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私、えっ、藤堂仁の女?

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私は祐志さんに一人で出歩くなと言われていた。

でも、一人で買い物に出掛けてしまった。

すぐ帰って来れば大丈夫だよね。

私の考えは甘かった。



しかも、どうして、私は極道のいざこざに巻き込まれちゃうの?

工藤飛鳥、佐伯龍、そして藤堂仁。

ましてや、仁さんとは全く関係ないのに……

買い物を終えて、マンションに入ろうとした時、私に声をかけてきた男性がいた。

「よう、元気か」

私はその声に振り向いた。

「仁さん」

「へえ、俺の名前を覚えていてくれたのか」

「助けて頂いたんですから、その節はありがとうございました」

私は深々とお辞儀をした。

「お腹のガキは元気か」

「はい」

「ちょっと触れてもいいか」

「どうぞ」

私はすごくお腹の子供に興味を示す、仁さんを不思議だなあと感じていた。

子供が好きなのかなあ?

「おい、今、動いたぞ」

「ええ、最近よく動くんですよ」




「へえ、男だな、俺に預けろよ、立派な極道にしてやる」

「遠慮しておきます」

私は丁寧に断った、全くなんでそんなこと言うのか、理解不能だ。

「どうしてだよ」

「仁さん、自分のお子さんを極道に育てればいいじゃないですか」

「あのな、一人で子供は出来ねえんだよ」

「彼女さんいらっしゃらないんですか」

「女は沢山いるよ、俺の子供をはらんでもいいと言う女がいねえ」

「そうなんですか」

「なあ、まゆ、龍の子供生んだら、今度は俺の子供を生んでくれよ」

「はい?」

私はびっくりした表情を見せた。

「私は服部祐志の妻です、ほかの男性と関係は持てません」

「そんなに怒るなよ」

「だって、仁さん、変なこと言うんですもの」

「変なことじゃねえよ、まゆを抱きたい」

じっと見つめられて、どうしていいか分からず、目を逸らした。

次の瞬間、仁さんは私の腕を掴んで引き寄せた。




私の身体は、仁さんの身体と密着した。

腰に手を回して、ギュウと抱きしめられた。

「仁さん、お腹が苦しいです」

仁さんは私の言葉に「すまねえ」と言って離れた。

そこに人相が悪い連中が、近づいてきた。

「よう、仁、お楽しみ中悪いが、付き合ってくれねえか」

仁さんは私を背中にかくまってくれた。

「行かねえって言ったら?」

「お前はくるさ、女を庇いながら、俺たちから逃げられるとは思わねえだろ、
腹の赤ん坊、守りてえだろ、しかし、お前がそこまで本気な女がいたなんて、
笑わせるな、その女はのためならなんでもやりそうだもんな」

えっ、私、仁さんの女になってるの?

もう、仁さんもなんで訂正しないのよ。

私は服部祐志の妻よ。

この連中は絶対に極道だ、しかも仁さんの命を狙ってる。

私を人質にして、仁さんに言うこと聞かせようとしている。

えっ、もしかして、佐伯龍の存在がバレないようにって思ってくれてるの?

でも、この状況、私は危険だよね。

堅気の私は何度も極道に捕まり、危険な目に遭ってる。

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