特待「性」の日常

ミツミチ

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この一年間、与えられた立場に見合うような行動を心がけたいと思います

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「えっ?」
 一瞬、空目したかとおもったが、
「おめでとう。今日から君は特待性だ」
 どうみても見間違いではない。
「あの」
「この一年は授業料、寮費ともに全額免除となる。今後も全生徒の代表として、それに恥じない態度を心がけるとともに我が校への感謝と奉仕を忘れずに過ごしてくれ」
「はい、あの、漢字が」
「ん?」
「漢字がおかしいです」
 間違っていますと渡された書類を指さすも、合っているよと笑って返された。目上の人間に再三と指摘することもできず、がんばりたまえと背を押されて校長室から出た。
 二年の一学期。始業式の後のことだった。
「……どーみても、間違ってるよな」
 廊下を歩きながら、書類を片手に眉を寄せる。なんだかイヤな間違いだなとおもったが、ま、いいや。一年間のがんばりが認められたのだ。これで生活が楽になる。
 絢斗は浮足立つ気持ちで教室に踏みいれた。
「おめでとう、絢斗!」
 途端に沸き立つクラスメイトの面々。
「特待性、なれたんだってな」
「ずっとこれ目指してがんばってたんだろ?」
「同じクラスのやつが特待性なんておれたちも嬉しいよ」
 口々に言い募る声に、いつの間に公表されたのだろうかともおもったが、自らのことをこうして喜んでもらえるのは素直に嬉しかった。
「あ、ありが」
 背後から肩を掴まれる。担任教師は絢斗を教壇の前まで連れだした。
「おめでとう。今後特段と世話になるこのクラスの仲間たちへ、一言意気込みをもらえるかな」
「え、あ、ええと、こんな風に祝ってもらえるなんておもってなかった。素直に嬉しいです。この一年間、与えられた立場に見合うような行動を心がけたいと思います」
「とてもいい意気込みだ。じゃあ早速はじめようか」
 はじめる?
 教師を見上げる。一方でその言葉を皮切りにクラスメイト達は席を立ち、机と椅子を端に寄せ、開いた中央に教卓を運び入れる。絢斗は教師に肩を掴まれたままその中心へと連れ歩かされた。
「あの、先生」
「おおい、だれか。古山を持ちあげるのを手伝ってくれ」
 はあいと声を揃えて四方から手が伸びてくる。
「えっ、あ、うわっ」
 腕と足、腰を掴まれて教壇の上へと持ちあげられる。うつ伏せに手足をたたんだ土下座のような体勢で固定され、掴まれた足首、手首に紐を結われる。
「は、なに」
 紐の先はそれぞれ教卓の足にくくりつけられた。
「な、なんの冗談」
 ですか、と頬をひきつらせたと同時、教師の手がベルトに触れた。ベルトを抜き取り下着ごとズボンをずり下ろす。臀部に感じる冷えた空気に心臓が跳ねた。


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