痴漢selection

月詠嗣苑

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ー痴漢されたいー(高埜 咲希 15歳 高校1年)

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毎年思う…

夏服に変わるとよく…

「また、触られたぁ!!」

とか

「ほんと、あのくそジジー性懲りもなく…」

とか最悪なことに…

「私のスカートーーーっ!!」

 制服のスカートにビッチョリ男性のピーがつけられ電車内のトイレで洗ったらしく、体操服のままの珠理ちゃんが、教室に入ってきた。

 「…。」


 「おい、貧乳。お前、なに羨ましそうに見てんだよ。」

 同じクラスの粟生圭が、上から私を見下ろした。

 「だったら、んなスカート短くすんな。ぶーす。」
 「どーせ、ヤラれたいんだろ?」
 「たいして可愛くもねーんだから…」

 等と男子が文句を言えば、女子に睨まれ教室から出てく。


粟生圭が言った『貧乳』は、あながち嘘ではない。

 「お前、本当にあのおばさんの子か?」
 「…。」

ママは、ある意味デカい!!身体付きは、細くて背も私と同じ位なのに、胸だけはデカい!!

 「ふんっ!!」

ふてくされ机に顔を押し付けた。

 『1度でいいから、あんな風に痴漢されてみたい!!明日からちょっと真似してみようかな?』


 翌朝…

「咲希?スカート短すぎるわ!!」
 「うん。それじゃ、痴漢に遇うぞ!!」

で、ママに制服のスカートを直される…

『その痴漢さんにあいたいのよ!!』

なんて言える訳でもなく、駅のトイレでスカートを折り曲げ、電車に乗るも…


「不発…。」

はぁっ!!

 「まーた、ため息ついてるし。貧乳の癖に…」

 粟生圭が、また私をへこませにきた。

 「うるさいなぁ。ほっといてよー。」

 『あんたには関係ないんだから!!』

このクラスで一番可愛くて胸も大きな本庄彩花ちゃんは、ほぼ毎日のようにお尻を触られてる…

「なぁ、俺が、触ったげようか?」
 「…。」
 「胸も触ってや…」

パチンッ…

「粟生の変態!!」

 頬を叩き、教室を出た。

 『ばかっ!!粟生のばかっ!!大っ嫌い!!』

 教室を飛び出し、屋上のテラスへきた。


「ここが、一番落ち着くーーーっ!!」

 屋上のテラスは、360℃周りが見渡せて、本棚が真ん中にあるし、軽く飲み物も飲める。昼休みになると毎回ここにきては、お昼寝してるんだ。

 今日は、お気に入りの席が埋まってたから、他の席に…

『生徒会長の守山さん、相変わらず綺麗だなー。』

そう、お気に入りの席に座って、読書をしていたのが、わが校きってのお金持ち!守山財閥のお嬢様!!守山香織さん!!頭いいし、可愛くて身体も…

「本でも読も!!」

 紅茶を飲みつつ、読書を楽しむ…

そして、安定の…


スゥーッ…スゥーッ…

バサッ…

キュッ…

「ったく…。よく寝るな、お前は。」

 椅子に座ったまま咲希を見下ろす。

 「さっきは、悪かったな。すまん…。」

 聞こえてはいないだろうし…眠ってるし…つい…

唇を静かに押し付けた。


 「あらぁ…圭も、やるのねぇ。」

ビクッ…

「香織…いたのか…。」
 「パパに言っちゃおうかな。ふふっ。」

キュッ…

「好きなんだ。可愛いもんね、咲希ちゃん…」
 「…。」

 腹違いの姉・守山香織。一緒には住んではないが、時々あっては旨いもんを食わせてくれる。


「あの人、元気?」
 「あぁ。やっと、退院出来る位に快復した。言うなよな。」

そう言い残し、テラスをあとにした。


 午後の予鈴が鳴り響く…

「ん?」
 「起きた?」
 「あっ、ごめんなさい。」
 「もう5時限目よ?」
 「あっ!数学!!怒られる!!起こしてくれて、ありがとうございます。」

 頭を下げ、教室へと向かった。

 「おかしな夢だったな。ちょっと、恥ずかしかったけど。」

 誰かとキスしてる夢だった。彼氏いないけど!!

