椎名家の未確認ファイル

晴海りく

文字の大きさ
23 / 30

file18人魚

昔、宏人は、母・一華のことを人魚だと思っていたことがある。

数年前、家族四人でオーストラリアの海へ来ていた話だ。
海の中に潜ってゴーグルからみた世界は、とても綺麗で美しかった。カラフルな魚が何十匹も泳いでいたり、近場で、いそぎんちゃくがみえるなんて思ってもいなかった。
宏人は、夢中で海の中をみていた。
すると、香菜がこっちと手でジェスチャーをしたので泳いでみると香菜の手にナマコを持っていて笑ってしまい浮上した。 
宏人は
「アハハハハ!!香菜!やめろよ!!」
香菜は、ニッコリしながら
「お兄ちゃん!笑いすぎだよ!このナマコ、日本の海でも見たことがないぐらい大きいよね!」
「そうだな!」
と言って笑っていた。
休憩している母・一華が
「宏人ー!!香菜!!あがってきて、ジュースを飲もう!」
そういうので、海からあがる。
レジャーシートに座って、一華からジュースをもらう。
一華は、二人に
「どう?海の中は?」
宏人は
「魚とか、いそぎんちゃくとか全部見えるね!水の中も綺麗し!」
「うんうん!私、大きなナマコ触った!!」
「えー!!そんなの触ったの?」
父・巧は、ジュースを飲みほし
「ここの海は、色んな種類の魚だったり動物が見えるみたいだから…安易に近づいて触っちゃダメだよ?毒の生き物もいるってことも覚えとくんだよ?」
「「わかったー!!」」
香菜が宏人に
「お兄ちゃん!遊ぼう!」
「うん、あっちに行こう!」
と岩近くの方へ行く。一華もついていくことにした。
一華に
「「潜ってくる!」」
と言って、大きく息を吸い潜った。
色んな生き物を観察していると、目の前に大きな魚の尻尾が通りすぎる。岩と岩の隙間に入っていったので、宏人も通ってみると…そこには、綺麗な魚やクラゲがいた。
“ん?なんかさっきのは…何だ?…魚か?”
と思い、ついていくと、女性が泳いでいた。
“なんだ…女性か…それにしても髪とか肌…が、やけに白いな…外国の人だから…そんなもん…足が魚の尻尾!?”

ゴボッ

と息が漏れる。
宏人は、心の中で
“ヤバイ!!”
と思った瞬間、全身が真っ白の人魚が宏人を見て突進してきた。
宏人は、
“どうしよ…人魚だ…”
と思っていると香菜が必死に宏人の手を取って助けようとする。
それでも真っ白の人魚の方が速く、宏人は連れ去られてしまう。
香菜は、目の前で宏人が連れ去られ
“どっどうしよ!お兄ちゃんが!お兄ちゃんが!”

香菜は、浮上して一華に助けを求める。
「おっ母さーーーーん!!!お兄ちゃんが!お兄ちゃんが!」
一華は、香菜の様子がおかしいと思い香菜の所まで泳いだ。
「香菜!お兄ちゃんは?」
「真っ白な人魚にさらわれた!」
「ハッ?えっ?どっちに行った?」
「たぶん真っ直ぐ!」
「わかった!とりあえず、香菜!お父さん、呼んできて?私、お兄ちゃんをみてくるから!」
そう言って一華は、海の中へ潜る。香菜は、巧を呼びに行った。
香菜は、巧のいる所へ行き説明する。
巧は、香菜の頭を撫でながら
「お母さんを待とうね?」
と言い、落ち着かせていた。

一方、一華は、香菜が説明した所まで来て探してみるが宏人の姿と真っ白な人魚が見つからない。
体力があるかぎり、浮上しながら潜るという行動を繰り返していた。

すると目の前に、宏人を横抱きにした人魚がいた。


一華は、人魚に追い付くために必死で泳ぐ。
そして、一度だけ頬に拳をぶつけることに成功した。真っ白な人魚は、激怒してギザギザの歯を剥き出しながら、一華を襲う。
すると、突然、一華の右側から茶髪の人魚が真っ白な人魚の手を掴んでいた。そのとき、真っ白な人魚の手から宏人が離れ、宏人は沈んでいってしまうのを一華は必死で泳いだ。

