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file11 人形
椎名家の玄関には、市松人形が飾ってある。
この子は寂しがりやさんなので、いつも海外へ行く時は必ず一緒に連れていく。
今日は、この子のお話をしようと思います。
これは父・巧の友人・神代湊単語さんは、人形供養をする神社の神主をしている。最近、人形供養のために老夫婦がやってきてこう言うのだ。
「我が子のように、大切にしてたのだけど…私達はもう…先がないから…ここにいてもらおうと思ってね…」
「ごめんね…」
と言って市松人形を二人は、撫でていた。
神主は、市松人形の顔をみて驚いた。
“この子…泣いてる…”
市松人形の顔は、涙で濡れながら目を右へ左へと移動していた。二人を見ているのだ。また、うっすらと赤い着物が涙で濡れている。
神主はできることなら、二人と一緒にいさせてあげたいと思い、もう一度
「あの…この子の顔、寂しそうです…まだお二方と一緒にいたいのでは…?」
老夫婦は神主の言葉に驚きながら、おじいさんが
「…神主さん、私共は…それぞれに病気を患っておりまして…余命が間近なんです…」
おばあさんは、市松人形の頭を撫でながら
「私達が亡くなって…知らないまま…この子が家で、一人で泣いているのがかわいそうでね…今なら、私達、元気だから…」
神主は、
「…そうですか…」
もう、なにも言えなかった。
おばあさんは、神主に
「私達は、子供がいません。子供は、この子だけです。この子をどうか…どうか…お願いします…」
老夫婦はもう一度人形を撫でて、神主に人形を渡す。
すると
“行かないで…まだ一緒にいたいよ…”
と人形が言うのだ。神主は、頭を撫でながら
「…寂しいよな…」
本来なら、外に飾って色んな人形達と共に人間との交流を楽しんでほしいと思ったが、この人形は家の玄関に置くことにした。
その夜から、ずっと泣き声が聞こえてくる。
朝は、人形に
「おはよう、今日は、よく晴れてるな!」
と声をかけるようにした。それでも夜は、黒い瞳から涙を流している。
久しぶりに大学時代の友達、椎名巧が会いにきてくれて人形を見せた。電話で人形が、泣くって話をしたら急いで?駆けつけてくれて事情を話した。
巧は、人形をみて笑顔で
「可愛い顔をしているな!湊から、聞いたぞ?夜、泣いてるんだって?」
頭を撫でながら
「寂しかったな~別れるのは、辛いよな~」
と言うと人形は、コクリと頷いた。
神主と巧は、驚いた。
巧は、笑いながら人形に
「もしよかったら、うちにくるか?うちは、色々と動いたり不思議なモノがいる…どうだ?寂しくないぞ?」
人形は、少し笑みを浮かべていた。
神主は、巧に
「えぇー!!!!!いいの?!」
「いいぞ~?あっ!?手続きとかいる?」
笑いながら
「大丈夫!大丈夫!!」
人形の頭を撫でながら
「よかったな~!巧の家族は、楽しいぞ?元気でな!」
そう言った。巧は、人形を抱きながら
「じゃあ、行くか!名前、何がいいかな~?」
と言いながら歩く巧の姿を神主がみていると、人形は手をふりながら
“…ありがとう…寂しくなかったよ?”
と聞こえてきた。
さて、この市松人形、名は雛子単語。香菜と一華が命名した。そして、玄関に飾っている。
雛子は、椎名家の家族が帰ってくると笑みを浮かべる。
この子は寂しがりやさんなので、いつも海外へ行く時は必ず一緒に連れていく。
今日は、この子のお話をしようと思います。
これは父・巧の友人・神代湊単語さんは、人形供養をする神社の神主をしている。最近、人形供養のために老夫婦がやってきてこう言うのだ。
「我が子のように、大切にしてたのだけど…私達はもう…先がないから…ここにいてもらおうと思ってね…」
「ごめんね…」
と言って市松人形を二人は、撫でていた。
神主は、市松人形の顔をみて驚いた。
“この子…泣いてる…”
市松人形の顔は、涙で濡れながら目を右へ左へと移動していた。二人を見ているのだ。また、うっすらと赤い着物が涙で濡れている。
神主はできることなら、二人と一緒にいさせてあげたいと思い、もう一度
「あの…この子の顔、寂しそうです…まだお二方と一緒にいたいのでは…?」
老夫婦は神主の言葉に驚きながら、おじいさんが
「…神主さん、私共は…それぞれに病気を患っておりまして…余命が間近なんです…」
おばあさんは、市松人形の頭を撫でながら
「私達が亡くなって…知らないまま…この子が家で、一人で泣いているのがかわいそうでね…今なら、私達、元気だから…」
神主は、
「…そうですか…」
もう、なにも言えなかった。
おばあさんは、神主に
「私達は、子供がいません。子供は、この子だけです。この子をどうか…どうか…お願いします…」
老夫婦はもう一度人形を撫でて、神主に人形を渡す。
すると
“行かないで…まだ一緒にいたいよ…”
と人形が言うのだ。神主は、頭を撫でながら
「…寂しいよな…」
本来なら、外に飾って色んな人形達と共に人間との交流を楽しんでほしいと思ったが、この人形は家の玄関に置くことにした。
その夜から、ずっと泣き声が聞こえてくる。
朝は、人形に
「おはよう、今日は、よく晴れてるな!」
と声をかけるようにした。それでも夜は、黒い瞳から涙を流している。
久しぶりに大学時代の友達、椎名巧が会いにきてくれて人形を見せた。電話で人形が、泣くって話をしたら急いで?駆けつけてくれて事情を話した。
巧は、人形をみて笑顔で
「可愛い顔をしているな!湊から、聞いたぞ?夜、泣いてるんだって?」
頭を撫でながら
「寂しかったな~別れるのは、辛いよな~」
と言うと人形は、コクリと頷いた。
神主と巧は、驚いた。
巧は、笑いながら人形に
「もしよかったら、うちにくるか?うちは、色々と動いたり不思議なモノがいる…どうだ?寂しくないぞ?」
人形は、少し笑みを浮かべていた。
神主は、巧に
「えぇー!!!!!いいの?!」
「いいぞ~?あっ!?手続きとかいる?」
笑いながら
「大丈夫!大丈夫!!」
人形の頭を撫でながら
「よかったな~!巧の家族は、楽しいぞ?元気でな!」
そう言った。巧は、人形を抱きながら
「じゃあ、行くか!名前、何がいいかな~?」
と言いながら歩く巧の姿を神主がみていると、人形は手をふりながら
“…ありがとう…寂しくなかったよ?”
と聞こえてきた。
さて、この市松人形、名は雛子単語。香菜と一華が命名した。そして、玄関に飾っている。
雛子は、椎名家の家族が帰ってくると笑みを浮かべる。
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