 『痴漢されたい。誰か触ってくれーーーっ!!粟生以外で!!』

 翌日…


「咲希ちゃんっ!!なんなのぉ、その着こなし方!!」

リビングに降りていったら、朝からママに注意された。

 「はしたない!!」

そりゃそうだろう!!スカートなんて、折り曲げしまくって、下着見えそうだし、上着のシャツのボタン3つも外したから、屈むとブラが見える。

 「もっ、だーめ!!女の子が、こんなはしたない格好しちゃぁ!!」
 「…。」

 『ママには、貧乳の気持ちわかんないっ!!痴漢されたことあるとか言ってたし。』

 「パパ居なくて良かったわ!!」
 「はぁっ…」

 『駅で直そ!!』

 朝御飯を食べ、ママに何度も注意されたけど…

「へへっ!!どんなもんだい!!」

トイレで制服のスカートを短くしたり、胸元のボタンを外して並んだが…


「だから、なんでそう痴漢されたいんだ?お前。」
 「…。」

 『粟生になんてわからない!女の子の気持ちなんて!!』

 「んな格好してるとな、もっと酷い目に遇うぞ!!」
 「いいもん。それでも…」

このとき、粟生がどんな表情をしたのかは、わからない…

ただ、一言…

「勝手にしろ。俺、もう知らん!!」

それきり、粟生は、教室を出たっきり戻って来なかった。次の日も、また次の日も、粟生は、私に近付いては来なかった。

 「つまんない…。」


『朝だから、痴漢さんは、痴漢しないのかな?じゃ、夜だったら?学校終わってから、してみようかな?部活あるし…』


 部活が終わった後は、身体が熱いせいか、制服の着こなしがいささか大胆になってくる女の子が多い。それプラス…

「ボタン3つも外しちゃったし、スカートも短くしたし、近くに行ってみようかな?」

ちょっと大胆に痴漢しそうなサラリーマンに身体を近付けた。


ピクンッ…

『きた?触られてる?』

 痴漢かどうかわからないけど、触られてるのが妙に嬉しかった。

モゾモゾッ…

『きたきたきたーーーっ!!』

お尻を触っていながら…

ピクンッ…

制服の端を引っ張られ、強引に手が入ってきた。

ピクンッ…

『こ、これが痴漢さん…』


「ねぇ、きみのことずっと見てたよ。大胆なんだね。ふふっ。」
 「…。」
 「ここも大胆なのかな?」

お尻を触ってた手が、前にきて…

下着の盛り上がりを優しく強く押していく。

 「ここは?」

ビクンッ…

『きゃっ!!そこは…』

 下着の中の一番敏感な部分…

ハァッ…ハァッ…

「可愛いね。恥ずかしいのかな?へへっ…」

 『あっ…ぁ…っ!!』

 「はぁっ…」
 「感じちゃった?じゃぁさ、途中下車する?帰りお小遣い渡すし…」

 『帰り?お小遣い?なんで?』

 「きみ、いくらほしい?5万?」

 『えっ?!ちが…っ!!やっ…』

 痴漢されたいとは思っても、これは違うと思った。


「やっ…はなし…」
 「ねっ、いこうよ。俺、きみを犯したくなってきたよ。」
 「えっ?!やっ…やだぁ…」

 一気に怖くなった。違う、こんなの痴漢さんじゃない!!

 「はぁっ。きみのおまんこ食べてみたいよ。」

 狭い電車内の中で、静かにその痴漢が耳元で…

「ヤリたいから、大胆に誘ってんだろ?」
 「…。」

 『違うー。やだー。粟生ーーーっ!!』

 「お、じ、さ、んっ!!」

この声…粟生?