感想 0

あなたにおすすめの小説

【総集編】アリとキリギリスパロディ集

Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。 1分で読める! 各話読切 アリとキリギリスのパロディ集

極甘独占欲持ち王子様は、優しくて甘すぎて。

猫菜こん
児童書・童話
 私は人より目立たずに、ひっそりと生きていたい。  だから大きな伊達眼鏡で、毎日を静かに過ごしていたのに――……。 「それじゃあこの子は、俺がもらうよ。」  優しく引き寄せられ、“王子様”の腕の中に閉じ込められ。  ……これは一体どういう状況なんですか!?  静かな場所が好きで大人しめな地味子ちゃん  できるだけ目立たないように過ごしたい  湖宮結衣(こみやゆい)  ×  文武両道な学園の王子様  実は、好きな子を誰よりも独り占めしたがり……?  氷堂秦斗(ひょうどうかなと)  最初は【仮】のはずだった。 「結衣さん……って呼んでもいい?  だから、俺のことも名前で呼んでほしいな。」 「さっきので嫉妬したから、ちょっとだけ抱きしめられてて。」 「俺は前から結衣さんのことが好きだったし、  今もどうしようもないくらい好きなんだ。」  ……でもいつの間にか、どうしようもないくらい溺れていた。

笑いの授業

ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。 文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。 それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。 伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。 追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。

14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート

谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。 “スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。 そして14歳で、まさかの《定年》。 6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。 だけど、定年まで残された時間はわずか8年……! ――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。 だが、そんな幸弘の前に現れたのは、 「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。 これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。 描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。

きたいの悪女は処刑されました

トネリコ
児童書・童話
 悪女は処刑されました。  国は益々栄えました。  おめでとう。おめでとう。  おしまい。

9日間

柏木みのり
児童書・童話
 サマーキャンプから友達の健太と一緒に隣の世界に迷い込んだ竜(リョウ)は文武両道の11歳。魔法との出会い。人々との出会い。初めて経験する様々な気持ち。そして究極の選択——夢か友情か。   (also @ なろう)

雪の降る山荘で

主道 学
児童書・童話
正体は秘密です。 表紙画像はフリー素材をお借りしました。 ぱくたそ様。素敵な表紙をありがとうございました。

おっとりドンの童歌

花田 一劫
児童書・童話
いつもおっとりしているドン(道明寺僚) が、通学途中で暴走車に引かれてしまった。 意識を失い気が付くと、この世では見たことのない奇妙な部屋の中。 「どこ。どこ。ここはどこ?」と自問していたら、こっちに雀が近づいて来た。 なんと、その雀は歌をうたい狂ったように踊って(跳ねて)いた。 「チュン。チュン。はあ~。らっせーら。らっせいら。らせらせ、らせーら。」と。 その雀が言うことには、ドンが死んだことを(津軽弁や古いギャグを交えて)伝えに来た者だという。 道明寺が下の世界を覗くと、テレビのドラマで観た昔話の風景のようだった。 その中には、自分と瓜二つのドン助や同級生の瓜二つのハナちゃん、ヤーミ、イート、ヨウカイ、カトッぺがいた。 みんながいる村では、ヌエという妖怪がいた。 ヌエとは、顔は鬼、身体は熊、虎の手や足をもち、何とシッポの先に大蛇の頭がついてあり、人を食べる恐ろしい妖怪のことだった。 ある時、ハナちゃんがヌエに攫われて、ドン助とヤーミがヌエを退治に行くことになるが、天界からドラマを観るように楽しんで鑑賞していた道明寺だったが、道明寺の体は消え、意識はドン助の体と同化していった。 ドン助とヤーミは、ハナちゃんを救出できたのか?恐ろしいヌエは退治できたのか?