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しおりを挟む扉をひらいた先。
一見変わりない光景に、おや、と片眉を上げた。
青年は座位を模した形で吊るされていた。
両足は荒縄で一本ずつ折り畳まれ、腕は上方に縛り固められ、その手には天井から延びる一本の太縄を握らせていた。開いた足下には背もたれのない木馬が据え置かれ、中心に分厚い梁型が鎮座する。尻穴がその先端を咥えた状態を開始地点とし、前後に腰を振れぬよう膝に通した縄を木馬の留め金に繋げる。太縄に縋る手の力が緩み、縄を滑れば体も下方に落ちて梁型に奥を割り開かれていく。王子は自重を支える腕の筋肉を筋立たせ、顎先から汗を滴らせながら取っかかりもない縄に縋った。咥えた梁型にはユリギから抽出した媚毒をたっぷりと塗りたくり、不規則に震える細工を施した。
その状態でしばし間をあけてみたが、尻から覗く梁型は多少短くなったものの、中腹で止まっている。甘い絶頂は止め処無かっただろうに、よく耐えきったものだと拍手を送ると返事に鋭い眼光が投げかけられた。しかし身体は正直なもので、震える手が体力の限界を、甘くひくつく肉輪が性感の限界を訴えていた。ここまで堪えた褒美をやろうと梁型の機械仕掛けに触れる。不規則な振動を継続的に切り替え、一段回強めた。王子が息を呑む。媚薬により感度を増した内壁を容赦なく掻き回され、根を縛られた陰茎が打ち震えるも、その手は未だ自重を手放しはしない。彼をこの城に招いてからもう一ヶ月になろうか。体力も衰えだした時分かと踏んでいたが、武力の国を率いる次期長として扱かれてきた身体はそう安々とは廃れないものか。だが幼い頃より積み重ねた努力やその鍛錬を裏切るように、肉縁の収縮は激しくなり、快楽を拾う貪欲な身体が彼を追い詰める。先走りに濡れた亀頭をくるくると指先で撫で回し、気まぐれに会陰へ刺激を与えていると、とうとう汗で濡れた指が縄を滑った。重力と自重により最奥を突かれた王子の口から、声にならない声が漏れた。底についた尻をぶるぶると震わせながら、しかしまた縄に追いすがろうとする彼の太腿に手を置き、体重をかけて木馬に押しつける。ひきつれた悲鳴。掌に伝わる不規則な痙攣から、その身に強いられた恍惚の深さが知れる。
みっちりと梁型を銜えこませたまま、足の付け根、膝、足首までを木馬に固定する。媚毒に浸った肉壁を奥まで暴かれ、逃れられない暴力的な快感に打ち震える男の反応をしばし娯しんだのち、その場を後にした。
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