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file7 幽霊
母・椎名一華は、小児科で看護師をしている。
小児科は、宏人や香菜に似た年齢の子達が入院してくると胸が痛くなる。
カラカラカラ
どこからともなくワゴンの音。
今日は、一華の娘・香菜の年齢が同じの女の子が肺炎で入院してきた。
「田中深月単語」ちゃんと言う子の担当になった。深月ちゃんのお母さんは、ものすごく仕事が忙しく昼間は、おばあさんが来るようだ。
入院のお部屋で、おばあさんが棚に服を入れたり水を冷蔵庫に入れていた。
「こんにちは、深月ちゃん。担当の椎名です。よろしくお願いしますね?」
深月ちゃんは頷きながら一華の背後を見ていて、一華は振り返るが誰もいない。
首を傾げながらも
「何か息苦しかったり辛かったらナースコールを押してね?」
そう言うと、また背後を見ながら頷く。
部屋を出るとき、見渡してみた。誰もいない。
そして、部屋を出た。
カラカラカラ
ナースステーションへ戻ってきて一華は、点滴の準備をしていると同僚が声をかけてきた。
「椎名さん!深月ちゃん、どう?」
「ん~?なんというか…体調が悪いからか上の空って感じがする…あとよくキョロキョロしてるね~お母さんに会いたいのかな?」
「あ~忙しそうだもんね~!さっきここにいたスタッフ達で、深月ちゃんのことは、気にしてあげようねっていう話になったんだ~!」
「うん、そうした方がいいかも?じゃ!点滴、行ってきま~す!」
「はいよ~」
そして、終業時間が終わり家へ帰った。
次の日もいつものように、一華は仕事をしている。
ただ気になることは、深月ちゃんは入院してから体調がさらに悪くなっていった。ご飯も食べているし薬も飲んでいるのに、だんだん身体が細くなっていき担当の先生も首を傾げていたのだ。
それから、深月ちゃんの病室を通ると声が聞こえてきた。きっとお母さんかおばあさんが来たのだろうと思って扉を開けると誰もいない。
一華は、深月ちゃんに
「あれ?深月ちゃん。お母さんかおばあちゃん、いたよね?」
と言うと、深月ちゃんは首を振りながら
「ううん、まだ来てないよ!」
一華は驚きながら
「え~!!そうなの!誰かとお話してたのかなと思ってたよ!」
深月ちゃんは、笑顔で
「看護師さんと話してたんだ!!」
「え?本当?」
一華は誰かが、深月ちゃんに声をかけたのだろうと思っていると、ふと深月ちゃんが言うのだ。
「ん~?看護師さんと私と話している看護師さん…お洋服が違う…」
「…どんなお洋服を着ているの?」
「えぇ~!!看護師さんの隣にいるじゃない!」
一華は、隣をみると誰もいない。少し冷や汗をかきながら、血圧計のカバーを深月ちゃんの腕に巻き付けながら
「今、深月ちゃんの血圧測っているから、どんなお洋服してるか教えてくれる~?」
「いいよ~!」
すると一華は、深月ちゃんが話す一つ一つの言葉に震えるのを我慢しながら聞いていた。
「あのね~赤い十字架のマークに白い帽子を被ってて~白の長いワンピース?に白いエプロンしているよ~あと左の頬っぺたが怪我をしていてかわいそうなの~あとで治してあげて?」
ゆっくり呼吸をしながら
「うん、そうだね。」
と言った。
深月ちゃんは、一華に
「私、二人の看護師さんがお話してくれて…嬉しいな♪」
と笑っていた。
小児科は、宏人や香菜に似た年齢の子達が入院してくると胸が痛くなる。
カラカラカラ
どこからともなくワゴンの音。
今日は、一華の娘・香菜の年齢が同じの女の子が肺炎で入院してきた。
「田中深月単語」ちゃんと言う子の担当になった。深月ちゃんのお母さんは、ものすごく仕事が忙しく昼間は、おばあさんが来るようだ。
入院のお部屋で、おばあさんが棚に服を入れたり水を冷蔵庫に入れていた。
「こんにちは、深月ちゃん。担当の椎名です。よろしくお願いしますね?」
深月ちゃんは頷きながら一華の背後を見ていて、一華は振り返るが誰もいない。
首を傾げながらも
「何か息苦しかったり辛かったらナースコールを押してね?」
そう言うと、また背後を見ながら頷く。
部屋を出るとき、見渡してみた。誰もいない。
そして、部屋を出た。
カラカラカラ
ナースステーションへ戻ってきて一華は、点滴の準備をしていると同僚が声をかけてきた。
「椎名さん!深月ちゃん、どう?」
「ん~?なんというか…体調が悪いからか上の空って感じがする…あとよくキョロキョロしてるね~お母さんに会いたいのかな?」
「あ~忙しそうだもんね~!さっきここにいたスタッフ達で、深月ちゃんのことは、気にしてあげようねっていう話になったんだ~!」
「うん、そうした方がいいかも?じゃ!点滴、行ってきま~す!」
「はいよ~」
そして、終業時間が終わり家へ帰った。
次の日もいつものように、一華は仕事をしている。
ただ気になることは、深月ちゃんは入院してから体調がさらに悪くなっていった。ご飯も食べているし薬も飲んでいるのに、だんだん身体が細くなっていき担当の先生も首を傾げていたのだ。
それから、深月ちゃんの病室を通ると声が聞こえてきた。きっとお母さんかおばあさんが来たのだろうと思って扉を開けると誰もいない。
一華は、深月ちゃんに
「あれ?深月ちゃん。お母さんかおばあちゃん、いたよね?」
と言うと、深月ちゃんは首を振りながら
「ううん、まだ来てないよ!」
一華は驚きながら
「え~!!そうなの!誰かとお話してたのかなと思ってたよ!」
深月ちゃんは、笑顔で
「看護師さんと話してたんだ!!」
「え?本当?」
一華は誰かが、深月ちゃんに声をかけたのだろうと思っていると、ふと深月ちゃんが言うのだ。
「ん~?看護師さんと私と話している看護師さん…お洋服が違う…」
「…どんなお洋服を着ているの?」
「えぇ~!!看護師さんの隣にいるじゃない!」
一華は、隣をみると誰もいない。少し冷や汗をかきながら、血圧計のカバーを深月ちゃんの腕に巻き付けながら
「今、深月ちゃんの血圧測っているから、どんなお洋服してるか教えてくれる~?」
「いいよ~!」
すると一華は、深月ちゃんが話す一つ一つの言葉に震えるのを我慢しながら聞いていた。
「あのね~赤い十字架のマークに白い帽子を被ってて~白の長いワンピース?に白いエプロンしているよ~あと左の頬っぺたが怪我をしていてかわいそうなの~あとで治してあげて?」
ゆっくり呼吸をしながら
「うん、そうだね。」
と言った。
深月ちゃんは、一華に
「私、二人の看護師さんがお話してくれて…嬉しいな♪」
と笑っていた。
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