 「咲希のばーかっ!!」

いつも見ている粟生の笑顔に安心して、涙が出た。

 「これ、なんだと思う?」

 粟生がなんか黒い機械をおじさんに聞かせた。

 痴漢さんの顔が、みるみる青くなっていった…



「ここは?」
ハァッ…ハァッ…
「可愛いね。恥ずかしいのかな?へへっ…」
 「はぁっ…」
 「感じちゃった?じゃぁさ、途中下車する?帰りお小遣い渡すし…」
 「きみ、いくらほしい?5万?」


 さっきの小さな会話が…

大きな音で流れ始めた…

ゴクンッ…

おじさんの顔が、真っ青になって、汗だらけに…

「痴漢!って犯罪!っておじさん、知ってた?」
 「…。」

 私、粟生、痴漢の周りが空いていく。

 「圭ー?終わった?」

っ!!

 『な、んで?守山先輩…』

 人混みの中から、守山さんと少し怖そうな男性が出てきた。


「電話しといた?」
 「ばっちし!!」
 「じゃ、いこっか!!俺とあんたのパラダイスへ!!」

 痴漢さんは、粟生と少し怖そうな男性に挟まれ、私と守山先輩が、後について、電車を降り、駅長室へ…

お巡りさんがくるまで、駅長室で話してた。

 「はいっ?姉弟??」
 「そうだよ。名前も違うし。」
 「性格は、まぁ、ちょっと似て…」
 「似てねーよ!!デカパイ…」

 真っ赤な顔で守山さんと話す粟生が、可愛く見えた。

 「粟生、ありがと。助けてくれて。」
 「あた、当たり前だ!!お前を苛めていいのは、俺だけだかんなっ!!」

 真っ赤な顔で、そっぽを向いた。


「ったく、素直じゃないんだから!!」
 「…。」
 「好きなら好きだと言えばいいのに…」

っ!!

 初めて守山さんの隣にいた人が喋った。

 「あー、こっちは私の婚約者。」

なんとっ!!

 「どうも。石川拓哉と言います。」
 「じゃ、行きますか!!圭、たまには顔出しなさいよぉ!!」

 守山さんは、婚約者の石川さんと出ていった。

 「さっ、俺らも帰るか…。」
 「う、うん。」

 駅長さんにお礼を言って、家まで粟生が送ってくれた…


「ねっ、さっき…」
 「あっ?」

 少し先を歩いてた粟生が、振り返った。

 「好きって、守山さん言って…」
 「さーな。」

 私…粟生の事、単なるクラスメイトとしか思ってなかった。いつも側にいたのは…好きだったから?からかったのも?

 「これに懲りて、痴漢されたいとか思うな。貧乳…」
 「…。」

 『やっぱ、違うか…。』

それから少しして…


放課後の教室で、カーテンにくるまって…

ンッ…ンッ…

「好きだ…」

 告白よりも、キスが先立った…

サワッ…

「尻は、デカ…」

ムギュッ…

「圭のばかっ!!」

 教室を飛び出そうとする私…

それでも、必死に手を掴み…

「逃げるな。俺、お前が、好きだ…」

 再び抱き締められキス…


してる場面を担任に目撃され、圭は、説教され…

「お前だけ、免除ってひどくね?ったくよぉ!!あんな人助けしたのによ!!」

 膨れっ面で夕陽を背に、家まで送り届けてくれる粟生の事が…

「好きだよ…」

 小さく呟いて、手を繋いだ…


それから、10年後…

「ねぇ、ママ。なんで、結婚式の写真で、パパが踊ってんの?」

 私と圭の結婚式の集合写真…

「さ、さぁ。若菜、お前の好きなテレビ…」

 圭が、私を見る…

「い、言うな!」

 口の動きでわかる…が!!

 「これはね、パパがママのお尻を触ったの!で、ママがビックリして…パチンッて!!」
 「…。」

 若菜の冷たい視線が…

「パパの変態…」
 「…。」
 「仕事仕事で、家族の約束を破る方が、悪い!」
 「…。」

 『ったく、ふたりして!!』

 「わかったよ!!今の仕事終わったら、どこでも連れてくから!!」

 惚れた弱味…かな。
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