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第十四章 恐れていたこと

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(俺は誰にも由梨のことは頼んでいない、いや、忙しすぎて由梨が頭から消えていた)

「裕也、もっとスピード出せ」

「無理言わないでください」

健吾がマンションに着くと、部屋は真っ暗で、由梨の姿はなかった。

「由梨、由梨」

すぐにスマホを鳴らしたが、電源が入ってはいなかった。

(まさか)

山本は健吾が組長に就任したことから、すっかりおとなしくなり、由梨が拉致されたとは考えにくかった。

由梨の荷物はおいてあった。

(ふらっと出て、帰り道がわからなくなったのか)

健吾は必死に探し回った。

しかし、由梨の行方は分からなかった。

(由梨、どこで何をしているんだ)

その頃、由梨はアメリカにいた。

ふらっとマンションを出て、道に倒れていたのを助けてくれたのが、道重亮二だった。

道重コーポレーション社長、四十歳なのに、独身でバリバリと仕事をこなしている。

由梨は、亮二のマンションで目を覚ました。

「大丈夫?」
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