椎名家の未確認ファイル

晴海りく

文字の大きさ
2 / 30

file1 小人

椎名香菜単語しいなかなの家族は、よく父・巧単語たくみの仕事(考古学者単語こうこがくしゃ)の関係で海外や日本を行ったり来たりしている。

これは、日本へ戻って住んでいた時の話だ。
どこにでもある日本の家で、特別古いと言うわけでもない。木造のいい匂いがする。


「香菜~!」
母・一華単語いちかに呼ばれた。
香菜は、兄・宏人単語ひろとと居間で、それぞれ自分の好きなことしていた。宏人はコタツの中に寝そべり、ゲームをしている。
母の呼び声に、香菜は、イラストを描くのをやめ
「何~?」
と台所の方へ歩いた。
母は、大きなクマのぬいぐるみを私に渡しながら
「これ、二階の色んなモノが入っている部屋に置いてきて?」
「は~い」
そういって二階へ行く階段を登ろうと、右足を出した時に
「うわぁー」
と下から声が聞こえてきた気がした。
すぐに下を見るが何もいない。
気のせいかと思い二階へ行った。

そして、ドアを開ける。
色んなモノが入っている部屋は、海外で買った工芸品や変な仮面に絵などが置いてある。
正直、私達が海外へ行ってる間、絵の中のおじさんやおばさん・お姉さんが外へ出てきてティーパーティーでもしているのかなと疑っている時がある。
モノを避けながら、どこに置こうか考える。
クマのぬいぐるみは、ピアノの上に置いて頭を人撫でしながら部屋をみまわす。
“色んな国へ行ったな…”
そう思った。

部屋を出てドアを閉める。
何か人の声が階段近くで聞こえてきて、
「クマさん、お部屋のピアノの上に置いてきた…よ…?あれ…?いない…?」
誰もいない…何でだろうと階段を下りる。
兄は居間でゲームをしていて母は、台所で料理と格闘中だった。
“さっきの声…お母さんとお兄ちゃんじゃない?”
不思議に思った香菜は、母に置いてきたことを伝えさっき階段にいたかと聞いてみる。
「お母さん!今ね!この大きな白菜と格闘中だったわよ!お兄ちゃんじゃないの?」
小首を傾げながら居間の方へ行く。
兄は、コタツの中で
「うわぁあー!!ボスに勝てね~!!!」
香菜は、隣に座り
「お兄ちゃん、さっき階段の所で友達と電話してた?」
宏人は香菜の方へ向き
「ううん、ゲームしてたから?てか、このボス強すぎるだろ!うっううん!!強い~!」
と唸っていた。
香菜は、ポカンと“えっ…さっきの聞いた声…二人じゃないの?えっ?じゃあ私が聞いたのって…”
香菜は、居間のドアを見る。
すると廊下に小さな影が見えた。
そっと追いかける。笑い声が階段から聞こえる。
ゆっくりと階段をみてみる、そこに赤い三角帽に白い髪と白いヒゲ・顔が丸くて赤のチェックシャツにオーバーオールの二頭身のおじさんが五人いた。
一人のおじさんが、もう一人のおじさんの首を振らせるために後頭部を叩く。そして他のおじさん達が笑っていた。
“なんか…可愛い…”
そう思った。

パチッ

目があった。五人のおじさん達が香菜に気づき整列をして手を振りだした。
「こっこんにちは~」
と言うと、さらに笑顔で手を目一杯振ってくれた。
おじさん達は、香菜に怯えることなく遊びはじめ、ずっと見ていると母にまた呼び出され台所へ行く。
白菜との格闘が終わったみたいで、皿に盛りつけるのを手伝ってほしいと言われる。
香菜は母にも、あのおじさん達を見せてあげたいと思い手を引っ張る。
「白菜は、あと!ちょっと来て!」
そういい階段の方へ連れていくと、おじさん達は、いなくなっていた。
母は、
「どうしたの?」
香菜は、母に
「ここに小さなおじさんがいたの…」
「そんなのいるわけ…っ…いるな…不可思議な者は…驚いてもいいけど彼らも臆病だから…そっとしておくのよ?」
コクンと香菜は、頷いた。

「また会えるといいな…」
































































感想 0

あなたにおすすめの小説

【総集編】アリとキリギリスパロディ集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。 1分で読める! 各話読切 アリとキリギリスのパロディ集

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

笑いの授業

ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。 文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。 それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。 伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。 追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

雪の降る山荘で

主道 学
児童書・童話
正体は秘密です。 表紙画像はフリー素材をお借りしました。 ぱくたそ様。素敵な表紙をありがとうございました。

おっとりドンの童歌

花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。 意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。 「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。 なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。 「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。 その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。 道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。 その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。 みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。 ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。 ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。 ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?