になっても可愛くて、愛おしくて、色気も増して、毎晩抱きたい気持ちを、
抑えるのに必死な蓮の気持ちには気づいていないようだ。
美希は蓮の許可を得てパートに出ることになった。
近くの喫茶店で働くことになった。
蓮が心配していた通り、美希が働き出してから、その喫茶店は客が倍増した。
優しい言葉づかい、心癒される笑顔、そして、たわいない会話。
「美希ちゃん、美希ちゃんが働いてくれるようになって、お客さんが増えたよ、
感謝してるよ」
そう言ってくれるのは喫茶店のマスター、八神光一だ。
八神は妻に先立たれた五十五歳の男性だ。
「私なんかを雇い入れていただいて、私の方こそ感謝しています」
「これからもよろしく頼むよ」
美希はほとんど毎日のように働いていた。
そのうち、土日もどちらか出てほしいと頼まれて、蓮に相談した。
「あのう、土日どちらか働いてほしいと頼まれたんですが、蓮也と美蓮をお願いできないでしょうか、午後から三時間ほどなんですが……」
「そんなに頑張らなくてもいいんじゃないか」
「でも……」
「美希は働きたいの?」
「出来れば……」
「わかった、いいよ」
「蓮さん、ありがとうございます」
そして、美希は土曜日の午後も仕事を入れた。
蓮は東條に蓮也と美蓮を頼み、美希の様子を見に行った。
この喫茶店は昔からある地元の主婦たちの憩いの場として、地味に営業をしてきた。
俺がどれほど美希を愛しているか、思い知らせてやるよ」
「もう、蓮さんったら」
美希は頬を真っ赤に染めて俯いた。
蓮は美希のこんな恥じらう姿が愛おしくて、堪らなかった。
美希は自分の魅力に気づいていない。
本人はおばさんになったと言っているが、そんなことは微塵も感じられない。
母親になっても可愛くて、愛おしくて、色気も増して、毎晩抱きたい気持ちを、
抑えるのに必死な蓮の気持ちには気づいていないようだ。
美希は蓮の許可を得てパートに出ることになった。
近くの喫茶店で働くことになった。
蓮が心配していた通り、美希が働き出してから、その喫茶店は客が倍増した。
優しい言葉づかい、心癒される笑顔、そして、たわいない会話。
「美希ちゃん、美希ちゃんが働いてくれるようになって、お客さんが増えたよ、
感謝してるよ」
そう言ってくれるのは喫茶店のマスター、八神光一だ。
八神は妻に先立たれた五十五歳の男性だ。
「私なんかを雇い入れていただいて、私の方こそ感謝しています」
「これからもよろしく頼むよ」
美希はほとんど毎日のように働いていた。
そのうち、土日もどちらか出てほしいと頼まれて、蓮に相談した。
「あのう、土日どちらか働いてほしいと頼まれたんですが、蓮也と美蓮をお願いできないでしょうか、午後から三時間ほどなんですが……」
「そんなに頑張らなくてもいいんじゃないか」
「でも……」
「美希は働きたいの?」
「出来れば……」
「わかった、いいよ」
「蓮さん、ありがとうございます」
そして、美希は土曜日の午後も仕事を入れた。
蓮は東條に蓮也と美蓮を頼み、美希の様子を見に行った。
この喫茶店は昔からある地元の主婦たちの憩いの場として、地味に営業をしてきた。
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